動画編集をしていると、こんな経験ありませんか?
「せっかくいい映像が撮れたのに、後ろで流れてるBGMが邪魔でナレーションが聞き取りにくい!」
「インタビュー映像を使いたいけど、店内の音楽が入っちゃってて著作権的に危ない…」
これ、実は映像編集者あるあるなんですよ。
僕も昔、クライアントから「声だけ残してBGMを消してほしい」って無茶ぶりをされたことがあって、徹夜で試行錯誤したことがあります。
その時に痛感したのが、音の世界の格言――
「焼いたケーキは元に戻せない」。
一度ミックスされてしまった音は、完璧には分けられない。
でも、最近のAIツールをうまく組み合わせると「ほぼ完璧」に近づけることができるんです。
今日は、
- DaVinci Resolveでできること
- AIボーカルリムーバーを使った裏技
- 注意点(著作権とか) を、初心者の方にもわかるように紹介していきます!
BGMだけ消して、声と効果音を残す方法【DaVinci Resolve+AIツール完全ガイド】
1. DaVinci Resolveでできること
まず最初に試すべきは、手元の編集ソフトでの調整。
Resolveの Fairlightページ には音声補正のための機能がいろいろ揃っています。
🔧 基本の調整3点セット
- EQ(イコライザー) 声が出ている中域(200Hz〜3kHzあたり)を持ち上げる。逆に低音のBGM(ベースやキック)は削る。
- ノイズリダクション 環境音やざわざわを軽く減らす。
- コンプレッサー 声の音量差を均して、聞き取りやすくする。
こうすると、BGMが完全に消えるわけじゃないですが、「声が前に出て聞きやすくなる」 効果は大きいです。
ただし――ここでやりすぎると、人の声が「ロボット声」になっちゃいます。
これはAIノイズ除去でも同じ。大事なのは、バランスをとること。
2. AIボーカルリムーバーの力を借りる
ここからが最近の本命。
AIで音声とBGMを分離してしまう方法です。
有名なツール
- Vocalremover.org ブラウザ上でサクッとできる。無料。
- BandLab Splitter 音楽制作プラットフォーム内の機能。4トラックに分離(ボーカル/ベース/ドラム/その他)。
- Ultimate Vocal Remover(UVR) オープンソースで最も精度が高い。PCにインストールして使うタイプ。
僕の体感ですが、95%くらいの確率で「声」と「BGM」をきれいに分けられます。
残りの5%は残響や細かい楽器音が声に残る感じ。
3. 実際の流れ(僕のおすすめ手順)
「声だけ残したい!」というときの実戦フローをまとめます。
- まずResolveで基本調整 → EQで声を前に、ノイズを少し削る。
- AIツールで分離 → Vocalremover.orgやBandLabで試す。 → より高精度ならUltimate Vocal Removerを導入。
- 編集ソフトに戻して調整 → 声が乾いた感じなら、リバーブを少しかけて自然に戻す。 → 効果音や必要な環境音を足して違和感を減らす。
これで「BGMが消えて、声と効果音だけ残る動画」が完成します。
4. 実用シーンの例
これ、どんなときに役立つの?というと――
- YouTube動画の修正 過去動画のBGMを消して、著作権フリーの曲に差し替え。
- インタビュー映像 カフェや公園で撮った声を、編集で聞き取りやすく整える。
- 教材や研修動画 古い教材からBGMを抜いて、今風のBGMに更新。
特にインタビュー映像なんかは、環境音が混ざりやすいので重宝します。
5. 注意点(ここ大事!)
ただし…便利だからといって 市販の楽曲を勝手に分離して使うのはNG。
- 著作権的に「改変」にあたる可能性が高い
- 「リミックス禁止」の曲でやると違法になることも
👉 安全に使えるのは、
- 自分が撮った映像や音声
- 自作曲やフリー素材 このあたりに限定しておきましょう。
クライアント案件で「市販曲を抜いて使えますか?」と聞かれたら、絶対にNOと言うのがプロとして正解です。
まとめ
- Resolve単体では「補正」まで。完全な分離は難しい。
- AIボーカルリムーバーを使えば95%くらいまでいける。
- ただし著作権のラインは絶対に守ること。
正直、この方法は「魔法」ではなく「応急処置」。
でも、どうしても声を残したいときの最後の切り札になります。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 BGMだけ消して声を残す方法| DaVinci Resolve +AIでできるを書きます。