Affinity で切り抜く方法6選|文字・図形・ブラシ・選択まで完全ガイド

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Affinity で切り抜く方法6選を書きます。

みなさん。無料でPhotoshopのように画像編集ができるAffinity使ってますか。Photoshopとイラレ、それに雑誌デザインに使うInDesignの三つが入ってしかも無料の神ツールです。

今日は「Affinity で図形や文字で切り抜く方法6選」いきますよ!

「Affinity を入れたなら、まず“切り抜き”から」。これは本当にそう。サムネでもブログのOG画像でも、切り抜けると一気に“それっぽい”仕上がりになります。

しかも Affinity はテキスト・図形・ブラシ・選択範囲・切り抜きツール・ブーリアン(型抜き)までひと通り揃ってる。それでは行ってみましょう。

Affinity で切り抜く方法6選

初心者が必ず迷うのが切り抜き。でも最初にここを押さえちゃえば、編集の自由度がグッと広がります。

  • Affinity(Designer / Photo どちらでも概念は同じ)で使える6種類の切り抜きを、初心者向けに手順を丁寧に解説
  • どんなシーンで効くかの具体例つき
  • ついでに失敗しがちなポイント小ワザ

用語だけ先に:
マスク=「見せたいところだけ見せる透明フィルム」。
白で表示、黒で非表示、グレーは半透明。
クリッピング(クリップ)=「上のオブジェクトの形で下のレイヤーを切り抜く=子に入れる」。
ピクセルペルソナ=写真レタッチ系のツールが使えるモード(ブラシや選択系が強い)。

1. 「テキスト」で背景を切り抜くマスク(ロゴ風・サムネのド定番)

Affinity のPhotoshop機能は「ピクセル」です。左上の「ピクセル」を選択します。

こういう時に使う

  • サムネでデカ文字の中に写真を見せたい(例:「カレーの作り方」の文字の中にスパイス写真)
  • ブログの見出し画像でロゴっぽい抜きにしたい

手順

背景にしたい写真レイヤーを最下に配置。

その上にテキストツールで太めの書体を置きます。(Impact / Hachi Maru Pop など。私の場合はルイカを使いました)

画面左のレイヤーパネルの「テキスト」を右クリック。

クリッピングマスクをクリックします。

すると選択したテキストで直下のレイヤーがマスクされました。

レイヤー欄の二つのレイヤーが合成されて一つになったことがわかりました。

必要に応じて文字の位置・サイズで見せたい部分が文字の中に来るように調整します。

エッジが硬い場合は[レイヤーエフェクト]の[外側シャドウ]や[アウトライン]で視認性アップを図ります。

レイヤーエフェクトにはフォトショップのレイヤースタイルに似たツールボックスが用意されていて、様々なエフェクトを書けることができます。

影をつけたい場合は、「外側のシャドウ」に☑を入れてダブルクリックするとパネルが開きます。

値を調整することで影をつけることができます。

やり直したい場合は、レイヤーパネルのテキストを右クリックしてマスクの解除を選択します。

ワンポイント

  • 細い書体だと写真が読めない&伝わらないこと多し。極太が正義。
  • 背景の明暗がゴチャついたら、文字側に内側シャドウでコントラストを作ると読めます。

2. 「図形」で背景を切り抜くマスク(レイアウトの“抜け感”)

こういう時に使う

  • ブログのアイキャッチで円形に顔写真を抜く
  • サムネでスマホ画面の形に動画静止画をはめる

手順

楕円ツールや角丸長方形ツールで形を作成

その下に写真レイヤーを置く。

写真を図形にクリップ:写真レイヤーを図形レイヤーの中にドラッグ(子レイヤー化)。

図形の角丸やストロークで雰囲気調整。影を落とすとカードっぽく。

具体シーン

  • 「レビュー記事」で製品写真を角丸カードで並べる → 清潔感が出る。
  • 「ビフォー・アフター」比較で左右に同じ図形を用意して、それぞれに写真をクリップ。

3. 「ブラシ」で背景を切り抜くマスク(手描きの“ラフ感”を足す)

こういう時に使う

  • サムネの人物だけ自然に浮かせたい
  • “ペンキで塗った風”のラフなエッジを作りたい

手順

切り抜きたい画像を取り込みます。ctr+jで複製します。対象レイヤー(写真など)を選択。

選択ツールブラシを選択して、切り抜きたい人物の上をなぞります。

すると範囲が選択されます。選択後は編集画面上にある「調整」をクリック。

すると画面が下のように変化します。背景の赤い部分は削除される部分になります。

境界線近くの青く表示される部分が残っていたら、ブラシでさらに青い部分を塗りつぶします。

調整が終わったらツールの下にある「適用」をクリックして編集画面を閉じます。

「マスクレイヤー」をクリックすると背景部分透過されます。

人物の背景が網の目模様になったら完成。線がガタついたらSmudge(指先)やぼかしで微調整。

[ファイル][エクスポート][エクスポート]で書き出しパネルが開きます。形式を[png]として書き出します。

具体シーン

  • キャンプ場の写真から人物だけ残して、後ろに大胆な単色を敷く → 情報量が整理されてクリック率UP。
  • ブログ見出しで、製品写真の周りを白ブラシでざっくり抜く → 紙面デザインの“余白感”。

失敗あるある

  • 黒で消しすぎて輪郭が削れる:ショートカット X で前景/背景色を入れ替え、白で復活。

4. 「切り抜きツール」で写真や配置画像をトリミング(作業スピード最速)

こういう時に使う

  • まずは不要な周辺を一気にカットしたい
  • 比率(16:9、1:1、9:16)に素早く合わせたい

手順

Crop(切り抜き)ツールを選択。

上部のオプションでアスペクト比を選ぶ(YouTube サムネなら 16:9)。

欲しい範囲に合わせてハンドルをドラッグEnter で確定。

非破壊で行きたい場合は、「ドキュメントのクリップ」ではなくレイヤーにクリッピングする方法も。配置画像ならコンテキストツールバーの「トリミング(Trim)」で非破壊を選択。

具体シーン

  • 撮って出しの写真から余計な空をカット → 主題が近くなりサムネで強く見える。
  • ブログの横長アイキャッチをサクッと用意。

5. 図形自体を削る・型抜きマスク(ブーリアンで“形をデザインする”)

こういう時に使う

  • 図形にくり抜きの穴を開けたい(円の中に三角ののぞき穴)
  • 角丸カードに切り欠きを作ってタブ風に
  • ロゴの原案づくり

手順(ベクターのブーリアン)

使いたい図形を重ねる(例:大きい角丸長方形+小さい丸)。

両方選択して上部のAdd / Subtract / Intersect / Divideを使う。

Subtract:上の形で下を型抜き(穴が開く)

Intersect:重なりだけ残す

Divide:パーツに分解 → いらない部分を削除

できた形に写真をクリップすれば、オリジナルの抜き型完成。

具体シーン

  • レビュー記事の「Good / Bad」欄で、吹き出し形を自作して中に製品カットをクリップ。
  • サムネで鍵穴型の窓を作り、その中に“秘密の写真”を入れると期待感が出る。

6. 写真などから選択範囲で切り抜くクリッピングマスク(精密仕上げ)

こういう時に使う

  • 髪の毛、木の葉、毛並みなど細かい境界
  • 合成写真で背景だけ差し替えたい

手順(ピクセルペルソナの選択ツール)

Selection Brush(選択ブラシ)で被写体をなぞる。モードは「追加」。

粗く取ったら上部のRefine(境界調整)

Matte/Feather/Contrastを少しずつ。髪の毛はForeground/Backgroundブラシで微調整。

良さげならOutput:New Layer with Mask(新規レイヤー+マスク)を選ぶ。

仕上げにマスクを白黒ブラシで手直し。不要ならレベル補正で境界を締める。

具体シーン

  • 旅行写真の人物をきれいに切り抜き → 背景をブランドカラーの単色に → タイトル文字が乗る余白が作れる。
  • 製品写真の背景を完全白にしてブログ本文の軽さを出す。

速攻で使える“配置のコツ”

  • 被写体の向きに余白をつくる:顔が向く先にスペース → タイトルが置きやすい。
  • 明度コントラストは「被写体 > 文字 > 背景」の順に強く。読めない時は被写体を少しだけ明るく、背景を少しだけ暗く
  • ほんのり影(外側シャドウ 10〜20%)で“貼り付け感”を回避。
  • 仕上げにHSL で背景の彩度を-10〜-20 → 文字と被写体が前へ出る。

失敗しがちなポイントと対処

  • テキストクリップが読めない:写真の模様がうるさい。文字に白1〜2pxのアウトラインを。
  • 切り抜きの輪郭がギザギザ:マスクのエッジを1〜2pxぼかす
  • 色が合わない:被写体レイヤーにカラーバランス/露光量で微調整。背景を少しだけデフューズするのも有効。
  • レイヤーが迷子:フォルダ名を「BG / TEXT / PHOTO / MASK」と命名。未来の自分を救います。

6つの使い分け早見表

  • テキストで抜く:一撃で“プロっぽい”サムネに
  • 図形で抜く:レイアウトの整理・カードUI
  • ブラシで抜く:手描きのラフ感・自然な切り離し
  • 切り抜きツール:まず画角を決める“整地”
  • 型抜き(ブーリアン):唯一無二の抜き型・ロゴ案
  • 選択範囲で抜く:髪・草・細部の最終兵器

まとめ

はい、というわけでございまして!
Affinity の切り抜きは「形で抜く」か「マスクで隠す」かの2大原則。

ここさえ掴めば、あとはテキスト・図形・ブラシ・選択という“道具の持ち替え”で解決できます。

最初はうまくいかなくてもOK。迷ったら元に戻ってやり直しましょう。Ctrl+Z は親友です。

今日のサムネかブログアイキャッチで、まずは1つの写真を“文字の中に入れる”ところからやってみましょう。仕上がり、変わりますよ。