はじめに:音で“空気”をつくる
ある日、カフェで作業していたときのこと。
隣の席の若いクリエイターが「CapCut」で動画を編集中だったんですよ。
画面を見ると、可愛いペット動画。なのに、なぜか途中で違和感があった。
原因は——音。
BGMが、1分あたりでスパッと切れて、急に静寂。
また少しして、別の音楽が唐突に始まる。
「うわ、惜しいなぁ……!」と思わず声が出ました。
映像は良いのに、音の繋ぎで“世界観”が崩れてる。
これ、本当に多いんです。
実は、動画を最後まで見たくなるかどうかって、「音のつなぎ方」で決まることが多いんですよ。
そしてその中でも特に大事なのが——音源の特定区間をループさせるという技。
【完全ガイド】CapCutで音源の特定区間をループさせる方法|動画を“最後まで見たくなる”音の魔法
音源ループの重要性:なぜ“特定区間”を選ぶのか?
ありがちな失敗として、まず「流行ってる音源を適当に使う」パターンがあります。
例えば、TikTokでバズってる曲をそのまま動画に貼り付けて満足しちゃうやつ。
でもそれだと、「曲の一番おいしい部分」を逃してることが多いんです。
曲には“フック”があります。サビやリズムが跳ねる瞬間、盛り上がりの前の静けさ——。
そのフックを繰り返すことで、視聴者の感情が引き込まれる。
一方で、「動画の尺に合わせて音源をぶつ切りにする」失敗もよく見ます。
これ、ほんとに多い。
曲が途中で“バサッ”と終わると、それだけで視聴者は無意識にストレスを感じます。
自然な流れを保ちながら、必要な部分を繰り返す。
そのコツをつかめば、動画の完成度は一気に跳ね上がるんです。
実践編:CapCutで音源の特定区間をループさせる方法
では、実際の操作を見ていきましょう。
(※2025年最新版のCapCut PC版・スマホ版どちらでも対応可能です)
① 音源をインポートする
まず、動画に使いたい音源を読み込みます。
- 画面下の「+」ボタンから「オーディオ」→「端末から追加」 または
- 「CapCutサウンド」→「おすすめ」から直接検索もOKです。
ポイントは、一度音源全体をタイムラインに置くこと。
最初から切り出さずに全体を見て“どこが良いか”を耳で探します。
② ループさせたい区間を特定する
ここが一番大事。
波形を見ながら「リズムの始まり」と「終わり」が綺麗に繋がる箇所を探します。
たとえば:
- リズムが「ドン・ツ・タ・ン!」で終わるなら、その直前の「ドン」から繰り返すと自然。
- ピアノ曲なら、フレーズの終止感が出る手前でカットするのがコツ。
耳で聴きながら、「あ、このまま繋げても違和感ないな」と思えるところを見つけましょう。
③ 分割ツールでカットする
選んだ区間の始まりと終わりに再生ヘッドを合わせて、
下のツールバーから「分割(✂️)」をタップ。
これで音源の特定区間が切り出せました。
不要な前後の部分は削除してOK。
④ 区間をコピーしてループさせる
ここからが“魔法”の瞬間です。
カットした区間をタップ →「複製」→「右に貼り付け」。
これを繰り返すことで、自然に繋がるループ音源が作れます。
ただし、貼り付けたときに「プツッ」とノイズが出る場合は、
波形のつなぎ目に「フェードイン」「フェードアウト」をかけましょう。
- フェードイン:0.2〜0.5秒
- フェードアウト:同じくらい
これだけで、音の切れ目が驚くほど自然になります。
⑤ ループの終わりを自然に処理する
動画が終わるとき、「音が急に消える」と違和感が出ます。
そこで最後のループ区間には、フェードアウトを少し長め(1〜2秒)に設定。
観る人の耳が心地よく離れられるように、
“音の余韻”を残して終わるのがポイントです。
効果的な活用シーンの例
🎬 ショート動画(リール・TikTok)
10秒〜30秒のショート動画では、サビやビートが印象的な区間をループさせると超効果的。
たとえば「ダンスの振り」「商品を見せる動作」に合わせてループすると、
テンポ感と中毒性が生まれます。
🎥 Vlogや風景動画
Vlogの“街歩き”シーンでは、穏やかなループBGMを流すだけで
映像が一気に映画のワンシーンみたいになります。
たとえば「夕暮れの帰り道」。
ループするピアノの音が、画面全体を“記憶の中の瞬間”みたいに感じさせてくれる。
ループを使うメリットとデメリット
✅ メリット
- 動画の一体感が増す 音のつなぎが自然になると、映像の没入感がグッと上がります。
- 短い音源でも長尺動画に対応できる 5秒のループを上手く使えば、1分動画でも自然に聞こえます。
- 視聴維持率が上がる リズムの気持ちよさで、ユーザーが“つい最後まで見ちゃう”んです。
⚠️ デメリット
- 繰り返しが単調に聞こえるリスク 同じ区間を何度も繰り返すと、飽きられることもあります。 → 対策:途中で軽くエフェクトを加える、音量を少し変えるなど変化を。
- ループポイント選びに時間がかかる 完璧なつなぎを探すには、耳を鍛える必要があります。 でもここが上達の分かれ道。
まとめ:音源ループは“地味だけど最強”の編集スキル
CapCutでの音源ループ、一見地味な作業ですよね。
でも、動画を“最後まで見せる”クリエイターって、こういう細部で差をつけてるんです。
たとえば、あなたの動画にお気に入りのBGMがあるなら、
「このフレーズを繰り返したら、もっと世界観が伝わるかも」と耳を澄ませてみてください。
視聴者は気づかないようでいて、ちゃんと感じ取っています。
自然なループが、動画の“心地よさ”を生む。
それが、プロとアマの差を作るんです。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 CapCut で音源をループさせる方法を書きます。