映像制作に気づきを与える本【ハリウッドの法則】

ハリウッドの法則
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

初心者はまず手を動かして編集の感覚を身に着けるべきだ。マニュアル本を読み漁ってばかりいてはだめだ。と書きました。

ある程度動画制作の技術や作法が身についてきた時、はじめて参考に開くのが優れた解説本です。優れた解説本はきちんとした方向性を指し示し、その方向性に向けて必要な解決策のヒントを与えてくれます。

制作者向けに書かれた本の中にはアマチュアが読んでも目からうろこの本があります。

こうした解説本や人の動画作品を考えをめぐらしながら鑑賞すると、少しずつ力がついてきます。

SAVE THE CATの法則

「小難しい脚本術の分析書はいらない。シンプルで、しかも本当に大手映画会社が買ってくれる脚本を書くための最低限のコツを教えてくれ!」と願う制作者のために書かれた本がこの本「SAVE THE CATの法則」です。

映画を10個のパターンに分類し、ひとつずつヒットの法則を説明する内容の超実践的脚本マニュアルです。長編映画向けに書かれてはいますが、短編の動画づくりにも役立つヒントが詰め込まれています。

たとえば、映像作品を決定づける「ログライン(一行のあらすじ)」の重要性。ログラインとは簡潔にひと言でこの作品を説明するものです。

簡潔に表現できない作品は結果としてヒットしないと言い切るのがすごいとロコです。

たとえば「ある日少女が空から降ってきた」というのは宮崎駿のアニメ「天空の城ラピュタ」のログラインです。よく出来たログラインは視聴者をひきつけるだけでなく、作品全体の概要を正確につかんでいます。

  • 皮肉はあるのか
  • イメージの広がり
  • 観客と製作費
  • パンチの利いたタイトル

こうしたログラインの上に上記4つの要素を加えることにより、ストーリーが明快になるという説明は、映像にあまり詳しくなくても理解できます。

映像制作を続けて行くうちに、細かな設定やデザイン、キャラクターに目を奪われがちになりますが、大ぐくりに何が言いたいのか説明ができるとブレがなくなります。

10のストーリータイプ

著者のブレーク・スナイダーが提唱するのは脚本の重要性。彼はハリウッド脚本術の確立者でもあるシド・フィールドの技術を自分なりにアレンジして汎用性が高いメソッドを確立しました。

特に、すべての映画作品の展開を分類した映画論は長編映画だけでなく、小説やコミックなどにも応用できそうです。

観客の共感が得られるパターンはせんじ詰めれば10つのパターンに収れんするという説明は、観客からすると身も蓋もない話です。

しかしあえて、カテゴライズすることによって、物語が作りやすくなるのも事実。

起承転結ボード

プロット作成に着手する前にアイディアを練る必要があります。

そのため使うのが「起」「承」「転」「結」の枠となる4つの「ボード」と40枚の「カード」を準備することだとスナイダーはいいます。

壁に貼ったボードの4つの場面にアイデアを書き留めたカードを一枚一枚貼り付けて、KJ法のように増減・移動させながら全体を調整するのです。

動画の流れを決定づける構成の練り上げ方はドキュメンタリー制作に通じる方法です。

いずれにしても、アイディア(面白い設定)は数多く目出しして、それを極限まで削っていき、どうしても捨てられないものを残すという考え方は王道を行く方法論です。。

本書に一目ぼれしたクリエイター・ダストマンさんの動画は具体的でわかりやすいレビューになっているのでお勧めです。

物語と会話

具体的なストーリー展開や、セリフ回しに興味がある制作者にお勧めするのがロバート・マッキー1)1941年生まれ、出身はミシガン州で、十代の頃から役者として活動、ミシガン大学では英文学を専攻した後、ニューヨークで舞台の仕事に就くが、再度ミシガン大学に戻って映画を学び、そこで撮った短編映画で様々な賞を獲得する。そして1979年、ロサンゼルスに移動、ストーリーアナリストの仕事をしながら、自身も脚本を書き始めた。 の著作です。

20年前の著作なので枯れた内容ではありますが、ストーリー設計の構成要素である、設定、ジャンル、登場人物と構成の関係を基本から学ぶには押さえておきたい本の一つです。

マッキーは世界でもっとも人気のあるシナリオ講師としても知られ、提唱する「ストーリーテリング」の技術はハリウッドの脚本家や小説、劇作家から高い評価を受けています。

ハリウッド流脚本術に関する本は選書サイトがあるので参考にしてください。

物語やキャラクター創作に役立つ34冊 | かみのたね

まとめ

以上の本は、映像制作の最高峰であるハリウッドでつくられたメソッドです。いわば究極のネタバレ本なので、制作者以外。とくに映画を楽しもうとする人が見たら夢が一瞬で壊れます。

夢を作りたいと願う人、映像の世界をもっと極めたいと思う人がはじめてひも解くレシピ本として読みたい本です。

References   [ + ]

1. 1941年生まれ、出身はミシガン州で、十代の頃から役者として活動、ミシガン大学では英文学を専攻した後、ニューヨークで舞台の仕事に就くが、再度ミシガン大学に戻って映画を学び、そこで撮った短編映画で様々な賞を獲得する。そして1979年、ロサンゼルスに移動、ストーリーアナリストの仕事をしながら、自身も脚本を書き始めた。




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。