
動画で食べていくために最低限必要なものは撮影や編集のスキル。それにデザイン力です。
しかし、それだけでは食べていけません。
決定的に必要なのは営業力です。
動画編集で簡単に稼げると思ったら大間違い
動画編集を始めたフリーランサーが感じる大きな壁があります。
それは仕事探しです。
誰でもできること(カット/テロップ入れ/BGM/効果音/SE)だけやって、誰でも思いつく案件(Youtube編集)だけ狙ってもなかなか競争が激しすぎてなかなか高い単価の仕事はできません。一口に動画編集と言っても様々な種類やジャンルがあります。
— ありさん | 動画クリエイター (@ArisanWorks) August 9, 2021
動画制作のスキルは国家資格があるわけでもなく、理系的能力が必要なわけでもないのでその気になれば三か月程度で身に付きます。
しかし身に着けたスキルだけでは食べていけません。
動画制作で大金を稼いだとか、稼げるいう人もいます。
しかし、そんな人の書いた記事に限って何で稼いだかという肝心なところは記事になっていません。
ネットの記事を辿ると高額の情報商材に誘導されたりします。
私の場合は動画制作のスキルを異なる分野に生かすことで月10万円程度の収益を得ています。
一つは、文字の代わりに記録映像として納品する原稿料としての収入。
もう一つは、元の職場の依頼を受けて動画コンテンツを制作する広告制作料としての収入。
YouTubeの動画編集代行には手を出さないようにしています。
なぜ動画編集代行に手を出さないかというと、競争が激しすぎてなかなか高い単価の仕事はできないからです。
動画制作フリーランス 仕事の見つけ方
単価の低い仕事はマックジョブです。
マックジョブとはほとんどスキルを必要とせず、社内での昇進のチャンスがほとんどない、低賃金で将来性のない仕事を意味するスラングです。
マックジョブのような低単価案件ばかり請け負っていても安定した仕事にはつながりません。
ではどうするか。
参考になったのは、20年連続「高収入」のブックライターが明かす、「仕事が途切れない」極意をまとめた一冊の本でした。
結論からいうと、
- 仕事は人脈が命。
- 人脈を作るには誠心誠意。
- 始めの顧客は一人の信頼から。
という、言われてみれば当たり前の話なのでが、著者の体験を辿りながら読み進めると様々なヒントが埋め込まれていることがわかります。
人の倍稼ぐフリーランス46の心得
20年連続「高収入」のブックライターが明かす、「仕事が途切れない」極意!リモート時代のいま必須な、「一人でいても結果も出す働き方」。現役フリーランスから、独立・副業志望者まで、必読!職種を問わず使えるノウハウ満載!

すぐに飛びつかない
焦って稼ごうとする人は、収入を優先するあまり、低単価の案件を受けがちです。
低単価の案件の多くはクラウドソーシングを調べればいくらでもあります。
3時間のロケ素材の文字起こし5,000円とか、16分の動画編集3,200円など。
時給1,000円のアルバイトをやったほうが確実に稼げます。
さらに謎なのは、仕事の内容が見えないこと。
話を聞いてみると闇の案件だったり、修正につぐ修正だったり、委託元がトンでしまったりと信用のおけない仕事もあります。
実績作りもかねて多くのことを手掛けようと頑張るうちに力尽きてしまいます。
「自分のために働かない」という選択
クラウドソーシングをみると、自分のスキルアップのためにどんな注文にも応じてしまう人がいます。
「自分のスキルアップのため」というと聞こえはいいですが、「なんでもこなせること」は売りになりません。
低単価の仕事の中にはスキルを求めない案件が山のようにあります。
誰でもできる仕事を募る依頼者の側からみると、「何の専門分野も持たない人」と思われてしまいます。
高単価な案件とは、依頼者の本来の狙いの中にあります。
それは視聴者の心を動かすコンテンツです。
広く薄いスキルや知識では人の心に響くコンテンツやサービスを提供できず、評価もよくならないのです。
アピールより「相手のニーズ」
動画制作者の中には、自分の世界観にこだわる人がいます。
高画質高精細の動画撮影や、複雑なエフェクトを多用した編集など、クオリティ命のクリエイターです。
もちろん依頼者が望むのであれば全力を振り絞って作品にこだわるのは当然ですが、思い込むと事故の元です。
依頼者が求めるのは注文通りの動画を予算内でつくてくれること。
制作者の世界観や映像のクオリティはかえって邪魔だったりすることもあります。
「自分は何のためにやっているのか?」という志にあう案件であれば、世界観を共有しながら動画を作り込むことも可能です。
一方で、向いていないと思う分野は、多少収入などの条件がよくてもお断りする勇気も必要です。
レスポンスは早く
私が作るような記録動画、ドキュメンタリー動画の場合、制作日数は一週間程度。
撮影一日、試写一日、ラフ編集二日、直し一日、完成一日というように、委託元には事前に説明して承諾の上作業を行います。
ラフ編集とはとにかく一本の流れにしてストーリーが見えるようにすることです。
委託元にはなるべく早い段階で流れを見てもらえるようにレスポンスの速さをこころがけます。
細かくカットを詰め、コメントや音楽などを入れ終わるまで見せないというやり方はアート動画では成り立つかもしれませんが、それ以外の動画では損です。
動画の編集は生き物です。カットの前後を入れ替えただけで内容が180度変わることもあります。
編集に没頭していると視野が狭くなりがちです。
第三者が初見で見た感想の中には、思いがけない気づきが隠れています。
レスポンスを早くとり、できた余裕でブラッシュアップする作戦がもっとも有効です。
締め切りは是が非でも守る
レスポンスの速さと同じく、〆切厳守も鉄則の一つです。
放送番組はその極地です。放送時間が過ぎるまで完成しない番組があるとしたら、それは放送事故です。
締め切りを守るということは自分の信用を守るということ。
信用のない人間には二度と仕事が回ってこないことを肝に銘じましょう。
「まじめ」は最大の武器
生涯売り上げ、生涯利益の観点から考えると、単発・単年度で大きな売り上げの仕事の依頼をいただくより、複数回・複数年にわたって継続的に仕事の依頼をいただける顧客、つまり常連のお客様が多いほうが経営的には安定し、トータルでいただく金額も大きくなる可能性が高いからです。
単発よりも継続的に仕事があって、安定して稼ぎ続けられるほうが、将来的にも圧倒的に強いです。
まとめ
本書はライターを軸に働くフリーランサーの心得を振り返った本ですが、動画制作に置き換えてみても示唆に富んだ内容が書かれています。
仕事を途切らせないで稼げる人とは、ほんの少しの考え方や行動の違いがあるだけ。
アプローチの仕方を変えるだけで可能性を広げることができるのです。
動画編集を生業として始めてみたものの、いまひとつ思うようにいかなくて悩んでいる方は、今の考え方や仕事の仕方を見直すきっかけが見つかるかもしれません。
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