後で書きますが、おいしい料理は甘さを引き出すために塩を入れたりします。
番組の場合「塩」に当たるのは「悪意」です。悪意は毒なので相当慎重に計算します。
元番組制作者としていいたい。#恐怖報道 に加担するな。提案する前に深呼吸しろ。提案者は現場に行って考えろ。編成担当者は煽るな。営業は目先の利益に捉われるな。君はそんな放送がしたくて放送局に入ったわけではないはず。一生悔いが残るぞ。
— フルタニケンジ@動画制作者 (@kenfru3) April 30, 2020
ところが、最近のテレビを見ていると不用意というか、見る人の期待を逆なでするような無自覚な行為が目立ちます。テレビは「恐怖報道」なんて言われるのです。
悪意を込めるには計算づくで作り、届けてほしいものです。
不真面目な番組をまじめに作る
リバースエンジニアというのは使われている技術を解析をすることです。他人がつくった製品を分解しその材料や生産工程、費用などを伺い知ることですが、番組にも当てはまります。
毎週のように量産されるテレビ番組は「フォーマット権」なるものがあり、場合によっては海外のテレビ局などに高く売れます。フォーマットとは仕様つまり製造物の設計図そのものだからです。
テレビ制作者も競争相手の番組を研究します。研究しすぎてパクリ番組を作って演じようしたりします。暗黙の了解事項である制作手法を視聴者の立場から分析してしまった動画があります。
エンタメ系の動画づくりをめざす人にとって、私は教育番組なのではないかと思います。
『水曜日のダウンタウン』って面白いですよね〜。毎回テーマが尖っていて、破天荒な印象がありますが、絵コンテ化してみると抑えるところをちゃんと抑えていたりして、色々発見がありました。
動画を見て舌をまいたのは、この動画の制作者が実によく調べていることです。手掛かりはテレビの録画だけですが、スタジオ収録の実際や、カメラワークなどを克明に写し取り、その機能と役割、演出者のねらいまでも的確に分析しています。同業者が見ても役に立つ内容と言わざるを得ません。
悪意とこだわりの演出術
「この人の作るものが見たい!」と思わせる作り手が最近、少ない。そんな時代に異質な輝きを放ち、今、もっとも注目を集める演出家・プロデューサーの一人の、TBSプロデューサーの藤井健太郎が、企画の立て方、細部へのこだわり、お笑い論を通して、「熱狂的なファン」を生み出すコンテンツの作り方、仕事の手法を初めて明かします。
テレビは人を映す鏡です。一応免許事業ですから公序良俗に沿って番組を作らなくてはなりませんが、それだけでは人の心を揺さぶることはできません。
ですから、どんな番組でも隠し味としての「悪意」をひと匙ほど含ませてバランスを取ります。ここが制作者にとって腕の見せ所です。
行き過ぎた悪意は身の破滅につながるところは、チキンレースそのものです。そのチキンレースに勝ち残った制作者の話には説得力があります。私はマネしないけど。
まとめ
さて、動画にもどってまとめます。
テレビの制作手法についてテレビ関係者が語る本は数多く出ていますが、読んでみるとライトなエッセイであったり宣伝であったりします。「あんたの苦労話聞かされてもものは作れません」といいたい。
番組づくりはチームプレイなのでお互いを傷つける発言や、個人技に近い制作手法を公にさらすことは避けられます。
その点、利害関係がまったくないYouTuberの分析は鋭く、これから似たような動画を作ろうとする人にとって具体的かつ刺激にあふれています。
一本分析するのに相当な労力をかけたであろう作品ですが、後に続く若い制作者にとっては、構造と細部を知ることが第一歩。うまく活用してほしい動画です。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 バラエティ番組の構成 を書きます。