ふだん私が作っている動画はシーンやカットが多いドキュメンタリー系の動画です。そのためDaVinch Resolveでもっぱら利用するのはエディットページです。
でもたまに、速攻でつくるトークものもあるため、いつかはカットページを使いこなしたいと思っていました。
時間ができたのでおさらいしました。
「カットページ」とは何か
ダヴィンチリゾルブには「エディットページ」と「カットページ」という二種類の編集ページがあります。
「カットページ」は「如何に速く効率よく編集をするか」という点に目的が絞り込まれています。
ブイログやニュースの編集、プロモーションビデオの制作に向いています。
いわば「できるだけムダを省こう」という作りが特徴です。
素材の取り込み
使うのは、左上のメディアの読み込みとその右側のメディアフォルダーの読み込みです。
ファイルの読み込みとフォルダごとの読み込みが区分けされています。
最初は空になってるので、ここに素材のフォルダとタイムライン用のフォルダをつくります。
まず素材フォルダです。素材フォルダは撮影したメディアを開き、フォルダごとの読み込みで読み込みます。
続いてAdd Folderをクリックして新しくタイムラインフォルダを作ります。
タイムラインを新しく作りタイムラインフォルダに格納します。
これで編集素材と編集ファイルの準備ができました。
使う素材はわかりやすいように整理を心掛けることをお勧めします。作業が増えてくると編集環境はファイルやフォルダで埋め尽くされます。DaVinchは保存したファイルやフォルダを不用意に移動するとリンク切れして探すのが手間です。取り込んだ素材は自分が編集しやすいように並び替えます。
並び順はタイムコード、カメラ、長さ、クリップ名の4つの順番から選べます。
「カットページ」編集
「カットページ」のタイムラインは通常のエディットページと見え方が違います。
デュアルタイムラインは、上は全体を、下はズームインされた今自分が編集しているタイムラインを表示しています。
プレーヘッドがある位置の周辺が下に表示されてるということです。
この構造は「エディットページ」の反省から来ています。
「エディットページ」は編集中にタイムラインを拡大縮小を繰り返す必要があります。
その手間を省くのが目的で、「カットページ」にはズーム機能が省かれ、かわりに全体が見渡せるタイムラインが設けられました。
「エディットページ」は①メディアプール、②モニター、③タイムラインのシンプルな構造になっています。
カット点を追加する
カットの方法も独特です。カット点を決めたら、プレイヘッドの上を右クリックすると選択画面が現れます。
カット点が打たれたら、後ろのいらない部分を選択してbackspaceで削除できます。
カット以外の編集方法もあります。
クリップ冒頭にある余白の削除は、必要なカット点までドラッグすることで取り除くことができます。
素材の扱い方
モニター画面の左上にある切り替えボタンに[ソーステープ]というモードがあります。
一つのフォルダーにある素材がすべて一つのクリップとして並ぶものです。
クリップの切れ目には白い線が入っています。
素材が多いとき便利なのは[ファストビュー]の機能です。
通常素材を見るときは一個ずつビューアに表示しますが、[ファストレビュー]では長いクリップは早く、短いクリップはゆっくり再生をするのです。
すべてのクリップ見落としがないように確認をすることができるのです。
編集に入る前にこのモードで一度全体を見渡しておくと使いたいクリップが探しやすくなります。
※ソースの変更はショートカット「Q」
ソースの抜き出し
カット点を打った部分をもう少し細かく調整をしてみたい場合には、ソースビュアーの左にある[コレクション]を選択します。すると画面が分かれます。ここでは素材の段階で使う部分を抜き出すことができます。
クリップにはフレーム番号も表示されていて、カット点の細かな調整ができるようになります。※音声波形も出ているので調整がしやすくなります。ここで員、アウトを決めたクリップはモニターを選択してそのままタイムラインにもっていくと、タイムラインのクリップに追加されるというわけです。
シャトル機能
素材の抜き出しに使えるもう一つの機能があります。それはシャトルです。シャトルを使うとイン点アウト点をスライドして滑らかに調整することができます。
タイムライン追加「6つのボタン」
クリップをタイムラインに追加するには6つのボタンを押して行います。
左から[スマート挿入][末尾に追加][リップル上書き][クローズアップ][最上位トラックに配置][ソース上書き]です。
編集の基本は一本化です。とりあえずストーリーに沿った形で最後まで繋いで全体像をつかみます。
そのため最初は[末尾に追加]で順番を整えます。
スマート挿入
スマート挿入は、別途追加したいクリップをタイムラインのカットの切れ目にインサートしてくれる機能です。スマートという名称がついているのは、プレイヘッドを正確にカット点に置かなくてもこのボタンを押すと編集ソフトが自動的に判断してプレイヘッドを付近にあるカット点に移動してくれます。
素材の入れ替え
タイムラインの映像を一部差し換えたい場合は、まずタイムライン上の範囲にインアウトを決めます。次にソースを選びインアウトを打ちます。両者を入れ替えたい時に使うのが[リップル上書き]です。
長さにはかかわらず、タイムラインのプレイヘッドがある部分が[リップル上書き]を押すことで入れ替わります。
クローズアップ
複数のカメラで同時に収録している場合はタイムコードで編集できます。タイムコードとは、『どのVTRにテープを入れても同じ時間を指定すればテープの同じ場所がでる』ようにするため『タイムコード』と言う信号を記録する仕組みです。同時に一つの素材を撮影する際、片方をアップで撮影しておくとメリハリの利いたつなぎができます。その際注意しなくてはならないのがフレームをあわせて編集すること。ここで使えるのが[クローズアップ]です。[クローズアップ]はタイムコードで記録された同じ位置を読み取り、タイムライン上に映像をタイムコードが同じ位置にインサートしてくれる機能です。
最上位トラックに配置
インサートカットを入れるには、ベースとなるタイムライン上と使う素材にインアウトで範囲指定します。イン点アウト点を3点指定すれば性格な位置が決められることから「3点編集」とも呼ばれています。範囲を指定したら[最上位トラックに配置]をクリックすると自動的にタイムラインに追加されます。
ソース上書き
タイムラインの数値が合っているかぎり、同じ位置にインサートしてくれる機能です。
音も同時にインサートされてしまうので、これが不要な場合はカットを右クリックしてミュートを押します。
タイムラインの微調整・フレーム編集
デュアルタイムラインの機能には、細かな編集機能が備わっています。全体のタイムラインの特徴の一つは始点の橋をクリックして右に移動することにより、大胆にシーンをカットすることができることです。ベースとなる一番下のレイヤーV1に並べたカットは隙間が空かないというのも特徴です。
カット位置を前後にずらして正確なカット点を決めるうえで役立つのが[トリムエディター]画面を使うことです。ここではソースとタイムラインの二つの画面の映像・音声が並んで表示されています。この画面を見ながらフレーム単位でカット点の調整ができます。カットの間を詰めたり伸ばしたりする場合は[トリムエディター]を使うことで伸縮させることができます。また、カットをマウスでクリックするとスリップモードになり、左右に動かすことで任意の位置にずらすことができます。
音の調整
モニターの左下にある音量をクリックすると画面下にボリュームメーターが現れるので音量調整します。
まとめ
カットページを使うと編集や調整が早く済むので急ぎの映像制作には便利です。驚いたのは、素材をまとめて一本の長尺素材にしてしまう機能です。
数倍速で早回ししながら使えるカットを記憶したり、ノーマル速度でインタビューをノートにメモする時などに使えます。
もちろんエディットページでさらに細かな編集もできるので使い分けしてみてはいかがでしょうか。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 カットページ を書きます。