今日はですね、After Effectsの隠し技「プロジェクション」についてお話しします。
これ、知ってる人は知ってるけど、知らない人からすると「なにそれ?そんなのあったの?」ってなるやつなんですよ。
僕も初めて触ったときは「え、これヤバくない?写真が3Dになってるんだけど!」って机の上でひとり興奮しました(笑)。
というわけで、今回は完全初心者でもできる「プロジェクション」体験記をお届けします。
After Effects「プロジェクション」の隠し機能を徹底解説!写真を3D化して動かす魔法
プロジェクションってなに?
まず「プロジェクション」というのは、簡単に言うと 平面の写真や映像を、3D空間に投影して立体的に見せる技 です。
たとえばですね、旅行で撮った建物の写真。これをAfter Effectsに読み込んで、普通に動かすとただのスライドショーです。でも、プロジェクションを使うと、建物の「壁」と「床」と「天井」に分けて、そこに写真を投影して…カメラをグイッと動かすと、まるでその空間に入り込んだみたいに見える!
そう、あの「静止画が動き出す演出」ってやつです。
古くからVFXやCGでは「カメラマッピング(Camera Mapping)」とか「Projection Mapping(映像投影マッピング)」として使われていて、ドキュメンタリーとか映画のオープニングでもよく見ますよね。
After Effects のプロジェクション技法
After Effects では、それを “3D空間で見せるような演出” に応用することができ、たとえば、こんな表現ができるようになります:
- 静止画背景に、手前の被写体やグラフィック要素を重ねて、カメラが横移動すると被写体が “壁の向こう側に隠れたり/現れたり” する表現
- 地図や建物のファサードを “360°回転するように見せる” 演出
- 映像の奥行きを疑似的に作って、被写体を前後に動かすような見せ方
一言で言えば、「平面素材に立体的挙動を与える魔法」ですね。
実際にやってみた
ステップ① 元素材(背景画像/映像)を準備
まずは素材。今回は、部屋の写真を使います。壁、床、天井がわかるやつがベスト。
👉 ここに「元写真」のスクショを入れる
ステップ② 3Dレイヤー化(3D空間に配置する)
写真をタイムラインに置いたら、「3Dレイヤー」にチェック。さらに「カメラ」を追加します。
After Effects の「カメラ」レイヤーや3Dレイヤー機能を使って、素材を “平面(通常は平面の平面レイヤー)” として3Dシーンに置くことで視点を動かせるようになります。。
👉 ここに3Dレイヤー化するスクショ
ステップ③ 切り分ける
で、この写真を「壁」「床」「天井」に分けます。ペンツールでマスクを切って、それぞれ複製。ちょっと地味な作業ですが、これが肝です。
👉 ここにマスクで切り分けるスクショ
ステップ④ 立体に配置
切った「壁」は縦に、「床」は横に置いて、Z軸で奥行きをつけます。まるでレゴブロックで部屋を作ってる感じ。これだけでも「おお!」ってなります。
👉 ここに立体化したスクショ
ステップ⑤ プロジェクション!
ここでいよいよ「Camera Projection」エフェクトを使います。
CC 2019以前なら「CC Power Pin」で代用。CC 2021以降なら「Camera Projection」搭載で楽チン。
これを適用するとですね、元の写真が立体オブジェクトにピタッと貼り付くんですよ。パースが自然に見えて、視点を動かしても破綻しない。これが気持ちいい!
👉 ここに投影後の完成スクショ
ステップ⑥ カメラを動かす
最後に、カメラを前後左右にパンさせると…静止画が「動いてる!」ように見えます。
正直ここで毎回「うわぁ…」って声が出ます(笑)。
お好みに応じても材質の歪み、パースの歪み感、色補正などを加えるとさらにリアルさが出ます。
👉 ここに完成アニメーションGIF
バージョン別の違い
- CC 2019以前:Camera Projectionがないので「CC Power Pin」や「FreeForm Pro」を駆使。ちょっと大変。
- CC 2020〜2021:Camera Projectionが標準搭載。作業効率が一気に上がる。
- CC 2025(最新):なんとAIベースで「自動奥行き推定」まで対応。ほぼワンクリックで立体化!
ほんと、昔の自分に「今はこんな便利になったよ」って教えてあげたい。
こんなところで使えるよ
- カメラが壁をすり抜けて「壁の向こう」に進むような演出 → 背景写真にプロジェクションを使って “壁” を表現
- 建物の外観に映像を “投影” して、窓ガラスに映っているような見せ方
- 2D地図を立体的に見せつつ、カメラを回転させて立体感を出す
- テキストやロゴを背景の構造(壁・柱など)に “貼り付けられている” ように見せる
具体的なイメージでいうと「建築CGの簡易パース再現」「ドキュメンタリーの写真演出」ミュージックビデオで空間に没入させる演出」などです。
要は「写真を動かしたい!」と思ったとき、ほぼ必須のテクニックです。
注意点・制約
プロジェクション技法を使うときには、以下のような注意・制約があります:
- 解像度・画質劣化 元画像が低解像度だと、カメラを近づけたり拡大したりするとボケやノイズが目立ちやすい。
- パースのズレ・歪み 平面を仮定して投影しているので、複雑な立体構造には限界がある。リアルな立体物(曲面、凹凸が多い壁など)は違和感が出ることも。
- エッジの処理が必要 素材の端や隣接素材とのつながりをうまく処理しないと “切れ目感” が目立つ。
- 演出としてわざとらしくならないようにする工夫 カメラ動作、焦点距離(レンズ!)、被写界深度、ライティングの処理(明るさの変化など)を加えると自然に見えます。
- プラグインや補助スクリプトがあるとラク After Effects 標準機能だけでやると手間がかかることも多いので、プロの現場では「Projection プラグイン」やスクリプトを使うこともあります。
チュートリアル
実際の解説として、Surfaced Studio には “After Effects 3D Projection” に関するチュートリアルがあります。
このチュートリアルでは、壁や床に見立てた平面素材を使って、カメラがその平面を “すり抜けるように進んでいく” 表現を作る手法が紹介されています。
また、Projection Mapping Show のデモ動画もあったりします。
カメラワークや複数素材をうまく投影して、動的に見せる手法は、見ているだけで「おお…!」となるものが多いです。
まとめ:プロジェクションは魔法だ!
After Effects のプロジェクションは、知ってると表現の幅がぐっと広がる隠し機能です。
僕も最初は「難しそう…」と思ったけど、やってみると意外とシンプル。
で、完成したときに「静止画が立体的に動く」あの感動。
これ、映像やってる人なら絶対ハマります。
ということで、みなさんもぜひ試してみてください!
次にあなたが作る動画、ちょっと映画っぽくなるかもしれませんよ。













こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 After Effects「 プロジェクション 」の使い方を書きます。