
番組づくりの中でインタビューは撮影の基本であるとともに、作品の重要な構成要素です。
なぜなら、誰も知らない貴重な情報やニュースは人間の中にあることが多く、その扉を開けて宝物を掘り当てる作業がインタビューだからです。
目次
知って得する インタビューの撮影方法
「人物の記憶、情報、心情、心境が当人の口から語られるだけでなく、人間同士の関係も明らかにする」と「ドキュメンタリーを作る2.0」の中で山登義明さんは語っています。
- 聞き手は、話し手についての基礎情報や資料を事前に得ておく。その人物に、なんのために、何を聞くのか。ということをしっかり押さえる。
- すぐに本題に入らないこと。インタビューを始めたら、おもむろに雑談して話し手の緊張を解くこと。
- 大げさな問題提起や切り口上を避ける。(話し手は緊張しているということを忘れないこと)
- だらだらと聞かない。(15〜20分をめどとする)。
- 聞き手の質問で話題の流れを作る
- ノートをとる(重要な事柄は記録し、事実関係を確認しながら話を進める。わからないことがあったら質問する。知ったかぶりをすると編集時苦しむことになる)
- 聞き手はあせらない、慌てない(焦って質問しないこと。聞き手があわてると話し手にも伝染する)。
インタビューは聞き手と話し手が共同で事実を発見したり解明したりする作業です。しかし、伏せておきたい事柄を白日の下に晒すという後ろめたさがつきまとうこともあります。だから、まるで罪を犯すような思いでインタビュが進んでいくので、「共犯関係」という言葉がふさわしいと思う時も度々起こります。
インタビューの撮影方法
インタビューの撮影に当たっては話し手が喋りやすい環境を作ることが必要です。
インタビューはコメントや証言をしっかり記録することが目的です。
話が聞ける場所だを確保し、相手が落ち着いて応対できる環境を用意しましょう。
カメラはきちんと三脚に置いて撮影します。
何よりも音声が重要ですので、マイクが騒音を拾わないよう警戒しましょう。
優秀なカメラマンの多くは、インタビューの際目よりも耳に神経を集中し、話し手の喋る内容や、声色の変化に反応して画角を変化させます。
カメラマイクで音声が拾えない場合は、別途レコーダー(iphoneなど)で音を広い、編集段階で音声素材が足りなくならないよう対策を立てましょう。
仕事中の話し手にその仕事について聞くのならば、作業の中でインタビューします。
編集で使える部分は語り手本人が喋ったカットです。
聞き手の質問がないと成立しないようなインタビューにならないように注意しましょう。
まとめ
視聴者が聞きたいのは、その人だからこそ語れることばです。
短いリポートなら、インタビューの中で使えるシーンはほんの数秒。
ロングインタビューでも視聴者が集中して聞くことができるシーンはそう長くありません。
価値のある言葉を凝縮した形でとりだすインタビューの役割です。
インタビュアーや視聴者だけでなく、インタビュイーにとっても新しい発見があるものだと思います。