「こんな便利な機能があったのか!」…と思ったのも束の間
初めてAfter Effectsの「シーン編集の検出(自動カット分割)」を知ったとき、それはもう感動ものでした。
「うおおお、AIってすごい!神!!」
そう思いました。
…ええ、最初の5分間だけは。
なぜならそのあと、PCはファンを唸らせながら処理落ちし、タイムラインには謎のカットが山のように生成され、タイムラインはまるで迷路のようになっていったのです──。
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【知らないと損】After Effects「自動カット分割」で失敗しないための5つの注意点
自動カット分割ってなに?
After Effectsにある「シーン編集の検出(Scene Edit Detection)」は、映像内のカット切り替えをAIが判別して、自動で分割してくれる超便利な機能です。
例えば、以下のようなケースで大活躍:
- 長時間インタビュー動画の編集
- 編集済みのYouTube動画を再編集したい
- 舞台やドキュメンタリー映像の素材整理
使い方もとってもシンプル!
使い方:
- 分割したい映像レイヤーを選択
- メニューから「アニメーション」 → 「シーン編集の検出」
- 「編集を検出」にチェック → 実行!
これだけで、AIがシーンの切り替わりを見つけて、レイヤーをパカッと分割してくれます。
ネットの声:メリットとデメリットを見てみよう
💡 メリット
内容 | 理由 |
---|---|
長尺素材の編集時間を大幅短縮 | カットポイント探しの苦労がゼロに! |
編集済みの映像でも使える | 過去のYouTube素材を再利用できる |
ドキュメント素材に最適 | 単調な映像も整理しやすくなる |
操作が超カンタン | 数クリックでOK、初心者も安心 |
SNSでは「神機能」「感動した」との声多数!
⚠️ デメリット
内容 | 理由 |
---|---|
誤検出が多い | 明るさの微妙な変化を「カット」と誤認識 |
音とのズレが起きる | 映像のみの判断なので、音声がぶった切られる |
PCに負荷がかかる | 特に4K素材はフリーズの原因にもなる |
分割数が多すぎて逆に非効率 | 無駄なカットを整理する作業が必要に |
「結局手作業の方が早かった…」という意見も。
快適に使うための見落としがちな注意点
① 元素材は“加工前”を使うべし!
カラー補正やエフェクトが入った素材だと、明るさや色の変化に敏感に反応しすぎて誤検出が増えます。
検出するなら、撮って出し(撮影直後)の素材で行うのが鉄則です!
② 解像度が高すぎると処理が激重!
4Kや8K素材をそのまま突っ込むと、PCが悲鳴を上げてフリーズします。
✅ 解決策:
- 低解像度のプロキシ素材を作ってから検出する
- 終わったら元素材にリンクを戻せばOK
③ 一度に大量の素材を処理しない
欲張って複数の動画を一気にシーン検出すると、精度が落ちたり、After Effectsが落ちたりします。
✅ コツ:
- 1素材ずつ処理する
- 長さは10分以内がおすすめ!
④ 音声トラックは別で調整!
AIは映像の「フレーム変化」で判断します。
つまり、セリフの区切りとか音楽のテンポはガン無視。
だから、音の切れ目が不自然になることもしばしば。
✅ 対策:
- 映像と音声を別で編集する
- カット後に音だけクロスフェードをかけるなどの調整が必要です
⑤ 分割後の整理整頓が命!
自動でできた無数のレイヤー、放置するとカオスです。
✅ 整理術:
- 無駄なカットは「シーケンス」でまとめる
- 名前を付けてラベルで色分けするだけでも管理しやすくなります!
「自動カット分割」は補助輪。最終的には“あなたの目”が頼り!
便利な機能は、たしかに時間を短縮してくれます。
でも、それだけに頼ってしまうと、編集そのもののクオリティが落ちることも。
自動=完成、じゃない。
自動=出発点、なんです。
AIが切ってくれたカットを見て、「ここ、1秒足りないな…」とか「このタイミングじゃテンポ悪いな…」と思うのは、人間の感性なんですよね。
まとめ:失敗しないための5つのポイント
ポイント | 解説 |
---|---|
元素材は未加工で使う | カラー補正は後でOK |
解像度は落としてから処理 | プロキシで高速化 |
1素材ずつ処理する | 精度と安定性アップ |
音声トラックは別処理 | 違和感ある音を防ぐ |
分割後の整理は丁寧に | プロジェクトがスッキリ |

最後に:自動機能は“編集者の相棒”
After Effectsの「自動カット分割」は、間違いなく便利です。
でも、その便利さに甘えてしまうと、編集者としての目が曇ってしまうこともある。
僕はこう思っています。
「AIは、編集を“終わらせて”くれるんじゃなくて、“始めさせて”くれる存在」なんだと。
この機能を正しく使えば、編集がもっと自由になって、楽しくなります!
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 After Effects「自動カット分割」の落とし穴を書きます。