液体のような動きのあるモーショングラフィックスの作り方を解説します。動き方や重要な要素、コツなども交えて説明していきます。
液体モーショングラフィックスの作り方|AfterEffects
液体モーショングラフィックスとは?
液体のような図形がアニメーションし、視覚的に情報を伝える表現手法です。海外では「リキッドモーショングラフィックス」とも呼ばれます。滑らかな動きでシーンがシームレスにつながることが特徴です。
重要な要素
優れた液体モーショングラフィックスには、以下の3つの要素が含まれています。
- 飛び散り: 液体は常に動き、飛び散ることで、よりリアルな表現になります。「母体(中心となる液体)」と「個体(飛び散る液体)」の力関係を意識し、表面張力のようなエネルギーを表現することが重要です。
- 曲線: 液体の動きは曲線を描くことが多いです。生き生きとした曲線や、美しい曲線を意識しましょう。反対に、カクカクした動きは注意を引く効果がありますが、使いすぎには注意が必要です。
- シームレスな繋がり: シーン間の切り替えは、パッと切り替わるのではなく、滑らかに繋がるようにします。モーフィングなどのテクニックも効果的です。
作成手順
今回は、複数の色の液体が回転しながら集結し、ロゴが出現するモーショングラフィックスを作成します。
- コンポジションの作成:
- 新規コンポジションを作成します(フルHD、フレームレート30fps)。
- シェイプの作成とアニメーション:
- 楕円形ツールで円を作成し、中央に配置します。
- 1秒地点で位置を画面下に移動し、イージーイーズインを適用します。
- 「エフェクト」>「スタイライズ」>「ラフエッジ」を追加し、「縁」と「エッジのシャープ」を10に設定。「展開」にエクスプレッションtime*360を追加します。
- 「エフェクト」>「時間」>「エコー」を追加し、「エコー時間」を-0.14、「エコー回数」を4、「エコーの減衰値」を「最大」に設定。
- シェイプの複製と色の変更:
- シェイプを2つ複製し、それぞれの色を青、緑、赤に変更します。レイヤーの色も合わせて変更しておくと管理しやすくなります。
- 塗りの作成と紐づけ:
- 新規塗りレイヤーを作成し、中央に配置します。
- 3つのシェイプレイヤーを塗りレイヤーにピックウィップで紐づけします。
- 塗りの位置を調整することで、シェイプレイヤーも連動して動きます。
- 三角形への変形:
- 2秒地点で、3つのシェイプが三角形になるようにアニメーションを作成します。補助として一時的に三角形のシェイプを作成すると便利です。
- 三角形への変形アニメーションにイージーイーズを適用します。
- 塗りの回転にキーフレームを追加し、2秒地点でX回転を2に設定。イージーイーズアウトを適用します。
- 中央への集結:
- 4秒地点で、3つのシェイプが中央に集まるようにアニメーションを作成します。イージーイーズアウトを適用します。
- 飛び散りエフェクトの作成:
- 新規平面レイヤー(白色)を作成し、「エフェクト」>「シミュレーション」>「CC Mr. Mercury」を追加します。
- 以下のパラメーターを設定します。
- Birth X/Y: 0
- Velocity: 3
- Longevity: 0.5
- Gravity: 0
- Resistance: 3
- Blob Birth Size: 0.4
- Death Size: 0
- 1秒地点で「Producer」のストップウォッチをオンにし、0秒地点でシェイプの中心に合わせます。イージーイーズを適用。
- 「Birth Rate」にキーフレームを追加し、動きが終わるタイミングで0に設定します。
- 平面レイヤーを複製し、それぞれのシェイプに合わせて「Producer」の位置と「Birth Rate」のキーフレームを調整します。
- 「CC Mr. Mercury」の色をシェイプの色に合わせます。
- モードを「スクリーン」に変更します。
- 爆発エフェクトの作成:
- 平面レイヤーを複製し、4秒地点に配置します。「Producer」の位置を中央に、「Birth Rate」、「Velocity」などを調整して爆発エフェクトを作成します。
- モードを「通常」に戻します。
- ロゴの出現:
- 爆発エフェクトの下にロゴを配置し、4秒地点で出現するようにアニメーションを設定します。
- 仕上げ:
- 全てのレイヤーを選択し、プリコンポーズ化します。
- プリコンポーズレイヤーに「レイヤースタイル」>「サテン」を追加し、パラメーターを調整して質感を高めます。
- 「エフェクト」>「マット」>「チョーク」を追加し、値を15に設定して境界線を狭めます。
- 必要に応じて、調整レイヤーを追加し、「ポスタリゼーション時間」でフレームレートを調整して、アニメーションを滑らかにします。
チュートリアル動画
まとめ
これで液体モーショングラフィックスの完成です。パラメーターを調整することで、様々な表現が可能です。ぜひ、自分だけのリキッドモーションを作成してみてください。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 AE を書きます。