ホログラムとは、3次元空間に生成された立体象を意味します。
本物のホログラムは複雑なプログラムを使うため、高度な技術が必要です。
目的が動画編集であるなら、プログラムから学ぶのは本末転倒です。
それらしく見えるのでよければAfter Effectsの標準機能を駆使することで作ることができます。
なんちゃってホログラムですね。
実際に作ってみました。
【Ae】ホログラムの作り方 After Effects
ホログラムっぽい見せ方をするために必要なテクニックを見てみましょう。
- 光の見え方(全体的な透け感や青み)
- ノイズ(画面の揺れやゴミのような乱れ)
- グリッチ(エラーなどで画面の一部が乱れる現象)
ホログラムらしく見せるには以上の要素が必要です。
こうした画面効果はAfter Effectsの機能で再現できます。
基本的な考え方は簡単です
- ホログラムにしたい部分を切り抜く
- 効果を追加する(ぼかし、色かぶり、色、動き、ノイズ、グロー)
ただし、エフェクトを重ねがけすることになるため工程数はかなりあります。
被写体を切り抜く
最初にホログラム使う被写体が入ったクリップをタイムラインに載せます。
クリップの背景を透明にして被写体のみを切り抜きます。
※拝啓を切り取って透明にする方法については別記事にまとめました。
質感を加える
次に切り抜いた被写体に色合いや質感を加工します。
切り抜いたレイヤーをプリコンポーズします。
※レイヤーを選択し、右クリック[プリコンポーズ]を選択し[すべての属性を新規コンポジションに移動]を選択し任意の名前をつけて保存します。
このレイヤーに「ブラー」「色かぶり補正」「レンズフィルター」などのエフェクトを次々に適用します。
ブラー
ホログラムは実写に比べて少々ぼけて見えた方がそれらしく見えます。
[ブラー&シャープ][ブラー(ガウス)]を適用します。 [ブラー]の数値を「5.0」にします。するとぼやけた感じになります。
さらに色味を調整します。
色被り補正
[カラー補正][色かぶり補正]エフェクトを適用します。色かぶり補正は[ブラックをマップ]と[ホワイトをマップ]で指定した2色間でグラデーションを作成することで調整します。
適用するだけで画像を白黒(グレースケール)に変換できます。
レンズフィルター
色のついたレンズフィルターでみたような質感を追加します。
[カラー補正][レンズフィルター]エフェクトを適用します。 [フィルター][フィルター寒色系(80)]を選択します。 [濃度]を[100.0%]にすると、青白い質感になります。好みの色調にするには[カスタム]を選択することで指定できます。走査線の演出
次にデジタル感を強調するためのエフェクトを適用します。
[トランジション][ブラインド]を適用し、[方向]を[90.0°]、[変換終了]を[30%]、[幅]を[5]にします。こうすることでテレビの走査線を表現します。
画面の揺らぎ
画面のゆらぎを表現するために使うのが波形ワープです。
[ディストーション][波形ワープ]を適用し[波形の種類]を[ノイズ]に変更します。 [波形の高さ]を変えるにはエクスプレッションが必要になります。エクスプレッションとはレイヤー上で使う一種のプログラムです。レイヤーのプロパティを開いてストップウォッチをalt + クリック
(MacならOption+クリック)します。
するとエクスプレッションを記入するウィンドウが開くのでエクスプレッションを書き込めるようになります。
noise(time*5)*15 //カッコの外側の数値は、振れ幅に比例します。
これでクリップがザラザラと揺らぐようになります。
ネオンサイン感
次にネオンサインのような輝きを追加します。
[スタイライズ][グロー]を適用します。 [グローしきい値]を[85.0%]、[グロー半径]を[45.0]、[グロー強度]は[1.0]のままにして様子を見ます。必要に応じて数値を調整してください。以上で、オーソドックスかつ基本的なホログラムは完成です。
まとめ
一度ホログラムのプロジェクトを作成したら使いまわしましょう。
別のプロジェクトでホログラムを採用したい場合でも、ドラッグ&ドロップで読み込むだけで再利用できます。
参考 ホログラムの作り方 – VFXの定番スキルを使った超クールな表現2選!
After Effects|ホログラムの作り方 – VFXの定番スキルを使った超クールな表現2選! – モーションファイル