撮影の基本は「パンするな、ズームするな」つまり画面を固定して撮影することです。
なぜかというと編集の時、ラクしたいからです。
いつ動きが止まるかわからないカットや、ぎこちない動きをするカットは編集してはじめてわかりますが、ただのゴミです。
ですが、静止画カットばかりでは撮影した映像の一部を拡大したい時などには対応できません。
プロの現場では「撮りなおしてこい」と上司に怒鳴られることもあるほど。
クローズアップを撮影した素材が見当たらない場合は最悪です。
嫌な思いを味わいたくない時、救いの神の技があります。
それは画面の一部を拡大するという方法です。
Davinch Resolve では簡単に動画の一部を拡大することができます。
画面拡大の術とは
拡大できるのは画面中央だけではありません。端にある部分も、画面を上下左右に動かすことで位置の調整ができます。
方法は簡単。ざっくりいうと次の通りです。
- タイムラインに拡大したいカットを配置する
- カットを指定してトランスフォームツールを選択する
- 編集画面に現れた白枠を操作して好きな大きさに変更する
以上です。
トランスフォームツールを使う
タイムラインに配置した拡大したいカットをクリックします。枠が赤くなります。
タイムラインビューアーの左下にある【 v 】マークのツールタブをクリックします。
出てきたパネルの四角い枠の四隅に丸がついたトランスフォームをクリックします。
白い枠が出現します。コントローラーです。
このコントローラーの四隅をマウスで操作することで画面全体が拡大縮小できます。
インスペクタ(監視員)から操作する
画面を拡大する方法はもう一つあります。
Davinch Resolve の操作パネルの左上にある〔インスペクタ〕というタブを押すと、数字が並んだコントロールパネルが現れます。
この中に〔トランスフォーム〕という項目があります。
その中の〔ズーム〕という項目の数字を変更すると白い枠の大きさが変わります。
デメリットは
デメリットは、必要以上に拡大すると画面が荒れます。というのも素材が持つ解像度まで変えることができないからです。
作品の印象にも影響を与えます。手抜き感が残るからです。
きちんと計画して撮影していなかったことが透けて見えるからかも知れません。違和感なく拡大できるサイズを見極めながら調整しましょう。
直感的に操作したい人は前者のように白枠を手動で調整する方が、精密に位置合わせをしたい人は後者がお勧めです。
こんなこともできる
便利なのはアップの映像を作るだけではありません。 画面を縮小することによりマルチスクリーンのような画面を作ることができます。
縮小すると画面枠の外側に隙間が生まれます。
隙間は透明なので、別の画像を背景のレイヤーに重ねて置くことでマルチスクリーンのように見せることができます。
よく使うのが、スマホなどで撮影した縦長の動画を使う場合。
縦長画面の一部を横長サイズに切り取って編集できます。
カルガモ親子の引っ越し映像は縦長画像でしたが、その一部を切り取って拡大しています。
この動画の中で階段を下るカルガモ親子のスチール写真が使われています。
この写真のズームバックは編集で作り出したものです。
静止画を拡大するだけでなくズームインやズームアウトもつくれる技です。
素材が不足しているときなど窮余の策として頭に入れておいてもいいと思います。
まとめ
2019年12月、パシフィコ横浜で開催されたAdobeのイベント「Adobe MAX Japan2019」。
Adobe日本法人社長のジェームズ・マクリディさんはクリエイティブをめぐる今日の状況をこう指摘しました。
「ビジネスを深化させていくうえで、クリエイティブがますます重要になってきた」
一昔前まで動画制作は一部のプロが担う世界でした。
しかし、今やプロが使う機材なしでさまざまなことができる時代です。
隠れた機能を一つ一つ見つけ出し、積み重ねながら課題解決能力を身に着けていきましょう。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 DaVinci Resolve を書きます。