DaVinci Resolve でゲーム実況・画面録画のMKVを安定編集!実戦ワークフロー

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 DaVinci Resolve でMKVを安定編集する方法を書きます。

よーし、今日は「DaVinci Resolve で MKV を編集する方法」いきますよ!

結論から言うと——MKVは編集できる。けど“安定運用のコツ”を知ってると100倍ラクです。

画面録画、配信アーカイブ、ゲームキャプチャ……MKVで来る素材はだいたい“可変フレームレート(VFR)”だったり、音声がOpus/FLACだったりで、タイムラインに置いた瞬間は動いても、途中で音ズレとか再生が重いとか、あるある。

今日は、初心者でも“詰まらずに”編集を始められる3つのワークフローを、瀬戸風ノリで丁寧に解説します。

DaVinci ResolveでMKVを編集する最短手順|音ズレ・重い・音声非対応を一発解決

この記事でわかること

  • MKVの正体と、Resolveで起こりがちな問題
  • そのまま使う/リマックス(中身入れ替え)/プロキシ化の3つの道
  • 音ズレ・音声非対応・字幕トラックの実戦トラブルシュート
  • シーン別のベスト設定(ショート・チュートリアル・ゲーム実況)

まず前提:MKVって何者?

コンテナ(器)です。中身(映像コーデック=H.264/H.265/VP9、音声コーデック=AAC/Opus/FLAC等、字幕=ASS/SRT…)をひとまとめにしてるだけ。

なので、「読み込めるか」は中身次第

Resolveは H.264/H.265/AAC なら比較的ご機嫌。でも Opus/FLAC入り可変フレームレート編集で不安定になりがち。ここをケアすればOK。

ワークフローは3択(状況で選ぼう)

A. そのまま読み込んで“最適化メディア”で走り抜ける(手早さ優先)

「とにかく今すぐ編集したい! まずは仮でもいい」派

  1. Resolveを起動 → プロジェクト設定(歯車)
     Master Settings > Optimized Media/Render Cache
     - Optimized Media Format:ProRes 422(Mac)/ DNxHR SQ(Win)
     - Resolution:1/2 または 1/4 にして軽くする
  2. Media Pool に MKV をドラッグ。再生がもたつくなら、該当クリップを右クリック → Generate Optimized Media
  3. タイムラインで編集開始。仕上げ出力は通常どおり。
    → 良い点:スピード最優先。
    → 注意点:音声がOpus/FLACだと、環境によってはミュート扱い・ズレが出ることあり

B. “リマックス(Remux)”で中身そのままMP4へ(品質そのまま・超安定)

「画質落とさず、編集互換性だけ上げたい」派

リマックス=再エンコードなしで器を入れ替えること。

  • コマンド得意なら: ffmpeg -i input.mkv -c copy output.mp4 これで映像・音声を一切再圧縮せずMP4へ。ただしOpus/FLACはMP4非対応なので、その場合は音声だけAACに変換: ffmpeg -i input.mkv -c:v copy -c:a aac -b:a 192k output.mp4
  • GUI派なら Shutter Encoder や **MKVToolNix(mkvtoolnix-gui)**でもOK(“Rewrap/Remux”や“MP4に変換(再エンコードなし)”的な項目)。

リマックス後のMP4は、Resolveが大好物。読み込み・スクラブが軽快になります。

C. 編集用に“プロキシ/中間コーデック”へ変換(最も堅い)

「長尺・多重レイヤー・カラーグレーディング重め」派

  • Resolve 内:メディア管理(Media Management)→「Transcode
    • フォーマット:DNxHR HQ(Win) / ProRes 422(Mac)
    • 解像度:元のまま、フレームレート:元のまま(CFR化される)
  • 外部でffmpeg変換: ffmpeg -i input.mkv -c:v prores_ks -profile:v 3 -pix_fmt yuv422p10le -c:a pcm_s16le output_prores.mov

画質をほぼ落とさず、編集の軽さと安定感が爆上がり。長編や商用案件ならこれ一択。

よくあるトラブルと対処

1) 音が出ない/ズレる(Opus/FLAC問題)

  • 対策:音声だけAAC/PCMに変換
    例:AACに ffmpeg -i input.mkv -c:v copy -c:a aac -b:a 192k output.mp4 例:WAVを分離 ffmpeg -i input.mkv -vn -acodec pcm_s16le audio.wav
  • Resolve側で:クリップを右クリック Clip Attributes > Audio正しいトラックを選択(多言語トラック入りMKVはここで迷子になりがち)。

2) 可変フレームレート(VFR)で音ズレ

  • 対策:CFRに書き出し直す(再エンコードが必要) ffmpeg -i input.mkv -r 30 -vsync 2 -c:v libx264 -preset veryfast -crf 18 -c:a aac -b:a 192k output_cfr.mp4
  • もしくはOBSの録画設定をCFRオンにして再収録(次回からの事故防止)。

3) 字幕(ASS/SRT)が入ってるけど使えない

  • ResolveはSRTが安定。MKVの字幕を取り出してSRTに:
    • ffmpegで: ffmpeg -i input.mkv -map 0:s:0 subs.srt ※埋め込みがASSなら、いったんASS抽出→Subtitle Edit等でSRTへ変換。
  • 取り出したSRTは、Media Poolにドラッグ→タイムラインへ乗せるだけ。

4) 重すぎて編集にならない

  • プロジェクト設定でDecode Options > Use GPU(可能なら)
  • Timeline Proxy ModeHalf/Quarter
  • それでも重い→Optimized Mediaプロキシ書き出しへ。

実戦レシピ(シーン別)

① ショート動画(縦・テンポ命)

  • BGM 120BPMなら、カットは2秒(1小節)単位で刻むとテンポ良し。
  • 画面録画MKVはBのリマックスOptimized Media
  • テロップは大きめ+縁取り。スマホで“読める”が正義。

② チュートリアル(画面キャプチャ・マウス操作多め)

  • 元がVFRならCのCFR化またはプロキシ化
  • マウス操作を強調するため、ズーム&パンにラグが出ない軽さが大事。

③ ゲーム実況(長尺・多トラック音声)

  • まずClip Attributes正しい音声トラックに切替。
  • 長時間はDNxHR/ProResプロキシにして落ちない編集を最優先。
  • 重要ハイライトは**マーカー(M)**で即メモ。後からショート切り出しが楽。

手順まとめ(最短ルート)

  1. 素材チェック:Media Poolに入れて再生。音声コーデックや重さを確認。
  2. 方針決定
    • 動く→AでOptimized Media
    • 音声がOpus/FLAC→Bで音声だけAACにしてリマックス
    • 長尺/重い→Cでプロキシ化
  3. 字幕が要る→MKVからSRT抽出→タイムラインへ。
  4. 編集→カラー→音→書き出し。**ExportはH.264(YouTube)/HEVC(高圧縮)/ProRes/DNxHR(中間納品)**を使い分け。

ちょい上級の小ワザ(効きます)

  • ネスト書き出し回避:MKVをそのまま多用するとレンダー落ちの確率UP。重要カットは一旦個別に中間コーデックへ変換して差し替えると安定。
  • 波形で音ズレ検品:カチンコ音や拍手で波形ピークを合わせるとズレが一発で見抜ける。
  • カラーの先に“ノイズ”:画面録画素材は微細ノイズが少なくべったりしがち。少量のフィルムグレインで“映像の粘り”を作るとプロ感が出ます。

配信アーカイブや番組のMKVは著作権・利用規約に注意。自分の素材でも、BGMや画像に第三者権利がある場合は確認しましょう。安全第一。

まとめ

はい、というわけでございまして!
MKV編集は怖くない。ポイントはただ1つ、“器”と“中身”を分けて考えること。

  • 動けばA(Optimized Media)
  • 互換性を整えるならB(リマックス)
  • 長尺・本番案件ならC(プロキシ/中間コーデック)
    この三段活用で、音ズレ・重い・読めないにサヨナラ。今日の素材、まずは1本だけリマックス→タイムラインへ。サクッと切って並べて、完成まで走り切りましょう。編集、楽しくなりますよ。