
店でチラシやポスター作りを手伝っています。その店にipadを使ったサイネージが導入されました。
店の人から「放送局で仕事をしていたのだからサイネージ動画はつくれるだろう」という相談です。
サイネージで流す動画と番組は作り方がもとから違います。しかし、せっかくのチャンスなのでillustratorのデザインをもとに挑戦しました。
上記が動画の試写版です。After Effectsでつくりました。静止画の上をキービジュアルと文字が動きます。素材はillustratorでつくりました。一枚の絵なのに、文字やパーツがばらばらに動くところがポイントです。
この作り方をおさらいします。
目次
Illustratorで原盤を作る
キービジュアルや文字が別々に動く秘密は、画像をそれぞれ束ねて編集することができる仕組みにあります。
デザインなどの制作に使うグラフィックソフトillustratorにはレイヤーと呼ばれる層で素材を管理することができます。
その層に動かしたい素材をまとめて編集することで、アニメーションを担当するAfter Effectsの力を借りることができるのです。
ではやってみましょう。
まずはじめにillustrarorで完成イメージをつくります。

動かしたいパーツはレイヤーごとに整理して保存するのがコツです。
上記の画面右にあるのがレイヤーです。下から上に[背景][キービジュアル:アスパラ][テキスト]の順に積み重なるように整理します。
それぞれのレイヤーを見てみましょう。



別々に動きを付けたい素材がまとまっていることが分かると思います。
レイヤーに文字や素材を振り分けて保存することで、After effectsでそれぞれのレイヤーを異なるタイムラインに分けて読み込んでくれるのです。
After effectsに読み込む
After effectsは素材に動きを付けるグラフィックソフトです。アニメーションツールとしても知られています。
After effectsを起動し、保存したillustrarorファイルを読み込みます。そして読み込んだファイルをタイムライン上に並べて動画にします。
After effectsはタイムラインの上に素材を階層状に並べて編集します。ですから素材が階層状になっていればそのまま編集することができます。

レイヤー構造のillustratorファイルをAfter effectsに読み込ませるにはコツがいります。
ポイントは読み込ませるillustratorの縦横サイズとAfter Effectsのサイズを合わせること。動かしたい素材をレイヤーにまとめることの二点です。
illustratorのファイルをそのままAfter Effectsの編集画面にドラッグ&ドロップします。

現れた画面で[読み込みの種類][コンポジション]を躊躇なく選びます。

するとプロジェクトの画面に読み込まれたレイヤーが表示されます。
これで準備が整いました。あとはタイムライン上でレイヤーごとに動きを付けていけば完成です。
注意点
illustratorのレイヤーは必ず第一階層に置いてください。第一階層のレイヤーの下、つまり第二階層にレイヤーを並べると一枚の素材として読み込まれます。
illustratorのレイヤー構造をPremiereは読み込めるでしょうか。試しましたがダメでした。
まとめ
素材は静止画だけ。簡単なサイネージ用広告をコストをかけずにつくることができました。
簡単なように見えますが、一番難しいのは設計図を組み立てることです。
どのバーツがどのタイミングでどのように動けば格好良く見えるのか、デザインとタイミングという二つの要素を組み立てながら作ることが大切です。
そのため一つ作るのに思ったよりも時間がかかります。
しかし、絵が動くことで単純なデザインでも目立つ効果を生むことができます。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。