壁のシミとか、道路のひび割れとか抽象的な映像はアート作品に欠かせない素材になります。
どこにでもある素材も、使い方ひとつで下のような動画に大変身できます。
黒いところを透明に白いところだけ使う方法をご紹介します。
写真から立体動画をつくる 方法
新規コンポジションを 1920×1080 として作ります。
壁の汚れを撮影した画像をAfter Effectsに読み込みます。
[エフェクト][カラー補正][白黒]でカラーを白黒にします。
白黒のメリハリをつけるためにもう一度[エフェクト][カラー補正]を選択し、[レベル補正]をクリックします。
エフェクトコントロールパネルに切り替えると。ヒストグラムというグラフが表示されているのがわかります。
左右のスライダーを動かして中間色を白か黒かに仕分けします。
さらにレイヤーの描画モードを[スクリーン]にします。
すると黒の部分が透明に抜かれます。
背景に着色した平面を置くと白い部分だけ残っていることがわかります。
これで素材は出来上がり。
同じようにして数枚の素材を作ります。
なお、使用する素材によっては黒く残った部分を反転させて使いたくなる場合があります。
黒い部分だけを使いたい場合は、エフェクトを追加することで黒い部分だけ使えるようにします。
[エフェクト][チャンネル][反転]を適用すると画像の黒いひび割れが白く反転します。
注意するのはエフェクトコントロールに並んだ[反転]の順番を[白黒]の次に来るように並び変えます。
エフェクトをかける順番によって見え方が変わります。
あとは[レベル補正]の[ヒストグラム]のスライダーを動かしてノイズの見え方を調整します。
作ったオブジェクトで幻想的な空間を作る
例えば廃墟や迷宮の幻想的な雰囲気に使割れる空中の埃、
水槽などの液体に揺蕩う浮遊物はこうした素材を3Dを使って立体的に重ねることで見せることができます。
その作り方を紹介します。
奥行きあるアニメーションの作り方
何枚かの素材をレイヤー上において、すべて[スクリーン]にすると黒い部分が透過して白い部分だけ残ります。
すべてのレイヤーに3Dを適用します。
[レイヤー][新規][カメラ]を選択します。 [トップビュー]を表示してカメラとレイヤーの配置がわかりやすいようにします。レイヤーごとにスケールや回転などの数値を調整してアニメーションをつけます。
修正した値だけ表示させたい場合は【U】を素早く二回押すと値を変えた部分だけを表示することができます。
色調整用の平面レイヤーをカメラレイヤーの下に置きます。
描画モードを[カラー]にします。すると平面の色が下にあるレイヤーの明るい部分に反映されます。
※平面にグラデーションをかけることで印象が変わります。
カメラの位置や被写界深度を変えることでレイヤーの奥行きがアニメーションとなって表現することができます。
背景の模様を発光させたいときは、カメラと色調整用の平面レイヤーの間に調整レイヤーをかませて[グロー]を追加します。
カメラレイヤーの上に親となるヌルレイヤーを配置してカメラに紐づけます。ヌルレイヤーをアニメーションさせることでカメラの動きをつけることができます。
カメラにエクスプレッションをかけてwiggle(0.3,120)などとするとカメラを手振れ感をつけたようにランダムに揺らすことができます。
まとめ
カメラから奥行きを持たせたレイアウトが大切になります。
奥行き感を持たせるためには被写界深度や周囲の動きなどの演出を加えるとズレ感をより際立たせることができます。
素材を変えたりしながら練習してみましょう。