【Pr】前景と後景の フォーカス を編集で変える方法Premiere Pro

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 フォーカス を書きます。

以前、ピントが甘い動画をシャープに見せる「アンシャープマスク」というエフェクトをご紹介しました。

これとは逆に、同じカットの中で遠景から手前にピントを合わせたりすることもPremiere Proを使って作ることができます。

こうした同じカットの中で遠景から手前にピントを合わせる手法は「プルフォーカス」と呼ばれます。

カメラのフォーカスを同じカットの中で移動させる撮影方法ですが、編集ソフトでピントを変えることでも作ることができます。

前景と後景のピントを編集で変える方法

動画編集では、被写体を徐々にぼかすことで、あたかも撮影時にカメラがピント合わせするように見せることができます。

これをブラーエフェクトといいます。

さて、カメラでフォーカスを合わせると、前景と後景のピントがずれます。

ということは、

  • ブラーエフェクトを前景と後景別々に適用し
  • さらにタイミングをずらす

ことで撮影時にカメラがピント合わせするように見せることができます。

Premiere Proの「プルフォーカス」はその仕組みを応用しています。

必要になるのは、前景も後景もともにピントが合っている動画素材を使うこと。

この素材を前景と後景を別々にマスクで区分けし、タイミングをずらしてブラー処理をすればいいのです。

作り方

プロジェクトを開き、クリップを選択します。

[エフェクト][ビデオエフェクト][ブラー&シャープ]から[ブラー(ガウス)]を選択。

[ブラー(ガウス)]をタイムライン上の素材クリップに適用します。

フォーカスの動きは、「エフェクトコントロール」のタブで行います。

ブラーの右横の数値を変更します。モニターを見ながらボケの程度を事前に確認調整します。

大体の感覚がつかめたら、元に戻しておきます。

マスクの作成

[不透明度]のマスク作成ツールを使用して、被写体を囲むようにマスクを描画します。

よく間違えるのが、[ブラー]のマスク作成ツールです。必ず[不透明度]のマスク作成ツールで描画してください。

まず前景をマスクします。

囲んだ部分以外は黒くなります。

「マスクの境界のぼかし」を使い境界をぼかします。

※境界をぼかすことで前景と後景の繋ぎ目を目立たなくさせることができます。

ぼかしハンドル(白丸)とマスク拡張の四角をドラッグして、鮮明な状態からブラーが適用された状態までの間のトランジションを滑らかにします。

囲めたら[反転]をクリックします。

すると、マスクで囲った前景が黒くなり、後景が表示されます。

「ブラー」の調整

後景からブラーを適用します。

ピントが合っていた映像を次第にぼかしていきます。

エフェクトコントロールのタイムラインにある再生ヘッドをクリップの始点に移動させます。

[ブラー]の右横にある数値を「0.0」とします。

ブラーがかかっていない状態です。

再生ヘッドを任意の場所まで進め、[ブラー]の右横にある数値を「50.0」とします。

すると画面が徐々にボケて見えるようになりました。

次に前景を用意します。

トラックV2に、V1のクリップをAltキーを押しながらドラッグしてコピーします。

V2のクリップのエフェクトを調整します。

  • 反転を解除する
  • ブラーのキーフレーム数値を逆にする

以上です。

ブラーのキーフレーム数値を逆にするということは、もともとボケて見えていた前景が徐々にピントがあったように見えるようになるということです。

後景のピントがボケていくタイミングで前景のピントがあっていくと、見た目にはピントが後景から前景に「プルフォーカス」されたように見えるようになります。

まとめ

編集のテクニックだけで奥行きのある効果が出せるといざという時役に立ちます。

この手法は「プルフォーカス」と呼ばれるもので[ブラー(ガウス)]エフェクトを使うことで作れます。

作業のミソは、[不透明]のマスクで前景と後景をうまく切り分けること。切り分けたクリップは複製と反転を使うことで切り分けることです。

反転やタイミングのイメージが取りづらいかもしれませんが数回やれば会得できます。

ピントぼかしのテクニックは結構、病み