初心者が映像編集をする際、読んでおきたい本【ありません】

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしていました。

たまに聞くのが「初心者にオススメな映像編集のテキストって何」と言う質問。

ネットを探せば出てくる本をチラ見して思いました。

「初めて映像を編集する人に向けた本ではありません」と。

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ビデオ編集をはじるにあたり、戸惑ったのは編集ソフトの使い方でした。初めて触った編集画面ははっきりいってスイッチの山。好きな人にはたまらないかもしれませんが、戦闘機の操縦席にいる感じです。編集ができればそれでいいと言う姿勢の私にとっては見るだけでクラクラします。

かつて放送局の制作者は編集作業は全て編集マンと言う専門家におまかせしてました。収録の時は音響効果やビデオエンジニアなどの専門家がバックアップしてくれます。ですから制作者は仕組みを知らなくてもいい番組が作れたのです。

ところが今は、全ての作業をひとりでこなす時代です。プロの現場ではわからなければ近くのプロに教えを請うこともできます。テキストの多くはそうした半分プロ向けの本なのです。

 

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初心者向けという言葉に騙されるな

映像編集を初めてする人の目的地は、プロが目指すゴールとは違います。その辺が書店に並ぶ映像編集の本で混同されているのです。例えばある本にはこんな前書きがあります。

youtubeやニコニコ動画などパーソナルメディアがテレビの視聴を追い抜く勢いの昨今。スマートフォンや一眼レフカメラでも動画撮影ができるようになったり、映像ソフトダウンロードサービス、タブレットなどの携帯デバイス、超小型ビデオカメラなどのハード&ソフトの進化により、映像制作やそれを公開することが、プロアマ問わず、困難ではなくなってきました。

一応初心者向けと謳う内容には、アマチュアの垣根が低くなってきたとほのめかされています。この本を買えば、私のような機械オンチの制作者にもわかる内容かもしれないと期待してしまいます。

そんな時代にプロとして活躍するためには、単なる決定的瞬間やトリッキーな表現は初心者でもできるといっても過言ではないので、テレビや映画などフォーマットに基準に適していることや、クライアントの意向に即した作品作りがしっかりできることが要求されます。

しかし、読み進むうちに、本が相手にしている初心者とは、編集ビギナー向けのものではないことがわかり始めます。将来は映像編集のプロをめざす人を初心者と定義していたのです。

ほとんどの人はプロではありません

実は書店に並ぶほとんどの解説書は、この本のようにプロをめざす人に向けたものがほとんどです。放送局員である私ですら知らない用語や商品説明がぎっしり詰め込まれています。そのほとんどは、初心者が直面する今ここにある問題を解決するには役に立ちません。

はっきり言って映像編集と言うのは手段です。ソフトを学ぶことが目的ではありません。必要なのは、使える映像や音声をしっかり選び、並べる順番を間違えずに正確に繋ぐことです。テクニックというのはある程度使いこなせるようになった中級者がさらにうえを目指して学ぶものです。

初心者が身に付けたいのは、内容を補足するためのスーパーという文字情報の打ち方や、音の上げ下げや、映像をカットするタイミングや並べ方など、作品作りの本質を支えるための基本です。

その基本を抑え、スムーズに習得できるように構成されている本こそが初心者向けの編集テキストだと思うのです。

初心者向けのテキストとは

繰り返しますが、書店に並ぶ編集テキストはほとんどが中級者向けの本です。中級者とは編集でメシを食べていこうという人たちのことです。映像制作を楽しみたいというのが目的の人は最初に手を出すべき本ではありません。

今のところ映像制作に初めて取り組む人は、ネット上で解決策を探すしかありません。

役に立つガイドブックとは知識を増やすのではなく、映像制作に欠かせない好奇心をかき立てる本です。好奇心こそが映像作りに不可欠なエネルギーを生み出す源だからです。

  • 平易なことばで書いてある。専門用語には説明が付いている
  • 問題解決を具体的に絵解きしている
  • 操作の手順が絵解きされている
  • 商用の映像制作を目的としていない
  • プロフェッショナル向けを謳っていない

やさしく、深く、わかりやすい解説書というのはなかなか見つからないものです。まずは、実際に手を動かして実習してみることが大切です。

繰り返しが経験となり新たな好奇心が生まれてきたらしめたものです。好奇心こさが本当の教科書だと思います。