
番組制作者はふつうカメラマンとペアでロケ現場に臨みます。
たまに質問で、「上手に撮影する方法を教えてください?」と聞かれたりします。
芸術のような映像を撮影するのは超難しいですが、記録映像の撮影であれば原則があります。
動画を 上手に撮影 する三つの方法
カメラマンが撮影した映像を何百時間見て来ました。
その経験から答えられるのは「画面を固定して撮ること」です。
カメラは動かさない
初心者の方におすすめしたいのが「カメラを一切動かさずに撮影する」というテクニックです。三脚を使うのが上手に撮影するためのコツです。カット割りはプロの技ですので、意識して見ておくと勉強になります。#動画撮影法 #ビデオの撮り方
— fututani (@kenfru3) 2019年3月12日
ジンバルカメラでの撮影が人気です。人気の秘密はぶれないこと。
カメラはふらふら動かしてはいけません。ふらふら動く映像はあとで編集ができないのです。
優秀なカメラマンほど、初めからカメラを振り回すことはありません。
撮影を始める前にじっくり撮影する対象を見極め、落ち着いてカメラを回します。
映像編集のガイドブックなどを見ると、ズームの仕方などカメラの操作法の解説にページが割かれています。
ところができるカメラマンほどズームやパンなどは使いません。
使ったとしてもそこにはカメラを動かす理由がかならずあります。
編集に際しても、よく見ると動きのある絵、例えばズームやパン(横に動くこと)の編集点は静止していることがわかります。
書道に例えると、トメやハネなどの一瞬動きが止まるところ。
そこで編集するとリズムが出るのです。動いている最中で編集した画面は締まりがなく、だらだらとした感じを見る者に与えます。
始めてビデオカメラを手にすると、ついカメラをぐるぐる振り回して撮影してしまうものです。
これはふだん目で物を見る時と同じようにビデオカメラを動かしてしまうのが原因です。
撮影しているときはうまくされたように思っても、試写を見ると気持ちが悪くなると思います。
おすすめしたいのが「カメラを一切動かさずに撮影する」というテクニックです。
カメラを横に動かすパンや、ズームも厳禁です。
被写体が画面から出ていってしまったら一旦撮影を止めましょう。これだけの事でぐっと見やすい映像が仕上がります。
放送という仕事の8割は、人にものを伝えるのが目的です。
編集に耐えられない映像はごみでしかありません。情報を伝えることができない映像を撮らないこと。
それが上達するための最初のステップです。
頭の中で秒読みをする
撮影をしていると画面に熱中するあまり、カットの長さに注意が向かなくなることがあります。
十分な長さが撮れたと思っても、1~2秒ほどしか静止画が撮れていないことがよくあります。
これでは編集に使える素材にはなりません。
- 静止した映像は使える部分が8秒と、前後捨てカット5秒ずつの13秒です
撮影中は時間をものすごく長く感じるものです。
十分な時間をとって止まったカットを撮った気になっていても、試写をすると意外に短いカットが多いことに気付きます。
たとえ編集できたとしても、ワンカットが1~2秒というのも見ていて疲れます。
映画の予告編やコマーシャル映像などでは数フレームという短いカットを積み重ねるものもあります。
でも、強い印象は与えることができても、情報を伝えるには適さないと思います。
- カメラを動かす時(パンニング)は、前後で約5秒停止する
- ズームイン・ズームアウトはゆっくりと
撮影のポイントは、録画ボタンを押したら捨てカットを撮るつもりで数秒静止し、その後使えるカットとして7~8秒の映像を撮ることです。
頭の中で数を数えるのが原始的ですが間違いのない方法です。カウンターを数える習慣をつけましょう。
三脚を使う
ズームをやたら使いたがる。カメラを縦横に振りたがる。カメラを手で持って動きたがる。
初心者が失敗するのはこの三つです。
編集するとわかるのですが、始終動いているカットは編集点が見つからないのです。
ズームでも、横に画面を振るパンでも、カメラ自体が動くドリーでも、動きの途中でカットして別のカットに繋ぐと見る者に不自然なショックを感じさせます。
プロの一番の違いは、画面が安定しているかどうかです。プロのカメラマンは必ず三脚を使います。
三脚を使うと手ぶれを防ぐことができる上、台座にクッションがついているのでパンをスムーズにすることができます。
さらに水準器のおかげでカメラを水平に固定することができます。
三脚は重くてかさばることから持ち運ぶのは大変です。
やむを得ず三脚を使わない撮影の時は脇をしっかり締めて、両手を使ってカメラを安定させて撮影することをおすすめします。
まとめ
画面が静止した映像は編集する際様々な用途に使えます。
数秒程度のカットに切り刻んで編集にリズムをつけることにも使えます。
しかし、画面が動いていると使える場面も限られてきます。
ふらふらとあてもなく動きまわる映像は、なにを見せたいのか相手に伝わりません。
カメラを動かすということは、動かす理由があります。その理由を物語にしていくのが編集作業です。
何を見せたいのかわからない映像をいくら編集しても意味がありません。
沢山撮ったけど使えない映像を減らすことが上手な映像を撮るための秘訣です。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 失敗しない動画撮影 を書きます。