【選書】映像演出の教本書「 映像の原則 (改訂版)」

映像の原則
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 映像の原則 を書きます。

動画制作を教えてた時、学生から参考になる教科書みたいな本はありませんかと聞かれました。

編集とは実際に作業をしながら習得していくものなので抜け道みたいなものはありません。

映像の原則(改訂版)

しかしだからと言って自己流で上達できるものでもありません。

映像作品を作ると言うゴールは同じでも、そこに至るルートは無数にあります。

そしてそれぞれのルートには正確に進むための方法があるのです。

初心者からプロの映像制作者まで役に立つ映像演出技術書をご紹介します。

著:富野由悠季
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映像制作を始めてある程度経験を積んだ人にオススメしたいのがこの本「映像の原則」です。

著者はテレビアニメ「ガンダム」シリーズの初作品『機動戦士ガンダム』(1979)の監督として知られる富野由悠季さんです。

アニメーションの本と勘違いする方がいるかもしれませんが、内容はアニメーションの制作を起点に映像制作全般にわたる技術論になっています。

技術論と言うと難しく聞こえますが、読み始めて気づくのは、指導者にマンツーマンで教えを受けるブートキャンプにいるような臨場感を感じることです。

例えば対象物を撮影する際のフレーミングの例。

対象物を画面いっぱいにアップで撮影するのは、観客にその対象をよくわからせる時とか、脅迫的な印象を与える時使う。これは人間がもともと見て感じることができる原理的な印象で、本能的な心理に働きかけている刺激なのです。

動画を編集しているると、無意識のように繋いでしまうことがよくありますが、映像にはそれぞれ意味があり、その意味を効果的に表現するために編集技術があることがわかります。

感性で映像は撮れない

作品を作るためには”職人の技”が必要になるのです。 感性というのは、映像作品の企画の段階での”ひらめき=思いつき” と最終的に咲く日をまとめる段階で”直感”を働かせるものであって、映像制作プロセスの途上では、かなり論理的な作業に終始すべきもので”理詰めの仕事”に終始せざるを得ないのです。

「映像の欠点を理解した上で、制作者は観客を楽しませるために映像の作法を身につける覚悟が必要だ」と、著者は言います。映像の欠点とは何かというと時間なのだそうです。チラ見できる絵画や書籍と違って、映像作品は鑑賞するためには時間が必要になります。ですから「映像作品を制作するスタッフは観客を時間的に拘束してしまう映像作品を見てもらえるレベルのものに仕上げる義務がある」のです。

覚悟と義務までセットにして映像論が語られている本はそう見つかりません。著者の富野さんはこの姿勢で「映像のテンポとリズム」「上手と下手」「サイズ」「モンタージュ論」など、映像に関するさまざまな原則を解説しています。

  • タメになる内容以上に文句が多い!と思いながら読みました。貴重な本だと思います。
  • アニメーション監督によって培われた、広範囲に応用が利く”映像論”。主観のカメラ、客観のカメラの劇的構成の話が印象に残りました。
  • 大学でちょっとした映像を作る現場に立ち会ったことがあるが、妙にぼんやりした出来だったのは、こうした映像そのものに内在する原則を知らなかったからだろう。
演出とは、文字で書かれたドラマをカット(映像の断片=ピース=ショット)の積み重ねで、感動的に表現することです。無論、文字に書かれていない部分を表現してみせると言うのが、演出家の心意気です。 この演出の心意気を自分のものにするためには、広い視野をもつ必要があります。少なくともアニメしか知らない、では、良い表現は達成できません。

映像業界を目指す人々に向けて書かれた内容になっています。

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仕事に役立つので助かります。が…そこは富野監督!独特の解釈がたまにあるので、ちょっとビックリww この本を読んでから逆シャア辺りを見直すと、まぁ面白い!なぜ、νガンダムとサザビーの立ち位置はこうなるのか?などがわかる。上手下手(右側左側)の法則や、レイアウトやコンテの切り方など、グラフィックの現場でも充分使えるネタ満載!眼から鱗とは正にこれ!みたいな。 最近は、デスクにこれ置いて仕事してますw #富野由悠季#映像の原則#グラフィックデザイン#アートディレクション#ガンダム

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まとめ

能楽の言葉に「守破離」と言う言葉があります。

師匠から基本を学ぶこと。習得した基本を自分流に壊してみること。独立して新たな世界に挑むことだと言いますが、映像の世界にも原則があることを知っておくと世界が広がるような気がします。