通勤の移動時間を使って学び系の動画を見る。そんなビジネスマンが増えています。
動画制作をする上でも、新しい生活様式にあったコンテンツを見つけたら注意しておきたいところです。
人気チャンネルには様々な気づきや収益化のヒントが隠れています。
ビジネス本要約動画「サラタメさん」
最近注目している作り手がこの人。サラタメさん。サラリーマンYouTuberです。
アニメーションソフトVIONDを使ったビジネス書解説動画です[1]VYONDは有料のアニメーション制作ソフトです。年間使用料165,000円。
最初聴いたときは「早口だなー」と感じました。編集時にピッチを上げて作り込んでいるからです。慣れてくると「それもありかな」と思わせるのは内容が手間をかけて整理されているからかもしれません。
本を読むヒマもないビジネスマンにとってはわかりやすく頭に入ります。
作者はブラック企業からホワイト企業に転職したという30代のサラリーマン。登録者はおよそ35万人。書評の他にニュース解説や転職体験動画などのテーマでも動画を作っています。
この動画のいいところは、書籍を読み込んで要点をざっくりダイジェスト化していること。つまり構成が練られていることです。下ごしらえにしっかり時間を掛けているからこそ、図解するアニメもわかりやすいのだと思います。尺も15分程度ですので抵抗なく離脱できます。
バナーデザインに一工夫
印象的なものの一つがトップバナーのデザインです。
ビジネス書解説動画のバナー構成は大体、黒地に書影、コピーを配置するのが定番で、本書も例外ではありません。しかし、すべてのデザインが統一されているため、視聴者は安心して中身の確認ができます。
アクセントになっているのはイラストで描かれたキャラクターです。本人の代わりに登場したキャラクターが無機質になりがちな内容を中和してくれます。
もう一つ、初心者が学ぶべき点があります。それはコピーです。並べてみると分かりますが、使われている文字数は平均6文字。それ以上必要な場合は色相を利用して立体的に納めています。
視聴者はバナーを数ミリセカンド見ただけで内容を判断すると言われています。余分な情報は削り視認性を上げるのが得策なのです。
制作側から観てもテンプレート化できるので作業に掛ける時間を切り詰めることができます。
学ぶべき点
よくできた作品はどんどん見て積極的にパクりましょう。もちろん文章をコピペするのは論外です。構造を研究し、自分の中で改良するのです。これはマンガ家手塚治虫だってやっていました。
本作のポイントをまとめます。
- 得意なテーマで勝負している
- 素材が入手しやすい
- ロケに行かずに撮影が済む
- 台本作りに時間をかけている
- 10分程度でまとめている
- 視認性に気を遣っている
更新頻度は週に1~2本ですが、これだけコンパクトにまとめるためには制作期間は相当観ておかなければなりません。
本を読む→要点をまとめて構成をたてるだけでも数日かかります。そこから読み原稿を書き、アニメーション原稿をつくり、収録、手直しすることになるので、片手間でできる仕事ではありません。
著作権的には書影の使用がグレーですが、一度自分の中で咀嚼したものを二次創作しているのでこちらはセーフです。
制作体制
気になったので調べてみると、動画制作はプロダクションが行っているようです。
サラタメ動画編集パートナーのご紹介🙋♂️
— サラタメさん|サラリーマンYouTuber (@SALATAME_media) January 26, 2020
もし「アニメーション動画に興味アリ!」という方がいれば、下記2社にご連絡してみてください。
(私に一言入れる必要全く無しです)
株式会社 Licel
💻https://t.co/j9R2Fu2MJc
📲@takt_saito
KAIGO FIRST株式会社
💻https://t.co/fLrgdMI2gv
📲@KJR_HAGI
株式会社 Licelのサイトを見てみました。
原稿、音声を送付いただき、ホワイトボードアニメーションをLicelで制作。ユーザーを飽きさせない動画を作成し、チャンネル登録者数30万人を誇る人気YouTuberです。
ユーザーを飽きさせない動画を作成し、チャンネル登録者数30万人を誇る人気YouTuberです。
ネタはあるけどスキルがない。編集はプロに任せたい。という人にはこうした分業体制はアリだと思います。価格にしてもこのクオリティのものが一本7万円で作れるという設定はきわめて妥当です。
動画制作はそのほとんどが人件費です。自前で原稿作成音声収録までできてもアニメーション加工はできる人に頼む必要があります。
アニメーション加工は画面構成に一人日、素材制作・編集・完プロに二日はかかるものと思われます。24時間×時給2千円としても48千円。これに管理費、消費税を加えると価格の妥当性が見えてきます。
自分で作ると年間16万円のVYOND利用料を負担することになりますが、この部分をプロダクションに任せることができると無駄な出費も抑えられます。サブスク価格27千円/本(月)というのはフォーマットが決まって量産体制に入れば選択の視野に入る値頃感でしょう。
まとめ
読者が知りたいことをさっと伝える。もっと知りたい人は選書のガイドになる。動画の使われ方がどんどんオトナの鑑賞に堪えられるものに進化しています。ビジネス系動画の動きからは目が離せません。
References
↑1 | VYONDは有料のアニメーション制作ソフトです。年間使用料165,000円 |
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 サラタメさん を書きます。