ブラウザ上で動画編集OK FlexClip の使い方

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 FlexClip を書きます。

 編集ソフトをいちいちインストールしないで動画編集したい人いませんか。

ブラウザ上で動く動画編集ソフトを利用すると解決します。

PearlMountain LimitedのJenneさんから照会を受けた動画編集ソフト「FlexClip」をレビューします。

FlexClipとは

「FlexClip」はインストールも不要、ネットが使える場所であればウェブ上で動画編集ができます。

無料で使えるオンライン動画編集ソフト

ショート動画のようなデータ量が軽い動画であれば、ネットカフェなどでも簡単に動画編集ができます。

メリットとデメリット

FlexClipの特徴は、最小限必要な編集機能に絞り込まれていること。

そのため他の編集ソフトと比較すると作業メニューもシンプルにまとまっています。

FlexClipのメリット

FlexClipのメリットは

  1. ネット上で編集するためインストール不要
  2. 操作方法が分かりやすく、ツールも豊富。
  3. 画像や動画などの素材集が利用できる。
  4. トリミング、画像の調整、アスペクト比の変更、エフェクト、ナレーション、透かしの追加などの基本機能が完備。
  5. スクリーンショット、ウェブカメラレコーダーが使える。

さらに、最新版では以下のようなAI技術を取り入れた新機能も追加されました。(詳しくは後ほど解説します)

  • AIテキストから動画へ:静止画の代わりに動画を作る技術です。「ダンスをするパンダ」など、指示文を入力することで動画が生成されます。
  • AI動画スクリプト:テキストから動画へをさらに精密にしたサービスです。
  • AI画像生成:AIに作って欲しい画像の具体的イメージをテキストで入力することで一枚絵をつくる技術です。
  • AI字幕起こし : 音声認識AI技術を使って動画の音声をテキストに変換して字幕を自動生成する機能です。

デメリットは

  • テキスト読み上げに未対応
  • アップロードサイズ、1ファイル最大1GBまで
  • 細かい設定ができない

無料版の場合、容量制限一度に取り込める動画が2分もしくは1GBまで。

一般的にYouTubeで使われるのはフルハイビジョン画質です。

作成可能な動画の長さがビジネスプランでも30分までということ。などからユーザー層は限定されるかもしれません。

「FlexClip」には無料と3種類の有料プランがあり、有料版の費用は月8.99〜25.99ドル(約940円〜2700円)です。

【割引クーポンあり】ウェブ上で動画編集できる FlexClip のメリットとデメリット とは | ぶいろぐ

FlexClipのインストール方法

無料で使えるオンライン動画編集ソフト

FlexClipを利用するにはアカウントを登録するだけ。

画面の右上にある【サインアップ・無料】をクリックします。

サインインには、Facebook、Googleアカウント、または、メールアドレスから行うことができます。

メールを登録すると画面が切り替わります。

サインインすると、ご利用目的などの質問が聞かれます。

特に何を選択しても問題はありません。

回答が終わると「今すぐ確認」の表示が出るのでそれに従い、指定したアドレス宛に届いたメールを開きます。

登録が終わると無料プランがすぐに利用できます。

リンクをクリックすると、下記画面が表示されるので、これでアカウント登録が完了です。

これで無料プランの「FlexClip」が利用できるようになりました。

フルHD(1920×1080)が標準となったいま、無料プランの「480p、解像度は854×480、編集時間は1分」というのは実用的ではありませんが、ほどんど全ての機能を試すことができます。

FlexClipの操作方法

無料プランのFlexClipを使った基本的な編集手順を紹介します。

ブラウザを立ち上げ、Login or Sign Up – FlexClipからサインアップします。

アカウントを選択すると編集画面が現れます。

左サイドバーに上から

ビデオの作成

  • ホーム
  • 自分のプロジェクト
  • マイテンプレートから作成
  • ビデオライブラリ
  • クラウドストレージ
  • マイフォント

と並んでいます。この項目はのちほど使うことになります。

初めて動画を編集する人は「ビデオの作成」をクリックしてください。

すると上記のページが現れます。動画のサイズは編集前に決めます。

YouTubeに投稿するなら一般的なフルHDサイズの「16対9」を選びます。

インスタやTikTokで使うなら縦長の9:16もしくは正方形を選びます。

一度決めたサイズは変更できません。

「横長でつくりはじめたがやっぱり縦長がいい」場合はここからやり直します。

比率が決まったらモードを選択しますが、一般的にはタイムラインモードを選択します。

選択したら「始める」をクリックします。

すると「メディアをインポート」するという小窓が現れます。

動画編集するには素材を取り込まなくてはなりません。

動画ファイル画像、音声ファイルをこの「メディアをインポート」するの枠内にドラッグ&ドロップします。

するとファイルはFlexClipのサーバー上に保存されます。

こうすることで自宅PCのブラウザ上で編集したデータを、外出先のノートPCで開いて編集することも可能になります。

試しに画像と音声、二つのファイルをインポートしました。

画像と音声、二つのファイルは「メディアプール」に登録され、タイムラインにドラッグすることで編集ができるようになります。

01とある黒味はデフォルトで用意されているカットです。(不要なら削除可能)

02にインポートした画像が加わります。音声ファイルは映像の下に配置されます。

無料プランでは編集時間の制約があります。

編集ソフトに慣れている人はタイムラインモードを選んだ「始める」をクリックします。

テンプレート

編集画面が下記のようなデザインに切り替わります。

左のツールバーには動画編集で使う機能が整理されています。

まずテンプレートを選択します。

まず、編集素材をインポートします。

メディア

素材をドラッグ&ドロップすると素材がメディアプールに登録されます。

メディアプールの素材をタイムライン上にドラッグ&ドロップすることで編集ができるようになります。

あとは任意に映像の追加、順序の入れ替え、削除をします。

元に戻りたいときはCtrl+Zのようなショートカットも使えます。

タイムラインの画像部分をクリックすると、トランジション(シーンとシーンの切り替わりの部分の演出)を挿入できます。

左サイドバーの仕組み

編集に色どりを加えてくれるのが各種編集ツールです。

テンプレート

オープニングタイトルなどのテンプレートビデオがおまけで入っています。初心者以外はあまり使うことはないかもしれません。

テキスト

テロップやタイトル、ローワサードやチャンネル登録告知などの決まりテロップデザインが入っています。ドラッグ&ドロップでタイムラインに追加します。

ビデオ、画像、音声、要素、カバー、背景

それぞれの素材集が入っています。要素は各種アイコンが入っています。

カバーはタイトルアニメーションのテンプレートが入っています。

ツールにはテキストや、アイコンなど様々なテンプレートが用意されていて、選んで動画へ挿入することができます。

背景には静止画や動画など背景に使えそうな素材が入っています。画像と重なります。

ツール

FlexClipではAIによる支援が充実されました。サービスは「ツールから」利用できます。

  • AIテキストから動画へ:静止画の代わりに動画を作る技術です。「ダンスをするパンダ」など、指示文を入力することで動画が生成されます。
  • AI画像生成:AIに作って欲しい画像の具体的イメージをテキストで入力することで一枚絵をつくる技術です。
  • AI動画スクリプト:テキストから動画へをさらに精密にしたサービス(英語版)です。ChatGPTのように動画のストーリーや構成を考えてくれます。

「Giphyテキスト」は、テキスト(英語のみ)をアニメーションするツールです。

これらの機能を駆使して動画を編集します。

全体のプレビュー動画を視聴するには、「プレビュー」ボタンから試写できます。

無料プランのFlexClipの編集機能にはこのようなものがあります。

背景を透明にする

…マークにある「背景を切り離す」は、1クレジット消費して静止画の背景を透過します。

アニメーション

画像をズームやパンします。

調整

露出やコントラスト、明るさやトーンを変えます。

フィルタ

画面の色味を変えます。

書き出し

書き出しは「エクスポート」から行います。

エクスポートをクリックすると書き出せるサイズが選べます。

無料プランなら最大720P。それもウォーターマークが入って最大1分間です。

YouTube投稿が目的なら1080p(1920×1080)は欲しいところです。

エクスポートが終わると、自動的に動画がダウンロードされます。

編集に使用したプロジェクトはクラウド上に保存されます。

ある程度管理をサービス側にまかせておけるのも整理しやすいように思います。

ただしデータは、パソコンの指定したフォルダなどに自己管理する必要があることは忘れないようにしましょう。

無料版から有料版への切り替え方法

無料版は容量制限があります。一度に取り込める動画が2分もしくは1GBまで。

作成可能な動画の長さがビジネスプランでも30分までです。

プランを比較して自分に合ったサービスを見つけましょう。

無料で使えるオンライン動画編集ソフト

プラン無料ベーシックプラスビジネス
解像度480p720p1080p1080p
最大尺1分3分10分30分
公式ロゴありなしなしなし
プロジェクト数最大12最大50最大200最大1000
1プロジェクト1ストックビデオ1プロジェクト1ストックビデオ1プロジェクト5ストックビデオストックビデオ制限なし
月額プラン月$9.99
年$59.88
月$19.99
年$95.88
月$29.99
年$239.88
年間プラン$71.88
($5.99/月)
$119.88
($9.99/月)
$239.88
($19.99/月)
おすすめ度
Pricing – FlexClip

自分の作ったテンプレートをクラウドに保存する「マイテンプレート」、「クラウドストレージ」、「フォント」は別売です。

なのでそれ以上の動画編集が必要な場合は有料版の導入を検討しましょう。

クラウド編集ソフトは利便性が取り柄です。大量の素材を使って編集したり、複雑なエフェクトをかけたりするような編集には向いていません。なぜなら素材のデータ量が半端なくなるからです。なので、そこそこの画質、短い動画尺の編集に向いています。

価格などは変更になる可能性もありますので、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

上記の左下の【アップグレード】ボタンをクリックして公式サイトにアクセスします。

切り替えたい有料版のプランを決めて、そのプランの「選択」をクリックします。

支払情報を入力して、「お支払い」をクリックします。

あとは、処理を続けていけば完了します。

無料版を使ってみて、よければ自分の好きなプランの有料版に切り替えればOKです。

ライセンス期間が終わったら自動的に無料版に切り替わります。

無料で使えるオンライン動画編集ソフト

PearlMountainという会社

PearlMountainというメーカー日本ではあまり耳にしませんね。

素性について興味があったので調べました。

グラフィックスおよびマルチメディアソフトウェアの開発に特化した香港の企業です。

FlexClipのほかには、オンラインロゴデザインソフト「DesignEvo」、オンライン画像デザイン・写真加工ソフト「FotoJet」、オンライングラフィックデザインソフト「DesignCap」などをリリースしている。

PearlMountain FlexClip Video Editor

なぜこのようなソフトが開発されたのでしょうか。

中国では日本のようなYouTubeに動画を投稿するのではなく、短い動画を公開するショートムービーが圧倒的に伸びていて、動画戦国時代を迎えています。

調査会社の「QuestMobile」によると、2019年6月の時点で、ユーザー1人あたりのショート動画月間視聴時間は22.3時間で、前年同期比で8.6%伸びている。

というのですから、急成長していることがわかります。

ソフトが公開されたのは2019年1月。今から2年前です。TikTokブームなどを背景に、ネット関連のテック企業は動画関連のサービスに力を入れはじめた頃です。

林霄(Lin Xiao), CEO (イタリア旅行中の写真をこの記事のために提供していただきました)
FlexClip

まとめ

以前、黄 未来(こうみく)さんが書かれた本「TikTok最強のSNSは中国から生まれる」を紹介させていただきました。その時はじめて、中国ではショートムービー市場が爆速というほど急速に伸びていることを知りました。

調べながら「ゴールドラッシュのときに儲けたのは、金を掘っていた人ではなく、ショベルやテントを売っていた人だった」というアメリカのファンド・マネージャー、ピーター・リンチ言葉を連想しました。

成功しようとするなら、流行をずらして見ること。新しい流れを素早くキャッチして動くこと。「FlexClip」の挑戦の行方が気になります。