PearlMountain LimitedのJenneさんから自社が開発した動画編集ソフトFlexClipのレビュー依頼を頼まれました。
調べてみるとネット上で話題になっています。
FlexClipとはいったいどういうソフトなのでしょうか。
ご紹介します。
FlexClipとは
まず確認したのは「FlexClip」というソフトです。
最近かなりのユーザーが注目していることがわかりました。

一般に編集ソフトとはパソコンやスマホなどにダウンロードして使うのが一般的ですが、「FlexClip」はブラウザ上で動くので、イメージとしてはソフトと言うよりオンライン上のサービスです。
インストール
ウェブ上で動画編集できる FlexClipのインストール方法 | ぶいろぐ
編集ソフトはクラウド上にあるためユーザーは用意した動画や画像をブラウザにアップロードするだけで編集ができます。
次に確認したのがPearlMountainという会社の名前。
日本ではあまり耳にしませんね。
検索すると中国・成都(CHENGDU)に本拠地を持つスタートアップ企業であることがわかりました。

なぜこのようなソフトが開発されたのでしょうか。
中国では日本のようなYouTubeに動画を投稿するのではなく、短い動画を公開するショートムービーが圧倒的に伸びていて、動画戦国時代を迎えています。
調査会社の「QuestMobile」によると、2019年6月の時点で、ユーザー1人あたりのショート動画月間視聴時間は22.3時間で、前年同期比で8.6%伸びている。
というのですから、急成長していることがわかります。
ソフトが公開されたのは2019年1月。今から2年前です。TikTokブームなどを背景に、ネット関連のテック企業は動画関連のサービスに力を入れはじめた頃です。

ショート動画の動きに注目した企業の一つがPearlMountain社です。
創業者の林霄(Lin Xiao), CEOはいち早くブラウザで使用できるプラットフォームに目を付け開発を開始しました。
林霄さんは、まずは有料サービスを海外で流行らせ、その実績をもとに中国国内市場での展開を考えたのです。
PearlMountainの社員は約50名。オンラインでの動画編集が可能なサービスに力を入れたところ、頭一つ抜け出すことができました。
現時点での月間アクティブユーザー数は33万で、2019年と比べ4倍に増えた。プラットフォームを利用して制作された動画の総数は43万に達し、2020は2019年の5倍になると予想される。2020年のプラットフォームの総アクセス数はすでに230万回となっている。
今回、日本語版の「FlexClip」の周知広報活動に力を入れる背景には、中国国内で急成長するショートムービー市場をめぐる先陣争いがあったのです。
FlexClipの特徴

話を戻します。「FlexClip」は公式サイトから利用が可能です。
サイトのトップページには様々な動画のテンプレートが並んでいます。
ユーザーはこの中から自分が作りたい動画のイメージを探し出し、カスタマイズするしくみです。

同社のJenneさんによるとFlexClipのメリットは「FlexClip」の特徴は次の通り。
- オンラインベースのプラットフォーム
- 使いやすいダイナミックテキスト、オーバーレイ、ウィジェット、ロゴなどに関する豊富なアニメーション要素。
- 数百万のロイヤリティフリーメディアリソース。
- ビデオと音楽のトリミング、画像の調整、アスペクト比の変更、またはエフェクト、ナレーション、透かしの追加のための包括的で強力なビデオ編集ツール。
- 5内蔵スクリーン/ウェブカメラレコーダー。
など盛りだくさん。これがインストール不要で使えるわけですから、注目されないわけがないというところでしょう。
主なターゲットはスマホなどの携帯デバイスを使いながら、短い動画に親しんでいる層のようです。つまり10代から20代の若い世代。となると紹介2で語られた豊富なアニメーションと4のエフェクトが注目です。
ビデオテンプレート – 自分の動画をオンラインで簡単に作成 |FlexClip
デメリットは
「FlexClip」には無料と3種類の有料プランがあり、有料版の費用は月8.99〜25.99ドル(約940円〜2700円)です。
無料版の場合、容量制限一度に取り込める動画が2分もしくは1GBまで。作成可能な動画の長さがビジネスプランでも30分までということ。などからユーザー層は限定されるかもしれません。
【割引クーポンあり】ウェブ上で動画編集できる FlexClip のメリットとデメリット とは | ぶいろぐ
一般的にYouTubeで使われるのはフルハイビジョン画質です。この画質になると素材のデータ量は重くなるので、動画をつくるには月額7.99ドルのPlusプランに入る必要があるようです。
12カ月分を一括で支払えば半額となるとのこと。気になる人は無料版から試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
以前、黄 未来(こうみく)さんが書かれた本「TikTok最強のSNSは中国から生まれる」を紹介させていただきました。その時はじめて、中国ではショートムービー市場が爆速というほど急速に伸びていることを知りました。
調べながら「ゴールドラッシュのときに儲けたのは、金を掘っていた人ではなく、ショベルやテントを売っていた人だった」というアメリカのファンド・マネージャー、ピーター・リンチ言葉を連想しました。
成功しようとするなら、流行をずらして見ること。新しい流れを素早くキャッチして動くこと。「FlexClip」の挑戦の行方が気になります。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 FlexClip を書きます。