今回は、初心者が「なんかプロっぽくてカッコいい」と思いがちな、円がパァッと広がって、次の映像に切り替わるトランジションの作り方をご紹介します。
よくCMやミュージックビデオなんかで使われてるアレです。中心から白い円が「ブォォォッ!」って広がって、次のシーンが現れるやつ。あれ、見た目はめちゃくちゃ派手だけど、実は作り方はシンプル。
今回は、After Effectsを使って 「正円が広がりながら、次のカットに切り替わるエフェクト」 を5ステップで作ります。
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【円が広がってパッと切り替わる】After Effectsで魅せる円形トランジションの作り方
Step 1:タイムラインに必要な3レイヤーを用意しよう
まずは基本の土台。
- カットA(今表示されてる映像)
- カットB(これから切り替わる映像)
- 正円のシェイプレイヤー(トラックマット用)
順番が命です。
上から、
- シェイプレイヤー(円)
- カットA
- カットB の順番に重なってることを確認してね。
Step 2:正円を描く(ここが鍵)

① メニューから「レイヤー」→「新規」→「シェイプレイヤー」を選択。
② 楕円形ツールで、Shiftキーを押しながら中央からドラッグ。きれいな正円が引けます。

- 塗り:好きな色(赤でも白でもOK)
- 線(ストローク):なし(見えなくてもOK)
この円が、「トランジションのマスク」になります。
Step 3:トラックマットの設定
さぁ、ここからが”業界っぽい用語”の登場です。

カットB(次に見せたい映像)の「トラックマット」を開いて、
- 「アルファ反転マット:シェイプレイヤー1」 を選びます。
え?なにそれ怖い…って?
大丈夫、意味はこうです。
- 「アルファ反転マット」=上の円レイヤーの「円以外」の部分を透明にする
- 結果、円が広がる部分にだけカットBが見えるようになる。
つまり、円が広がると同時に新しい映像が現れるってこと!

Step 4:円にアニメーションをつける
このステップが命の演出パート!
- 正円のスケールプロパティにキーフレームを設定。
- 例えば、
- フレーム0:スケール=0%
- フレーム30:スケール=500%(画面全体を覆うサイズ)
これで、円がビューンと広がる動きが完成します。
楕円の「線」を使って拡大するアニメーションを作る

次に、アニメーションに枠を付けてみます。線を加工することで印象的なトランスフォームを簡単に作ることができます。

正円をCtrl+Dで複製し、正円を作り正円の上に置きます。コピーした正円はクローンなのでもとの正円の動きも正確に記録しています。

コピーした正円の線の塗りを追加し、あわせて線幅の値を入力して幅を広げます。

円周も含めて円が最後に画面外に抜け切れるようにスケールの値を少し大きくして、円と線の重なり具合を調節します。

動画では破線を選びましたが、スケールとタイミングを調整すると円を独立させてアニメーションしたり、周囲をぐるりと一周させたりすることができます。
線をさらに増やしたければ、正円BをCtrl+Dで複製し、正円Bの上に配置し線幅などを適宜変えることでイメージを広げることができます。
Step 5:細部に命を吹き込もう(オプションだけど超大事)
この他「線を出す」「ぼかしをかける」など手をかけることで、プロっぽさを出すことができるので挑戦してみましょう。
▼① 円の縁に線を足す
- シェイプレイヤーにストローク(線)を追加。
- 色や太さを調整して、「輪郭」が見えるように。
→ アニメやゲームっぽい“エフェクト感”が出ます。
▼② イージーイーズで動きを滑らかに
- スケールのキーフレームを右クリック → キーフレーム補助 → イージーイーズ
- グラフエディタで曲線を調整すると、動きに緩急がついてプロっぽさ爆上がり。
こんなシーンで使える!
この円トランジション、どんなシーンで活躍するかというと…
●YouTubeの企画切り替え
「では、実際にやってみよう!」の場面でパッとシーンを変えたいときに最適。
●Vlogの雰囲気チェンジ
朝→昼の時間帯が変わる場面などで、空気感が自然に変わる演出になります。
●企業動画やCMのロゴトランジション
ロゴの表示タイミングでこの円エフェクトを使うと、“洗練されたブランド感”が出せます。

まとめ
この「円が広がって切り替わる」トランジション、最初はちょっとビビるかもしれないけど、やってみると「えっ、これだけ?」ってなるやつです。
でもそこに、ちょっとした味付け——線をつけたり、ぼかしを入れたり、動きに緩急をつけたり——を加えるだけで、グッと”自分らしい動画”になるんです。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 After Effects を書きます。