
インタビューを撮るときどんなマイクを使っていますか?
カメラマイクだとノイズを拾ってしまうため、ピンマイクを使う場合が多いですが
実は指向性の高いショットガンマイクで収録する方が、自然な音声を収録することができます。
インタビュー収録はピンマイクよりガンマイク
ビデオカメラを更新するまで、使っていたのは市販のハンディカムでした。
ハンディカムではレンズの根元部分にあるマイクを使いました。
しかし、どうしてもカメラマイクは環境音を拾ってしまいがち。
色々考えた末、インタビューだけはピンマイク(ラベリアマイク)に切り替えてみました。
使ってみるといろいろ不具合を感じ、たどり着いたのがガンマイクでした。

使ってみると想像以上にクリアなおとが録れるので、ロケの定番マイクにすることにしました。
インタビューというとどうしてもピンマイクをワイヤレスで飛ばして録音する方法を想像します。
この方法がいいと思う人が多いと思いますが、それは誤解です。
ワイヤレスでピンマイクの音を録音してみましたがイマイチです。
音源が近い所に置けるピンマイクは声を拾うことにはたけています。
しかし、衣類を通すため取り付ける手間がかかる上、衣類と接触してしまったり、つける場所によっては音声がこもってしまう場合もあります。
収録した音が割れてしまったり、擦れノイズが入ったりと結構ストレスを感じてしまいました。
準備に手間がかかるというデメリットもあります。
どうしても注意が散漫になってしまうので、演出上あってはならない事態が起きやすくなります。
アポなしでインタビューという設定で訪ねて行った先の人物がピンマイクをして出てきたなんて番組を見ることがありますが、ワンオペで撮影してみると人ごととは思えませんでした。
ロケを成功させるためには集中力を切らさないことが一番大切です。
そのためには音声環境を整えることが必要であることを痛感しました。
技術的な面から見てもリスクがあります。
有線に比べ無線で飛ばすためデータの劣化も起きやすくなります。
接点が増えるためノイズも発生しやすくなります。
私もハンディカムと接続する端子の擦れノイズに悩まされました。
声がよく拾えるからピンマイクを付けてみても、良い結果が得られるとは限らないことがわかりました。
ショットガンマイクのメリットとは
私が外ロケに使用することにしたマイクはSENNHEISER MKE 600です。
超指向性のコンデンサーマイクで、乾電池でも運用できるということで選びました。
カメラのハンドルグリップにXML端子で接続して運用しています。
風防さえしっかりしていれば、風が吹く屋外でも数メートル先の声がしっかり分離して収録できます。
単独インタビューの場合は、カメラから切り離し、少し長いケーブルを噛ませて固定するだけで明瞭な音が録れます。
全長が少し長い感じもしますが、移動用のバックの中にかろうじて収納できる長さなので問題ありません。
自撮り棒にマイクホルダーをネジ止めすれば、特定の音源だけを狙い録りできる”なんちゃってブームマイク”にもなります。
ショットガンマイクの特徴
ショットガンマイクは遠くにある音をピンポイントに増幅するマイクとして知られていることから、特殊なマイクと思われがちですが実は違います。
ロケ現場で、音声さんが竿の先にきりたんぽのようなカバーを使っている場面を見ることが多いと思いますが、中にあるマイクはほとんどがこのマイクです。
なぜショットガンマイクがインタビューに向いているかというと、限られた角度の音以外は拾わないため周囲の雑音を気にせずに撮影できることです。
加えて、風防でがっちりガードすることで吹かれノイズもシャットアウト可能。
実はガンマイクを近づけて収録する方が、ナチュラルな音声を収録することができるのです。
まとめ
プロの現場では、映像の撮影以上に音声の録音に神経を使います。
なので、ショットガンマイクが万能だということでそればかり考えているとNGです。
ピンマイクの運用が期待できるのは対談形式の撮影などです。
ふたりの人物にピンマイクをつけてチャンネルを分けて収録すると、音声が分かれている分編集作業は楽になります。
対談形式の現場でマイクの存在を感じさせない工夫も必要ですよね。
映像は編集でなんとかなる場合がありますが、決定的な音声は録り直しはききません。
マイクの特性を頭に入れて最も効果のある選択肢を選びましょう。
SENNHEISER MKE6000
3.5mm端子と XLR端子で使える超指向性のコンデンサーマイクです。
ビデオジャーナリストやフォトグラファなど、プロの映像クリエーターのために開発されたショットガンマイクロフォンと言われています。
単三電池が使える数少ないコンデンサーマイクとしても知られていて、どんなカメラにも接続できる汎用性が特徴です。