カラーコレクション とカラーグレーディングはどこが違うのDaVinci Resolve18

フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 カラーコレクション を書きます。

クリエィティブな映像作品を作る上で、役に立つのが”カラーコレクション”と”カラーグレーディング”の知識です。

両者の違いがわかるようになると編集の楽しさが百倍広がります。

両者の違いを体感できるのが無料の動画編集ソフトDaVinci Resolve18です。

カラーページにはコレクションもグレーディングもできる機能が搭載されています。

撮影がイマイチの動画素材を見た目の色味に戻したり、フツーの映像を異世界のような映像に自在にいじれるようになります。

カラーコレクション とカラーグレーディングはどこが違うの

その違いがわからなくて困っている人は多いですよ。

初心者のうちはわからなくて当たり前。

私も最初はわかりませんでした。

日本語を当てはめてみるとヒントが見えてきました。

「カラーコレクション」とは別名カラコレとも言われます。日本語にすると色補正。

「カラーグレーディング」とはカラグレ、和訳すると色盛り、過剰演出をイメージしましょう。

撮影した映像の露出や色味がどこか変。と違和感を感じたらカラーコレクション。

映画のような雰囲気に映像をグレードアップしたいと思う人はカラーグレーディングを学びましょう。

どちらにするか迷ったら基本の「カラーコレクション」から学びましょう。

カラーコレクションとは

カラーコレクションとは、実際の見た目に戻す作業を示します。

実は、私たちが使うカメラは実際に肉眼で見ているような色が撮れていません。

上記の動画でもわかるように、撮影された映像は見た目の映像とは別物と考えておいたほうがいいです。

例えば室内の電球色のライトで撮影すると赤味がかったり、太陽光の下で撮影すると青みがかったりした映像になります。

このように撮影したデータは、カメラや撮影条件によってバラバラ。

さらに明るさや彩度、ホワイトバランスなどの基準から見ても微妙に違います。

こうした映像を編集でつなげると、クリップごとに色味が異なることから見にくい仕上がりになってしまいます。

このようなことを避けるには、私たちの見た目に近い色味に直すことです。

上記の動画はDaVinci Resolveのカラー機能を使って動画データのカラーコレクションをしたもの。

映像の持つ明るさや色彩情報などの様々なデータを白を基準に合わせることで、見た目に近い色味に戻すことがコレクションの基本であることがわかります。

撮影で使うホワイトバランス

編集でカラーコレクションするよりも、撮影段階できっちり正確な映像を撮った方がいいのでは、と感じた人もいると思います。

撮り終わった素材を編集用パソコンに取り込み試写してみるとわかるのが、カットが変わるごとに暗くなったり明るすぎたり、人の顔色が悪かったりすることがあります。

カメラには正確な基準となる白をベースにして撮影する機能を備えているものもあります。

ホワイトバランスです。

ホワイトバランスとは、本番撮影前に、カメラの前に白い紙などをカメラに読み込ませて「この光源の条件で撮りなさい」と命令する仕組みを言います。

ホワイトバランスがとれていないと、カメラはそれぞれ自分の判断で映像を記録します。

するとどうなるかというと、編集でつないでみるとカットごとに微妙に色味や明るさが違うことが起こります。

暗い室内を明るくしたり、景色や人間の肌の色を本来の色より鮮やかに見せたいと思ったら、別の手段で画面の補正をしなくてはなりません。

また、同じ素材を複数のカメラで撮影した場合、ホワイトバランスを設定しておくことで異なるカメラで撮影した映像を揃えることができるのです。

カラーコレクションの応用

カラーコレクションの設定を身につけると、画面の色味を自分好みに調整することができます。

ちょっと脱線しますが、見た目の自然な映像に補正することができるということは、その逆も可能ということを意味します。

昼間に撮影した映像を使って夜のシーンを作ったりすることもこの技術を応用することで可能です。

顔の色を良くしたり、曇空を青空にしたり、昼を夜のシーンに変えたり色彩を変えることでまったく違った印象の映像をつくることができます。

ちょっと凝った演出になるのはグリーンバック合成と呼ばれる背景色を緑にすることで被写体を切り取る技術です。

DaVinci Resolveでグリーンバック合成を行う手順とコツ

全体がモノクロの中、一部分だけ赤く色が残っているビールのコマーシャル映像を見たことがありますが、あの表現もカラーコレクションの力なのです。

工程は少し長いですが、作業自体はシンプル。高度なクロマキー合成もDaVinci Resolveで出来ます。

ではカラーグレーディングとは一体どう言う作業なのでしょうか。

カラーグレーディングとは?

カラーコレクションとカラーグレーディング の違いは明確ではありません 。

映画製作でそれぞれの言葉の意味は次のように定義されています。

  • カラーコレクション: ビデオのカラー調整に関する作業
  • カラーグレーディング: 映画フィルムのカラータイミングの工程を指す

カラーグレーディングが使われるのは映画やCM、プロモーションビデオなどです。

ニュースやドキュメンタリーなどでは馴染みのないのがカラーグレーディング作業です。

カラーコレクションが色補正ならば、 カラーグレーディングとは例えば映像全体を古いネガフィルムのような色味に変更するなど、作品としての品質を高めるために編集の最終段階で施される作業のことを指します。

季節や時間による色差を合わせる。単調な映像に陰影や深度をつける。

映像作品全体の印象色を決め質感を作り込む。色の専門職である色を操るカラーグレーディングは作品の個性を出す上で欠かせません。

カラーグレーディングはこれまで高品質な映像制作に携わる人たちが行ってきた専門分野でした。

ニュースやドキュメンタリーなど撮影した素材をそのまま編集して上映するのが目的の映像作品の場合、演出として受け取られると逆効果になる場合もあるようです。

お手軽にカラーコレクションしてみよう

カラーコレクションとカラーグレーディングの違いが理解できるようになったら、DaVinch Resolve18を使ってカラーコレクションしてみましょう。

ただし、カラーコレクションを成功させるには条件があります。

それはコレクションしたい映像に情報が残っているかどうかが鍵になるのです。

上記は実際にコレクションに挑戦した記録です。

使った素材はRAWと呼ばれる形式で撮影したもの。

RAWとはカメラが撮影した情報を捨てずに記録する形式です。

これに対して、不要な情報を切り捨て、見た目色あざやかな映像にした加工ずみの映像があります。

加工ずみの映像には補正するために必要な情報がない場合があるのでカラーコレクションしようと思ってもうまくいかない場合が多いのです。

カラーコレクションしようと思ったら色味情報がしっかり保持されているRAW形式がベスト。

加工ずみの映像は満足な結果が出ないことをあらかじめ頭の隅に置いて臨みましょう。

DaVinch Resolve18を使って本格的なカラーコレクションするにはカラーページを使います。

カラーページの使い方がまだ不安という初心者の人にはエディットページにある[自動カラー]を試されることをお勧めします。

  • 編集したカットを全部範囲指定する。
  • 編集ページの上のバーにある[カラー]から自動カラーをクリックする。

たったこれだけの作業で、電灯の光で黄ばんだ白や、色味がかった黒が補正されます。

カラーページにわざわざ行くことはなく、編集ページで色調整ができてしまうのは手間が省けます。しょぼい動画づくりにはもってこいのテクといえそうです。

ドラマやPVのような映像に高度なクオリティが求められる商用動画などには向きませんが、色味に比較的寛容な投稿動画などでは役に立つツールです。

まとめ

基本は撮影段階できちんと光の設計をする事が大切です。

しかし現場の事情で満足な撮影ができない場合もあります。

撮影段階で満足に光の計算ができなかった”落ちこぼれカット”も編集で救うことができるのです。

自分の好みの色使いを作品に生かす事で映像制作の世界が広げていってください。