「うわ…これ、音ひど…」
自分の動画を再生して、あまりのノイズとこもり具合に再生を止めたこと、ありませんか?
カフェの環境音、エアコンのゴーッ…、カメラ内蔵マイクのシャリシャリ…。
画はいい感じなのに、音が安っぽいだけで一気に「素人感」が出ちゃうんですよね。
でも大丈夫です。
今回は 「CapCutの機能だけで、ひどい音質の動画をスタジオ録音っぽくまで持ち上げる手順」 を、瀬戸弘司さん風に、ゆるっと・でもガチで解説します。
途中で Adobe Podcast を使った「裏技ルート」も紹介するので、ガチで追い込みたい人はそこもチェックしてください。
CapCut の機能だけで音を改善する方法
1. 音質改善は「汚れた原石を磨く作業」
まずイメージから。
- 撮って出しの音声:
→ 砂だらけのダイヤの原石 - ノイズ除去やボーカル分離:
→ まず泥と砂を落とす「クリーニング」 - コンプレッサー・EQ・音量調整:
→ 形を整えて、光を当てて「輝かせる」
この順番を頭に入れておくと、
「なんかいじれば良くなるっしょ?」から
「今は汚れを落としてる段階ね」と、やってることが理解しやすくなります。
2. まずはCapCutに素材を入れて、音を観察する
- CapCutを開く → 新規プロジェクト作成
- 動画をタイムラインにドラッグ or 追加
- 再生して、どこで音がひどくなるかをざっくりチェック
このときにやってほしいのが:
- 波形を見ながら「明らかに不要な部分」をカットする
- 無言でカメラ構えてる時間
- 撮影の準備中のガサガサ
- 「テイク2行きまーす!」みたいなNG部分
汚れてる原石は、まず「いらない欠片」を落とすところから。
これだけでも、全体の印象はかなりスッキリします。
3. CapCutの「Vocal Isolation」でゴーッを消す
次は本丸、ノイズ掃除 です。
◆ 手順
- タイムラインの 動画クリップ(またはオーディオクリップ)をタップ/クリック
- 下のメニューから 「オーディオ」タブ を開く
- スクロールして 「Vocal Isolation」 を探す
- 「keep vocal」や「音声を分離」系の項目をオンにする
- 強さをスライダーで調整(まずは中間あたりから)
◆ 効果がデカいシーンの例
- カフェでVlogを撮ったら、
背後のガヤガヤ・食器のカチャカチャ・BGMがうるさすぎる - 部屋撮りだけど、エアコン・PCファン・換気扇 が常に「ゴーッ」
- ベランダで撮ったら 風のボーボー音 が乗りまくっている
こういう「ずっと鳴っている背景音」は、Vocal Isolation がめちゃくちゃ刺さります。
声だけがスッと前に出てきて、「あれ?急にマイク良くなった?」って感じになります。
4. モバイル版の「Enhance Voice」で一気にプロっぽく
スマホ版CapCutを使っているなら、
「Enhance Voice(音声を強調)」 をオンにするだけで化けることがあります。
◆ 手順(スマホ)
- クリップをタップ
- 「オーディオ」 → 「Enhance Voice(音声を強調)」をオン
- 変化を聞いて、オン・オフを切り替えつつ好みを探る
- もともとこもっていた声が、
→ クリアになって前に出てくる - スマホ内蔵マイクで撮ったしゃべりも、
→ 「あ、ちゃんとYouTubeっぽい音だ」と感じられるレベルに
5. 「Normalize Loudness」で音量をプロっぽい基準にそろえる
音がキレイになってきたら、次は 「音量の基準」 を整えます。
◆ 手順
- タイムライン上で仕上げたいクリップ(or 全クリップ)を選択
- 「オーディオ」タブを開く
- 「Normalize Loudness(ラウドネスを正規化)」 をオン
- ターゲットラウドネスを 「-14 LUFS」 に設定(YouTube向け標準)
- 正規化が終わったら、ボリュームを -2 dB くらいまで下げる
YouTubeでは、
だいたい -6 dB ~ -12 dB のあたりに収まってると「聴きやすい音量」と言われます。
-14 LUFSで正規化 → ちょっとだけ下げる、
この流れで、音割れしにくく、でも小さすぎない「いい感じのライン」に乗せられます。
6. EQ・コンプレッション的な整え方(やりすぎ注意)
CapCutのバージョンによっては、詳細なEQやコンプレッサーがあったり、
プリセット的な「音質調整」エフェクトが用意されています。
ざっくり考え方だけ覚えておくと便利です。
- 低音(ローミッド)を少し上げる
→ 声に太さ・あたたかさが出る(ラジオっぽさアップ) - 高音(ハイ)を少し上げる
→ サ行がシャキッとして、抜けが良くなる - コンプレッサー的な処理
→ 小さい声と大きい声の差を縮めて、「一定の聞きやすさ」をキープ
そして、ちょっとマニアックだけど効くテクニックがこれ:
処理後のクリーンな音に、
元のオーディオを -10 dB くらいでうっすら混ぜる
完全にAI処理された音は、
ときどき「きれいだけど、なんか平坦でロボっぽい…」と感じることがあります。
そこに元の音をうっすら足してあげると、
高域や中域の「生っぽさ」だけを少し戻すことができて、
結果として 「スタジオだけど人間味のある音」 に近づけます。
もっと攻めたい人向け:Adobe Podcast「Enhanced Speech」とCapCut連携
ここからは おまけの上級編。
CapCutだけでもかなりいけるんですが、
「どうしてもノイズがひどい」「マイクが安物すぎて泣いてる」という人は、
Adobe Podcast の「Enhanced Speech」 を併用するのもアリです。
Adobe Podcastは、AIを活用したウェブベースのオーディオツールで、プロフェッショナル品質のポッドキャストや音声コンテンツを簡単に作成できるプラットフォームです。
◆ ざっくりワークフロー
- CapCutから音声だけを書き出す
- エクスポート → 音声のみ(WAV or MP3)
- もしくは動画を書き出して、あとで音声だけ抜き出してもOK
- ブラウザで
→podcast.adobe.com/enhanceにアクセス
→ Adobeアカウントでログイン(無料) - さっき書き出した音声ファイルをアップロード
→ AIがノイズ除去+音質改善
→ 処理後の音声をダウンロード - 処理済み音声をCapCutに再インポート
- タイムラインに置いて、元の映像に合わせて位置を微調整
- 元音声クリップのボリュームを0にする or ミュート
- 必要なら、さっき説明した Normalize Loudness → ボリューム-2 dB ももう一度かける
◆ 注意点
- AirPodsみたいに、もともとかなり圧縮された音だと
→ 「きれいだけどロボットっぽい」感じになることもあります
→ できるだけ 元の録音の段階でベストを尽くす のが重要
こういうシーンで「スタジオ感」がドカンと上がる
最後に、「ここでやると効果がデカいよ」という具体例を。
① カフェVlogのトークシーン
- Before:
背景のガヤ、BGM、食器の音で、話してる内容が聞き取りづらい - After:
Vocal Isolation+Enhance Voice+Normalize
→ 周りの音はうっすら、声だけがスッと前に出る
→ 「プロの人がカフェ借り切って撮ってるの?」くらいの印象に
② 公園でガジェットレビュー
- Before:
風のボーボー、遠くの車の音、セミの鳴き声でカオス - After:
風ノイズがかなり抑えられて、声の芯が聞こえる
→ Adobe Podcastまで使うと、「室内で撮った?」と錯覚するレベルになることも
③ 安いAmazonマイクでの解説動画
- Before:
こもってて、シャリシャリしてて、なんか安っぽい - After:
Enhance Voice+軽くEQ
→ 低音が少し出て、高音もスッキリ
→ 「あ、この人ちゃんとマイク選んでるな」感が出る
まとめ:音が良くなると、動画の説得力が一気に上がる
- いらない部分をカットして
- CapCutの Vocal Isolation / Enhance Voice / Normalize Loudness で整えて
- 必要なら EQ・元音声のうっすらミックスで「質感」を足して
- さらに追い込みたい人は Adobe Podcast でスタジオ級まで引き上げる
この流れを一度テンプレとして作ってしまえば、
次からの動画も ほぼ同じ手順で「スタジオっぽい音」 に持っていけます。
画がちょっと暗くても、構成が多少グダってても、
音がいいだけで「ちゃんとしてる感」は爆上がり します。
ぜひ、自分の過去動画の「ひどい音」を1本選んで、
今日話した流れで 原石を磨き上げてみてください。
再生ボタンを押して、「うお、別の動画みたい!」ってなるはずです。











こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 CapCut の機能だけで音を改善する方法を書きます。