テレビは”オワコン”とだいたいの人は感じています。
でもテレビ局の中で働いているとコンテンツ作りに集中するためか、なかなか外の動きが分かりません。
世の中のニュースや情報、トレンドには嗅覚が鋭いくせに、自分のことには手が回らないことを紺屋の白袴といいますが、実にその通りです。
テレビが君臨した時代は大きく様変わりしています。
ネット空間を自由自在に飛び交う動画が爆発的に増えました。
スマートフォンの一日あたりの平均利用時間は185分。
若い世代ほどテレビを見なくなり、かわりに携帯端末で動画を視聴しています。
限られた「時間」というパイの奪い合いは、激しさを増しています。
海の向こうで起きている変化
そうこうしている間に、海外では放送の仕事は激変しているようです。
たとえばこんなニュース。
ヨーロッパでネットフリックスとの協議が始まりました。
国のインフラでもある放送事業と、一企業のネットフリックスが対等な立場で協議する時代となったのです。
背景にあるのは、ネットフリックスに限らず、世界のオンラインコンテンツサービス会社がもたらす地殻変動的な動きです。
オンラインコンテンツサービス会社はコンテンツの制作を最も効率的に仕事ができる国で行っています。
ヨーロッパにおいてはたとえばスペインやポルトガル、ギリシアなどの人件費が安い国が制作の実務を担い始めています。
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これまで放送はそれぞれの国の中で発展してきました。仕事が海外に流失することはなかったのです。ところがこれまで製造業の間で起きていた流動化が、情報産業の中にまで広がっているのです。
この動きは放送局の中心にいては実感できません。なぜかというと、影響を受けるのは高い賃金を得ているプロデューサーなどの管理層ではなく、現場のスタッフだからです。
現場の賃金は競争にさらされてヨーロッパ全体で低下しているというのが実態です。
スペインでは二次請負、三次請負的な外部委託も進み、中には労働時間の制約がない契約や、15日間という短期の有期契約なども起きています。
イギリスの公共放送として知られるBBCでは、長年続いていた受信料制度を根本から見直す議論が政府から出始めました。
いずれこの波は日本にもやってくるはずです。
すでに遠隔地を繋いで編集やポスプロが簡単にできるようになりました。自動翻訳の精度が飛躍的に高まれば言葉の壁も障害にならなくなります。
日本はアニメやCGのスキルが高いといっても安心できません。Aftre Effects技術も同じこと。テクニック勝負なら圧倒的に人件費の安い世界に仕事は流れていきます。
まとめ
影響を受けるのは放送産業だけではありません。動画の周辺で働くすべての人が低賃金国との競争にさらされるのです。
フリーランスで働く人にとってはさらに過酷な現状が待ち構えています。それは評価社会です。
プラットフォーム労働者は使用者から監視され、顧客からも評価されます。悪い評価が続くと仕事がなくなります。
板挟みの評価の中で働かざるを得ないのが第四次産業革命の特徴です。
動画の流行はめまぐるしく変化しますが、産業構造に変化が起きるのは10年以上前のことだと思います。
それでも動画の周辺で稼いでいきたければ、スキルを学び自分の価値を上げるしかありません。
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 テレビがオワコン を書きます。