この記事では、映画「JOKER」などで使われるティール・アンド・オレンジのカラーグレーディングをPremiere Proで再現する方法を解説します。
この方法は映像にドラマチックでシネマティックな雰囲気を加えるのに役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
Premiere Proで映画風の カラーグレーディング を行う方法 〜初心者向けガイド〜
ティール&オレンジとはティール色とオレンジ色をベースした色づくりのことです。ティール色というのは緑がかった青。オレンジの補色です。
映画等でよく使われる手法で、補色関係にある色を使うことでコントラストが強調され、画面に奥行を与えるます。人の肌はオレンジに近いので、人物をオレンジ、背景をティールにすることで人物の存在感を強める効果も期待できます。
1. 明るさの調整
最初に、映像の明るさを調整して、映画のような重厚感を出していきます。
1. ルメトリスコープを開き、輝度の波形を表示します。
2. 比較表示アイコンをクリックして、リファレンスモニターを表示し、参考にしたい映像と見比べられるようにします。
3. 露光量を調整し、映像全体の明るさを映画風の暗めに設定します。
4. コントラストを上げて、明暗の差を強調しましょう。暗い部分をさらに暗くし、明るい部分を際立たせることで、映像にメリハリが生まれます。
5. 白レベルや黒レベルのスライダーを微調整し、明るさの上限と下限を設定します。
2. カーブツールでコントラストを追加
次に、カーブツールを使用して、映像にさらなるコントラストを加えます。
1. カーブツールの白のラインに3つの点を配置します。
2. 軽くS字になるように調整し、ハイライト(明るい部分)を少し上げ、シャドウ(暗い部分)を少し下げます。
• これにより、ハイライトが際立ち、シャドウが引き締まった映像になります。
3. カラーホイールで「ティール・アンド・オレンジ」を作る
ティール・アンド・オレンジの特徴である、水色とオレンジの補色を使って、色相を調整していきます。
1. カラーホイールのツールを使い、シャドウを水色に近づけます。青みを帯びたシャドウが、シネマティックな印象を与えます。
2. ハイライトをオレンジ寄りに調整し、温かみを加えます。映画風の自然な肌色にもなります。
4. オレンジを際立たせる
オレンジの部分をさらに目立たせたい場合、**カーブツールの「色相 vs 輝度」**を使用します。
1. 色相 vs 輝度で、オレンジ部分の輝度を上げ、鮮やかさと明るさを引き立てます。
2. RGBパレードをチェックし、必要に応じて青みの強さを調整します。ブルーが強すぎると全体が冷たい印象になるため、バランスを見ながら調整しましょう。
5. 肌のトーン調整(HSLセカンダリ)
映像内のスキントーンを自然に保つためには、HSLセカンダリの機能を使いましょう。
1. HSLセカンダリで、スキントーンだけを選択して調整します。スポイトツールで肌の色をサンプリングし、範囲を決めます。
2. ノイズ除去やぼかしを適用し、肌色の範囲を自然にぼかします。
3. ベクトルスコープのYUVを開き、スキントーンが基準となるラインに沿うように調整します。
• 必要に応じて、不透明度のマスクを使って肌の部分だけを切り取り、精密にスキントーンを合わせてください。
チュートリアル動画
まとめ
この手順でカラーグレーディングを行うことで、映像に映画のようなシネマティックな雰囲気を加えることができます。最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れてくると自分の映像に理想のカラーを自在に反映できるようになるでしょう。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 カラーグレーディング を書きます。