YouTubeを見ていると、早回しにしてるけど、人の声が普通の音程で聞こえる動画が多いと思いませんか?
YouTubeの視聴者が動画を見続けるか離れるかを判断するのは冒頭数秒といわれます。
隙間時間で見る人の手を止めるには印象的な演出や飽きさせない工夫が必要です。
手っ取り早い解決策の一つが動画ナレーションを速くする方法です。
ただし、速度を上げすぎると人の声がカエルの声のように聞こえてしまいます。
そこでよく使われるのがピッチを使って音声を調整する方法です。
声色は変えず動画の速度を変える方法
まずは知っておきたい音の原理を確認しましょう。
音の高さは周波数で決まります。
周波数が高いほど高音になり、逆は低い音になります。
動画の速度を上げると周波数は圧縮されるためピッチ[1]ねじの山と山、歯車の歯と歯など、隣り合った二つのものの間の長さのことが短くなり、高さも高くなります。
つまり、高くならないようにすることができれば音程も調整できことがわかります。
音の高さを変えないで再生速度を変える方法の一つが「ピッチシフター」を使う方法です。
ピッチの置き換え
Premiere Proの「ピッチシフター」と言うエフェクトを使うことでこんな動画が作れます。
エフェクトウインドから[オーディオエフェクト][タイムとピッチ][ピッチシフター]を検索して開きます。[2]旧バージョンもありますが、新バージョンを使います
動画の速度を1.3倍にしてみましょう。
[ピッチシフター]エフェクトを声の高さを変えたいオーディオクリップにドラッグ&ドロップします。コントロールパネルから[カスタムセットアップ][編集]をクリックします。
すると[クリップFxエディター]というウィンドウが現れます。
このパネルを使って音声の高さを調整します。
使うのは[ピッチの置き換え]です。ここには[セミトーン][セント][比率]という項目があります。
まず[セミトーン][セント]2つの値で調整します。
[3] … Continue reading
右にゲージを移動させてプラスにすると、声が高くなり、マイナスにすると元の声より低くなります。
だいたいこれでOKなはずです。
比率
これは「元の音声」と「変更後の音声」の周波数の関係を表しています。
比率が「2.0」なら、「元の音声」よりも周波数が2倍になるので、1オクターブ高いことを意味しますね。逆に、半分の「0.5」になると1オクターブ低いことになります。
「セミトーン」と「セント」の数値を正確に計算するには、デシベル計算の知識が必要になります。[4]Gooogleで「log2 倍率^12」を検索します
たとえば少し早めの動画を作ってみましょう。
倍率には「速度を130%にした場合、1.3」と入力、log2と倍率^12の間は半角あけます。
結果、(4.54213947904)という数列が表示されます。
整数部分の4をセミトーンに、小数点以下四捨五入した値54をセントに、いずれも「-」をつけて記入します。
- プリセット:『デフォルト』
- セミトーン:-4
- セント:-54
- 精度:『高精度』
- 「適切なデフォルト設定を使用する」にチェック入れる
これで元の声の音程を変えずに1.3倍速に速度を変更することができます。
まとめ
高精度のほうが良い音質に決まっていますが、高音質になるほど処理に時間がかかります。
一方、低音質にすると処理が早い分、ノイズが発生するので注意しましょう。