撮影した映像を後からで見たら画面全体がチカチカ点滅している
こんなお悩みはありませんか?
カメラの故障ではありません。
ちらつきの正体は、撮影画面に横筋が写り込んだり、画面の一部の色合いが変化してしまう「フリッカー」と呼ばれる現象です。
私も初心者の頃フリッカーに悩まされました。
蛍光灯やブラウン管ディスプレイは肉眼では見えない速度で照明の明滅を繰り返しています。
その明るさの変化が撮影されてしまうとチカチカ点滅して記録されてしまうのです。
OSMO POCKETで信号の フリッカーを防ぐ方法 | ぶいろぐ
フリッカーを削除する方法
ちらつきが記録されてしまった映像素材は使えないのでしょうか。
結論から言えば、編集ソフトの「アンチフリッカー」 を使って修正できます。
ちらつきの原因は規則正しい点滅です。
点滅に合わせて編集側で補正をかけてあげればいいのです。
1 Premiere Pro でアンチフリッカー を使う
Premiere Proには「アンチフリッカー」という補正機能が搭載されています。
ちらつきの元になった素材をタイムラインに乗せたら「アンチフリッカー」を呼び出します。
- [エフェクトコントロール]タブをクリック
- [モーション]の左横にある三角形をクリックして、[モーション]を開きます。
- [アンチフリッカー]の左横にある三角形をクリックします。
プレビューして画像がちらつく場合は値を少し上げ、ぼやけすぎる場合は強度を下げます。
コントラストが高い画像は値を比較的高く設定してみましょう。
2 Premiere Pro でLumetriカラー を使う
フリッカー入りの素材を編集する際、「色温度」や「色被り補正」を調整する方法もあります。
色味をマイルドなものにすることで見た目の違和感を減らすというアプローチです。
Lumetriカラーの「基本補正」をクリックし「色温度」や「色被り補正」の値を手作業でさぐりながら「いい感じ」の着地点を目指します。
3 Premire Pro のエコーを使う
フリッカーの根本対策ではありませんが、ちらつきをぼかすことで誤魔化す方法があります。
エコーとは同じ画像を繰り返し表示させるエフェクトです。
エフェクトから[ビデオエフェクト][時間][エコー]を選択しタイムラインの素材にドラッグします。
するとコントロールパネルに設定画面が現れます。
エコーの時間(秒) -0.010〜-0.033の間でお好みで
エコーの数 2
開始強度 1.00
減衰 0.50
エコー演算子(プルダウンメニュー) 後ろに合成
パラメーターの値については検証記事があるので参考にしてみてください。
《簡単フリッカー補正》Adobe Premiere のエフェクト「エコー」を徹底検証 | COLOR CODE
4 手動でフリッカーを消す
アンティースのNAOYAさんのチュートリアルから手動で直す方法をご紹介します。
フリッカーが気になるクリップAを複製してBCと計3つのクリップをつくります。
クリップABCをタイムライン上に並べます。
クリップAの上にあるBを(ctrl+→を押して)1フレーム右にずらします。
次にCを2フレーム右にずらします。
次に、Bの[不透明度]を67%、Cの[不透明度]を33%にします。
以上です。
5 Premire Pro の有料プラグイン「Flicker Free」を使う
それでも気になるばあいは、有料のフリッカー除去プラグインを購入する方法があります。「Flicker Free」は、撮影した動画のフレームに加え、前後のフレームを解析して補正するもので、After EffectsやPremiere Pro、Avid、OFX、FCPなどにも広く対応しています。
Flashback Japan 公式ダウンロードサイト Flicker Free からダウンロード。
[エフェクト]から[Flicker Free]をクリップにドラッグ&ドロップします。これだけでフリッカーが大幅に軽減されます。
多少フリッカーが残った場合はエフェクトコントロールパネルを開いて適宜[Priset][Sensitivity][Time rediance][Threshold][Detect Mortion][Render]の数値を調整します。
初心者におすすめは[Preset]の中にある[Rolling Bands]を開いて[Rolling Bands2]を選択します。
さらに微調整したい場合は[Sensitivity][Time rediance][Threshold][Detect Mortion]の数値を調整します。
フリッカーを防ぐには
フリッカーとは蛍光灯やLEDといった光源が目に見えない速さで点滅している現象のことです。
蛍光灯・LEDは大まかな原理が似ており、コンセントなど電源から得られる電子を光源内で移動させ光を生み出しています。
室内撮影で起こる、厄介な『フリッカー現象』とその対策をご紹介
このため光を生み出される速さは、1秒間に電源から流れる電子の速さ=周波数(Hz)のよって決定されます。電子の流れが途切るわずかな時間は、光源が光を発しておらず、目に見えない速さで点滅してしまうのです。
点滅とシャッターのタイミングが合わないと明るい部分と暗い部分の違いがそのまま撮影されてしまいます。
なのでフリッカーを防ぐためにはシャッター速度を調整し、タイミングを合わせてしまえば防げることになります。
シャッター速度を変えなくても、ちらつきがおきない照明機材も開発されています。
フリッカーが出るのはインバーター対応ではない蛍光灯と粗悪な回路設計のLEDライトです。
フリッカー問題について。 – 撮影した映像にフリッカーが出ました。… – Yahoo!知恵袋
LEDライトは通常直流電源です。
そのためフリッカーは出ないはずなのですが、粗悪な海外品は家庭用電源のAC(交流)のスイッチングを残したまま一方向のみに通電するナンチャッテ直流にしているため
50Hz(関東)=100回/秒点滅、60Hz(関西)=120回/秒点滅のON/OFFがフリッカー(露光量の変化)となって表れるのです。
プロが使う撮影用のLED照明機材などにはフリッカーフリーという技術が搭載されています。
外部照明が気になる場合は、フリッカーフリーの照明をたいて撮影することでちらつきを防ぐことができます。
また、点滅のサイクルは日本の場合東日本と西日本では異なります。
撮影する場所により注意する必要がありますが、シャッター速度を変えることでフリッカーの発生を予防することができます。
状況に応じて対策方法はあるので、撮影前にしっかり準備して撮影しましょう。
スマホのフリッカー対策は
新製品が出るごとに撮影機能が強化されるスマートフォン。
蛍光灯下やLED照明でも問題なく撮影できます。
しかし、もしフリッカーが起きてしまったら大体の場合はシャッタースピードを蛍光灯の点滅に合わせれば直ります。
Androidの場合は
設定から「チラつき防止」を選択して、東日本なら「50Hz」、西日本は「60Hz」、または「オート」を選択することでだいたいOKです。
iPhoneのカメラは設定項目がありません。
基本はほっておけば自動で調整されます。
しかし、フリッカーが出ている場合は、一度『画面タップでピントの合わせ直しをする』からフォーカスを取り直すと消えたりします。
画面に捜査線や縞模様が発生する これってフリッカーですか?
ちらつきによく似ているのが「画面に縞模様が発生する現象」です。
動きの激しいシーンで、残像が二重線となって見えたりします。
これはフリッカーではありません。
「インターレース表示方式」が原因で起こる技術上の仕様で、故障でもトラブルでもありません。
インターレースとは、テレビ放送に使われている仕様で、動画を構成する捜査線を細かく書き換えるインターレースという技術が使われている方式です。
テレビ画面をきれいに見せるために使われていますが、あくまでテレビ用の動画で使われるものです。
これとは別にプログレッシブといって、書き換えることなく再生する仕様があります。
ネット動画などではプログレッシブがあたりまえに使われています。
なので、編集する際はインターレースを除去するとなおります。
まとめ
フリッカー現象を避けるには、そもそもフリッカー現象が起こる環境下での撮影をしないことです。
避けられないのであればシャッタースピードを変えるなどで対策できるということを頭に入れておきましょう。
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 フリッカーを削除する方法 を書きます。