撮影や編集のサービスが充実したことで動画制作のハードルがガクンと下がっています。(映像はプロだけの所有物ではありません)
いざ編集を始めるとぶつかるのが編集の壁。繋ぎ方一つで悩むこともあります。でもそれには理由があります。
「こうやれば正解」と割り切るには、あまりにも個別例が多いからです。そこでYouTubeの攻略法をまとめました。
動画編集の目的
撮影した素材をいざ編集しようとして迷ったことってありませんか。
初心者の動画でよくあるのが、まとまりがない動画です。
イメージ映像だけの動画とか、内輪話が続く動画とか。
数秒単位の短い動画なら一発芸で切り抜けられるかもしれませんが、長尺になると逃げきれません。
なぜ、まとまりがないかと言うと、テーマや目的が見えていなからです。
テーマとは自分が伝えたいこと。目的とは視聴者です。
誰に対して何を伝えるのか、この部分をしっかりさせると編集に締まりが出てきます。
紙に書いて整理する
最善なのは撮影前に構成を立てることです。しかし構成通りに行かないことだってあります。
そんな時は、撮影した映像を試写しながら頭の中を整理することです。
具体的には、映像をシーンに分けて中身を紙に書き出します。書き出すと言う作業は、頭の中にあるぼんやりとした考えを具体化する効果があります。
このシーンはどこに使えるのか、このインタビューでは何を行っているのか。など情報を紙に書き出します。すると頭の中にスペースが生まれ、話の流れや動画の狙い、別の課題についても考えやすくなります。
ならべかえる
繰り返し読み返すことができる印刷媒体と違って、動画は時間の流れに縛られます。その具体例がモンタージュ理論です。映像を学ぶ人たちなら必ず学ぶ理論です。モンタージュ理論が初耳の人は一度おさらいしましょう。編集の意味がわかるようになるのでおすすめします。
前に見た映像がその後に続く映像の意味を決定することだってあります。時間の流れに縛られる映像編集にとって「並べ替え」を意識することは重要です。
作り手は、話の流れに加え、映像独特のくせを計算しながら並べ替えていきます。
最後までつなげてみる
動画の骨格である構成が決まったら、使える映像をセレクトして並べていきます。
撮影した素材がどんなに長くても、紙の上で使えるシーンをならべかえるうちに編集する映像の長さが見えてきます。
完成尺の三倍程度の長さを目標に具体的な編集に入ります。
三倍と言うのは目安です。
完成版では落ちるかもしれないシーンやカットはこの時点では採用し、全く不要なシーンやカットは削ります。
この作業を「荒編」と言います。
細かなことにこだわらず、まずは一本にすることを最優先に作業を進めます。
出来上がった「荒編」を改めて試写します。
すると、話の流れや、映像のつなぎなどで違和感を感じる部分が具体的に見えてきます。できれば他人の意見も聞いてみると課題がクリアになります。
演出は後回しにする
「荒編」で問題点が見えたところで「二編」の作業に入ります。
この時点で初めて、装飾的な編集を計算し初めます。
装飾的な編集とは、視聴者にわかりやすくするための演出です。
わかりやすさには二種類の目的があります。
1つ目は、情報をわかりやすくするためことです。
テロップや絵をつけたりして映像では語れない情報を視聴者にわかりやすく伝える。
2つ目は飽きさせないための演出です。
カットを多用してスピード感をつけたり、エフェクトで画面に変化をつける。テロップを着色したり音響効果や楽曲を足す作業は完成形に近づいてから着手しても遅くありません。
ここまで読んでお分かりのように、動画制作は建築と似ています。
構成が基礎や構造に当たるとするなら、装飾的な編集は内装にあたります。
客寄せの仕掛けはスタート5秒が勝負
映画やテレビなどの映像は、視聴者が映像を見にきてくれることを前提につくられてきました。
しかし、YouTubeのような動画の視聴者は自分から映像を見にきてくれる人ばかりではありません。むしろ動画を見る人の動機のほとんどは「暇つぶし」です。
そのため【ド頭15秒】をどうしのぐかが重要になります。視聴者のほとんどは、YouTube検索から動画にたどり着きます。そしてサムネイル画像をちら見しながらチャンネルを合わせます。離脱か継続か決めるまでの時間は長くて15秒しかありません。
チャンネル数を稼ぐYouTuberの動画を見ると、共通点があることがわかります。それは出会いの瞬間に勝負を掛けていることです。
・好奇心を刺激する
YouTubeトンマナ|YouTube伸ばすヒントさん (@fDCE5c3O78d0JYK) / Twitter
・サムネの期待値を超える
・すぐ語りかける
・内容を冒頭で伝える
・瞬間的に情動喚起するダイナマイト
・冒頭でハイライト
・5秒以内オープニングは開始から1分~3分後でもOK
・開始15秒で1/2が離脱、開始30秒で2/3が離脱
したがって何はともあれ、視聴者の立場で考えることが重要です。初心者は2分~4分ぐらいの動画尺を数多く作ることを心がけましょう。動画の品質の検討はクリック率と維持率が安定してからでも遅くありません。
オープニングタイトルに手を出すな
テレビ番組では視聴者の習慣づけの観点から印象的なタイトル動画をつけることが一般的です。
しかし、投稿動画の場合は演出的な必要がない場合はタイトル動画ははっきり言って不要です。それよりもこの動画では一体誰に何を語るものかはっきりアピールすることに集中しましょう。
- 制作者に代わって読み上げることができる
- テキスト入力なので入力・修正がカンタン
- 声優の声が元なので聴きやすい
まとめ
動画編集がうまくなりたい。YouTubeで認められたい。編集を始めたばかりの初心者の前に立ちはだかる大きな壁です。
- 自分の問題 頭の中を整理する
- 視聴者の側に立ってみる 客寄せのスキルを磨く
解決のカギは二つあります。一つは制作者側の問題を解決すること。つまり内容を整理して伝えること。もう一つは客寄せのスキルを磨くこと。
宣伝につられて利用してみたら意外に深くて濃い掘り出し物が発見できた。というユーザー体験を作り上げることです。
大衆を相手に商売するテレビと違い、動画投稿の世界は専門店を経営するという感覚で作るべきなのです。
私の場合は、顔出しもしなければチャンネル数稼ぎの対策もしません。ひたすら地域情報をリポート風動画にして発信しているだけです。それでも地域の人たちに認知されるようになり、映像制作依頼の案件も舞い込むようになりました。
トップYouTuberにならなくても映像を生き甲斐につなげる方法はあるのです。
それを端的に伝えてくれるのがYouTubeが掲げるポリシーです。「情報を探している人に欲しい情報がきちんと届くようにする」つまり有益な情報を伝えることに徹することです。
伝えたいものがあるなら、伝え続けることが上達のための最短ルートだと思います。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 初心者の編集上達法 を書きます。