最強のロケ用ビデオカメラ HC X2000 レビュー

HC X2000
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 HC X2000 を書きます

ロケ用カメラを更新しました。

導入したのは低価格の業務用カメラPanasonic の HC X2000 です。

価格は27万3000円と結構な出費でしたが、使ってみると良かったので感想を書きます。

最強のロケ用ビデオカメラ HC X2000

HC X2000

HC X2000はPanasonicが2020年3月発売した4K60pのディレクター向け制作カメラです。

オート露光、手ブレ防止機能付きで、ピントが合わさる範囲、被写界深度も深いオートフォーカスということで、モニターを見ずに撮影しても大丈夫。

ぶっちゃけRECスイッチを押すだけでクリアな4K映像が撮れます。

カメラマンからすると邪道呼ばわりされるかもしれませんが、ドキュメンタリーを撮るための機能が詰め込まれた業務用カメラといってもいいかもしれません。

機能についてはアバウトなことしかわからないし、興味もないのでスペックが知りたい人はカタログを見てください。

ポイントだけ列挙すると。

  • 最大4K60pの映像が撮れます
  • 動画形式はMOV、MP4、AVCHDから選べます
  • オートフォーカス、オート露光がついています
  • 防振機能が内蔵されています
  • ズームレンズがついていて、25ミリワイドレンズで撮れます。望遠は最大48倍撮れます
  • 液晶モニターに加えて、ファインダーもついています
  • 音声調整機能付きのハンドルユニットも同梱されています

これで1.2キログラムという重さです。

被写体の動きや瞬間を逃さない。編集に耐えうるように使えるカットを多く撮る、音声を記録する。

記録用の動画を撮るために必要な機能が全て揃ったカメラです。

マニアでなくても撮影OKの準業務用カメラ

最近は、ディレクターやADがカメラを振る時代だと言われます。

バラエティや旅番組、ドキュメンタリーを見ても、制作スタッフがカメラを回す「ワンオペ」ロケをよく見ます。

映像美を追求しない低予算の動画が増えていることが背景にありますが、現実を記録する記録動画では、チャンスを逃さないことが肝心です。

使うか使わないかわからないワンカットのために、いちいち絞りやピントに時間を費やす余裕はありません。

カメラの機能や撮影技術なんてどうでもいい。

ピントが合っていて、ブレないことが重要。

フルオートで撮影ができる。

そんな要望に応えるカメラが最強のロケ用ビデオカメラなのです。

メリットは

細かく見ていきましょう。コメントは私の目線から見た感想です。

4K60pの映像が撮れる

一般的なYouTube投稿動画の品質はフルハイビジョン。

つまりアスペクト比が16対9、解像度1920×1080でOKです。

60pはフレームレートつまり、シャッター速度です。一般的には一秒間に30コマの30pで十分です。

たまに綺麗な映像が撮りたいなと思ったら4K60pで撮ってみてもいいかもしれません。

MOV、MP4、AVCHDから選べる

MOVは主にアップルが使う形式。MP4は万能。AVCHDはソニーやパナソニック。

・・・とざっくり頭に入れておきましょう。

映画やCMなど映像美を追求する用途でなければどれを選んでも同じです。

記録データの量がそれぞれ違うことや、編集の手間も考えて重さを基準に選ぶのもいいでしょう。

セッティングについてですが、慣れないうちは迷いました。

アスペクト比と解像度、動画形式の表記のルールがぱっと見わかりにくく感じました。

オートフォーカス、オート露光、防振機能

スイッチ一つでオートフォーカス、オート露光に切り替えられます。

防振もオート。ホワイトバランスもオートです。

なのでスイッチを入れたら即撮影可能です。

予算のある番組ではロケは複数人体制です。

カメラ、音声、ディレクターがそれぞれの役割を果たします。

しかし、ディレクターがカメラと音声も兼ねる「ワンオペ」体制では、取材の段取りやインタビューの質問、全体の撮れ高も考えなければなりません。

となると、カメラの機能や撮影技術には頭が回らなくなります。

ピント合わせや色バランスを丸投げできるカメラはまさに”神”です。

人の動きを追いかける現場では、狙った人の表情や発言がしっかり記録したいもの。

顔検出追尾AE&AFに対応していると、画角から外れなければとりあえず合格なので超楽です。

手動で操作できるズームレンズ機能

動画を始めたばかりの人が「やってはいけない」行為の一つがズームです。

ズームは自然界ではあり得ない目の動きです。

そのため、撮影にあたってはズームを使う意味を考えておく必要があります。

一眼カメラにもズームレンズを取り付けることはできますが、使い勝手は必ずしもいいとは言えません。

その点ビデオカメラのズーム機能はカメラ自体の動きに合わせ機能するように作られています。

さらにHC X2000のポイントは、カメラのレンズを調節するリングと呼ばれる部品が二つに独立していることです。

プロ用ビデオカメラはこの部分が絞り用、ピント用、ズーム用と三つに別れています。

撮影しながら使い分けができるようにするためです。

HC X2000ではピントとズームを別々に扱うことができます。

直射日光下でもくっきり ファインダーがついている

HC X2000には液晶モニターに加えファインダーがついています。

これは外ロケするときすごく助かります。

液晶モニターでも確認的なくありませんが、問題になるのは炎天下での撮影です。

外光が直射する現場ではモニターの映像確認が困難になる場合があります。

ファインダーがあることで外光を機にかけずに映像を確認できます。

私は以前BMPCC4Kというシネマカメラを使って白昼のロケをした経験がありますが、直射日光でモニターがまたく見えなくなり苦労しました。これはたすかります。

さらに撮影者の視力に応じて調整が可能となっているので、撮影中の画角やピントをクリアに確認することができます。

あると便利な ハンドヘルドユニット

見た目のインパクト以上に使える機能がハンドヘルドユニット。

本体の天井部分には接続用の穴が開いています。

この部分にハンドヘルドユニット、つまり取っ手を取り付けます。

ビデオカメラはそれなりに重いので、ふだんは片手で抱えて持ち上げるようにして撮ります。

しかし、移動中の取り扱いや、演出によっては取っ手があるとカメラの取り回しが楽になります。

さらに、威力を発揮するのが音声の扱いです。

ビデオカメラには内蔵マイクがあるので、それでも十分現場音は録れますが、屋外などでの撮影では雑音を拾う欠点があります。

ハンドヘルドユニットには音声入力が二系統備えられていて、ガンマイクの固定装置もついています。

本体にはXKL端子が二系統あり、ここにキャノンケーブルでつなぎます。接触ノイズが抑えられ、ファンタム電源が使えるので超指向性のガンマイクが使えます。

ノイズを拾わずに現場音を録るには、

接触ノイズなし。風防で吹かれノイズも激減することができます。

その他の特徴

そのほか、使っていて感じた印象は、長時間撮影がやりやすいことです。

本体にはSDカードスロットが二つあります。片方の録画中に差し替えができるので、長時間エンドレスに撮影ができます。

バッテリー持ちがいいこと。

BMPCC4Kでは20分しか持たなかった4K、H.264、30fpsで128GB 440分の記録に耐えます。

バッテリー切れなどの余計な心配をせずに撮影できるというのはすごく助かりました。

フィルターが内蔵されていること

普段はあまり使うことはありませんが、NDフィルターが内蔵されているので現場の明るさに柔軟に対応ができます。

ハンドヘルドユニットの先端にLEDライトが内蔵されています。

万一の場合にあると助かる機能が照明が内蔵されていることです。

上部にあるダイヤルで明るさの調節が可能なので、夜間撮影や路地裏など暗がりの撮影に使えます。

突発的に撮影したい場面が現れたときに便利なのが、RECボタンを押す前の映像を記録するプリレック機能も注目です。

デメリットは

量販店で市販されているビデオカメラと比較すると重さや形が一回り大きくかさばる点です。

GOプロやDJIポケットで4K動画が撮れる時代、機能を活かしきるためには、あえてその機材を使うための理由が必要になります。

価格の点では、一眼カメラが比較対象に上がります。

一眼カメラはレンズ交換が可能という特徴があります。

ビデオカメラは基本レンズも含めた製品です。

また同じビデオカメラの中でも競合するライバル機がいます。

私が購入した中野のフジヤカメラです。

同等機種であるSONYの HXR-NX80、JVCのGY-HM185 と見比べて決めました。

[1]半導体の供給難が影響しているようで入荷の予定も立ちにくい中、幸運にも比較検討できました

商品検索・こだわり検索|デジタルカメラ ビデオカメラ 交換レンズ通販HCX2000|フジヤカメラネットショップ

両者に比べ価格が高いという点がデメリットかもしれません。

まとめ

記録動画を撮るなら一眼レフカメラはやめたほうがいいです。

BMPCC4Kを購入したことは後悔していませんが、カメラが本来の機能を発揮する現場を間違えました。

圧倒的に動画専用カメラが使いやすいです。

ワンマンでディレクションから撮影までこなさなければいけないのがフリーランス動画制作者の苦労する点です。

最も重要なのは、“撮影の失敗を防ぐこと”。

水平が取れていて、ピントが合っていて、ブレないこと。それだけできれば合格点の動画が撮れます。

HC-X2000は徹底してディレクターカメラ(いわゆる“Dカメ”)としての使い勝手にこだわっている点に好印象を感じました。

ズーミングの使い勝手はこちらの動画が参考になります。

これから動画制作、特に記録動画を目指すみなさんの参考にしてください。

References

References
1 半導体の供給難が影響しているようで入荷の予定も立ちにくい中、幸運にも比較検討できました