【選書】川上量生「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」【指針】

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 川上量生 をを書きます。

番組づくりとは企画から始まります。

だいたいの企画は世の中の小さな動きをどう見せるかという所から始まります。

世の中を変えるかもしれない出来事は小さな動きの中に隠れていて、その動きを大勢の人に知らせるのが放送の役割だからです。

企画を考えていく上で押さえておきたい本を紹介します。

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一を十にするのが放送番組の役割

これは例えていうなら、一を十にすることです。

小さな出来事を放送という手段を使って十に増やすことを意味するからです。

さらに映像は強い訴求力があります。

活字で伝えるよりも、映像で見せた方が理解しやすいのも番組の強みです。

ですから、番組の企画は事実の掘り起こしと、掘り起こした事実をさらに深く見せていく作業が中心となります。

その際、重視されるのはタイムリー性や社会的なニーズです。

企画を通す時に必要なキーワードに「なぜ今なのか」「何が言いたいのか」という鉄板ワードがありますが、それは放送番組を見る視聴者の目線があるからなのです。

ゼロから一を産むのが映像作品

放送番組のような事実に立脚した映像作品に対して、存在するのがアートやドラマなどの創作系の映像作品です。

こちらの企画はタイムリー性や社会性という枠に縛られることはありません。

むしろ普遍的な価値観を追求する映像制作になることからハードルが上がります。

「普遍的な価値観とは何か」。

放送局で時間に追われながら番組制作に携わる人たちにとって、ゼロから一を生み出す映像作品は憧れに近い仕事なのです。

ゼロから一を生み出すには

では、どうしたらゼロから一を生み出すことできるのでしょう。

映像制作に携わる職業の中でその課題に挑み続けているのが監督という仕事だと思います。

監督の仕事は一つの映像作品づくりを統括する責任者としての役割です。

企画をたて、脚本を作り、出演者を決め、作曲を依頼し、制作費の工面までカバーする神様のような存在です。

神様の悩みがあるとしたら、それは作った作品が1人でも多くの観客の心を奪うことです。

作品を見てもらわなければ始まらないからです。

映像制作者の持つべきスタンスとは

神様の悩みを探るため、映像制作の現場に弟子入りした人がいます。川上量生さん。

彼はアニメーションスタジオのジブリに入社して宮崎駿監督の仕事ぶりをすぐ近くで見続けました。

「人間の脳にはいくつかの鍵穴がある。その鍵穴に鍵を刺すことによって物語の感動が伝わる。

監督の仕事とはその鍵を探すことだ」と川上さんは宮崎監督から創作の意味を聞いたと語っていました。

川上さんはジブリでの体験から、映像制作とはアリストテレスの時代にまで遡る”物語”を探る旅のことだと悟りました。

思いつきや閃きといったある種の新しさに目を奪われがちなのが映像制作の現場ですが、求めるものは古典に遡るという見方は極めて示唆に富む提言です。