今では当たり前のように使われる防震装置。
しかし様々な理由で防震装置が付いていない映像を使わざるを得ない場合があります。
そんな映像も、編集ソフトの力でブレを軽減することができます。
編集で 手ブレ補正 する方法
仕組みは単純です。
画面がブレたら、ブレた向きと反対の方向に少しだけ画面を動かすのです。
すると揺れていた視野の中心は動きが吸収されることで止まっているように見えるのです。
DaVinci Resolve18の手ぶれ補正方法を紹介します。
※DaVinci Beta5にジャイロスタビライザーが搭載されました。BMPCCシリーズはOS最新することでカメラジャイロと連携してより自然な補正ができる模様です。 (2022.06.26)
Davinch Resolveの手振れ防止策
Davinch Resolveの補正作業はカラーページで行います。
カラーページとはカラーグレディング(色付加、色調整を行うページ)です。
- 補正したいカットを選択
- ノードを追加する
- [ウィンドウ]から[スタビライザー]を選択
- 解析のため動画をスタート
- 再生が始まる
- 終了したところで[スタビライズ]をクリックする
手ブレを取り除きたいカットを選んでそのカットの複製をとり、頭から再生することで動きを解析、動きに合わせてカット全体を[スタビライズ]する。という流れです。
二、三回練習すれば飲み込める作業です。
クロップ率とは
スタビライザーで手ブレを補正すると気になるのが外枠、境界線の動きです。
画面の大きさを少し大きくすることで境界線の枠を消すのが[ズーム]ボタンです。
[ズーム]にチェックを入れることで、画面全体が自動的に気持ち大きくなり、黒い枠が削除されます。スタビライズは画面をわざと拡大することで揺れを感じさせないように見せています。
そのため揺れが強すぎると画面の端の部分が大きくカットせざるを得なくなります。
これをクロップ率といいます。
クロップ率を上げると使える画面が狭くなり荒れて見えるので過度な補正には注意しましょう。
Premiereはワープスタビライザー
Premiereではエフェクトのワープスタビライザーを使うことで手ブレの補正ができます。
- 動画をタイムラインに配置する
- エフェクトパネルからワープスタビライザーを選択する
- タイムラインにドラッグする
- 解析が終了したらエフェクトコントロールパネルをクリックしてモーションなしを選択する
- 再生をして確認する
ざっくりいうと、一旦動画の動きを読み込ませて、自動的に動画の枠そのものを動かすという仕組みです。
困ったことに、この方法だと画面の外枠が出たり入ったりすることになります。それを避けるために、編集ソフトは画面全体を通常よりやや拡大して枠が動いても見切れないようにするのです。
まとめ
初めて防震装置のことを知ったのは今から24年前、1995年に発生した阪神淡路大震災の頃のことでした。当時、放送はアナログからデジタルに切り替わる前夜。テレビも旧来の正方形に近い画面でした。ハイビジョンという新しいメディアに向けて様々な周辺機器が開発されていました。そんなある日、空撮を撮るヘリコプターに、三軸防震装置が搭載されたのです。三軸とは上下左右斜めの三方向でカメラを支えることで振動やブレを吸収する仕組み。それまでの空撮は搭乗したカメラマンが手持ちで撮っていたのです。防震装置で撮影した映像の滑らかさは番組制作者の度肝を抜きました。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 手ブレ補正 を書きます。