「ライブ配信で複数のカメラを切り替えて使いたい」ことありませんか。
そんな時使えるのが、複数の映像信号を束ねて切り替えるスイッチャーというツールです。
かつてはプロが独占していたスタジオツールも低価格化が進み、初心者でも手が届く新製品が続々登場しています。
ATEM Miniの衝撃
単独カメラでYouTubeライブ配信は比較的簡単ですが、対談には複数のカメラが必要です。
そのためには入力を切り替えるスイッチャーが必要です。
映像制作者に大きな衝撃を与えたのがBlack Magicが発売したATEM Miniです。
マルチカメラをスイッチングするスタジオ対談のような番組は放送局でなければ撮れないと思っていたら 鍵を握るスイッチャーが驚くほどの低価格でリリースされました 価格はなんと4万円 HDMIの動画カメラさえあれば誰でもYouTubeライブ配信ができる時代です。やったね #Black_magic 発売が待ち遠しい
— furutani (@kenfru3) December 25, 2019
これまでは、複数カメラの切り替えにかかる機材が”かなり高額”というのが常識でした。
そんな思い込みをくつがえしたのが。「ATEM Mini」の登場です。
- YouTube Liveで生配信すること
- Zoomで一眼レフの映像をビデオ入力として使うこと
- 4つの映像を切り替えること
- テロップを入れること
- ピクチャー・イン・ピクチャー(いわゆるワイプ)を使うこと
- グリーンバック合成をすること
- 音声をミキシングすること
以上が全部これ1台でできます。
驚いたのはその価格。US$295で日本円で35,980円(税別)です。
放送局で使われている業務用のスイッチャーが自動車一台の価格であるのに対し、なんと高級スマホより安いのです。
手に入れるのはメーカー直販しか道はないようです。
放送用機材が高額なのには、カメラや音声などそれぞれの機材が持つ技術的な規格を上手に調整する大変さがあります。
そのハードルを一気に低くしたのがHDMIケーブルで取り回しができるイージーさです。
入力に使うカメラは4台までOK。
そのカメラから HDMIケーブル経由で届いた信号ならば基本切り替えができるのです。
高度な技術的知識がなくても使いまわせるのが画期的といえます。
同社のハイエンド商品や競合他社の商品と比較してもその差は歴然。
同様の機能を持つ製品と比べると十分の一の価格というので驚きですね。
多分、YouTubeでの利用一本に絞って、不要な機能をバッサリ切り捨てたのもコストダウンの秘密だったのかもしれません。
SONYのカメラをWEBカメラ化できると聞いてYoutubeでのセミナー的な動画配信とかでめちゃ使えるのでは。と思って興奮しながら調べたところなぜか解像度が576pまで落ちるという噂を聞いてテンションだだ下がってる。Aterm miniほしい〜
— すろーばーづ (@slowbirds) February 24, 2021
なにかあったときのために、仕事で使うデバイスは二重化が基本なのだけど、少し前に買ったRolandは売ってしまうのがよさそう。同じATERM mini Proをもう一台のほうが、場所もとらないし安い。
— 下司智津恵 – Geshi Chizue/OrdinaryStudio/月と流星群 (@sui_sei) May 11, 2020
スイッチャーという聖域
撮影した素材を編集して放送する、完パケ[1]完全パッケージの略称で、映像や音声の編集、エンコードなどが完了し、放送や販売などにすぐに使える状態に仕上がったものをいいます。番組に対し、スタジオ生放送のような複数のカメラを使ってつくる番組があります。
右も左もわからない駆け出し時代。
スタジオADの仕事を通じてこの世界の基本を学びました。
スタジオ番組は、カメラや照明、音声そしてVE(ビデオエンジニア)と呼ばれる技術集団の力を借りなくてはなりません。
その集団の頂点に立ち集団を束ねるのがTD(テクニカルディレクター)です。
TDはディレクターの意図に基づきスタジオの技術的な設計を行います。
設計とは入力信号を束ねること。入力とは映像や音声を指しますが、映像の質を調整する照明なども含みます。
映像や音声などの入力信号は、スタジオフロアのそばに設けられた副調[2]副調整室の略です。と呼ばれるコントロールルームに送られます。
端子やスイッチが並ぶメカニズムファンにはたまらない風景ですね。
この中心的な位置を占めるのが真ん中のスイッチャー卓です。
TDは、その前に座り映像と音声をスイッチすることでコントロールするのです。
TDスイッチャーは オーケストラの指揮者のような存在ともいえます。
ちなみに制作担当のディレクターはTDスイッチャーの横に座って、「あれを撮れ、これを撮れ」と”わめきます”。
ちょっと話が長くなってしまいましたが、スイッチャー卓という装置は、放送用機器としてもスタジオの象徴の特注品。
市販のカタログを見ても自動車が一台買えるくらいの価格です。
便利な使い道
すでにYouTuber界隈では話題騒然となっていて、レビューも複数立ち上がっています。
海外製品ですが取付もさほど難しくなく、テックマニアでなくても解説動画を見れば使いこなせます。
パソコンに接続することで、別途制作した動画ファイルをインサート再生できるのも魅力です。
すでにゲーム解説とか、自撮り動画で使われ始めていますが、こんな方にもおすすめです。
- 生ライブ投稿
- 対談形式の動画収録・生放送
- 複数の商品を紹介するコマーシャル動画
- アマチュアスポーツの生中継 などなど
動画制作の幅をぐぐっと広げてくれる強力ツールといえそうです。
YouTubeライブをするのに必要な機材
おさらいします。YouTubeライブをするのに必要なものは、以下の4つです。
- 映像を撮るカメラ
- 音を録るマイク
- ライブ配信をコントロールする装置(PC)
- 配信するためのソフト
すでにYouTubeライブができる環境であれば、ATEM Mini をカメラ代わりにパソコンにつないでマルチカメラのスイッチングが楽しめます。
まとめ
ライブ放送の強みは、完プロコンテンツとくらべ、作りが若干ゆるくても済む点です。
勢いで作って勢いで放送したい。そんなユーザーにはもってこいの商品と思います。
マルチカメラのスイッチャーATEM Mini登場 レンタルAPEX
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 ATEM Mini を書きます。