山登義明「ドキュメンタリーを作る2.0」

フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

番組作りという現場体験が評価されたのでしょうか。学生に映像制作を指導して欲しいという話が飛び込んできました。

映像は人に情報を伝える手段であると、放送局時代はたたき込まれてきたので、アート系映像は作れません。限られた時間をどのように設計するか、大いに参考になったのがNHKで番組制作に携わっていた人の著書です。

「ドキュメンタリーを作る2.0」山登義明 著(京都大学学術出版会)

例えば、映像制作を始める前に、プロの制作者がまず取り掛かるのが構成づくりです。ドラマではシナリオ、建築では設計図にあたるものです。

やみくもに現場でカメラを回しても狙った映像は撮れません。事前にこれから自分は何を伝えたいのか、そのために何が撮ればいいのかをシミュレーションする必要があります。

さらに動画制作はチームプレーです。制作者が考えていることをスタッフや出演者に伝えることで映像の質を上げていくことも求められます。

プロの現場では、制作者の頭の中を可視化することで情報の共有を図ります。

【写真】ワークショップ風景

その時力を発揮するのが「紙の付箋紙」であると著者は言います。紙の付箋紙に撮りたい絵、撮れる絵、説明に最低限必要な情報、いいたいことを短冊にして、ホワイトボードに張り付け、流れを考えながら並び替えるのだというのです。

  • 速やかに構成の組み立てができる
  • 誰に対して何を言いたいのか、制作者の頭の中が整理できる
  • 物語を成立させるために何が必要かがわかる
  • 撮影スケジュールに落とし込むことで制作コストが抑えられる
  • チーム全員で情報の共有ができる

映像制作の具体論が企画、取材、構成と整理されたわかりやすい本です。

動画制作というと、YouTubeでよく見かける一人語りを尺縮めした動画を連想しがちですが、本来の動画制作は多くのカットを並び替えるように編集する手の込んだ動画であることがわかります。

この本を下敷きに映像制作の基本をおさらいすることにしました。

筑波で学生に映像制作を指導する

講座は全部で10日間。週1回実習授業を行い映像コンテンツにすることが求められます。

最近の学生さんは、映像コンテンツというとアート系の映像を作りたがるのだそうです。

教員課程を取ったこともなければ、人前で講演したりすることもないので迷いましたが、なにごとも経験だと引き受けることにしました。

これから映像制作を始めようとする人には技術力を高める前に、表現するための土台作りができる本だと思います。ぜひ参考にしてください。




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ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。