【ヒント 】ブラタモリの深化論

こんにちは、フルタニです。放送局で番組づくりをしてました。

最近よく見かける街歩き番組。その走りの頃、同じような番組をプロデュースした思い出があります。

よく聞くのが「ぶっつけ本番って本当」という声。

ゲストが取材先に当たるのは多分本当です。理由はゲストのスケジュールが決まっているから。でも取材に当たる制作クルーまでぶっつけとは誰も言っていません。

事前取材や交渉・調整なしの撮影なんて危なっかしいこと考えただけでわかります。それはともかく、なぜ街歩き番組が生まれたか。その背景には二つの理由があります。

  • 地域密着サービスを求められたから
  • 番組予算が減ったから

サービスはともかくとして、予算が減ったのが大きかった。それ以前の番組ロケは事前取材や泊まりがけでの撮影が当たり前。カメラ、音声、照明、車両、アナウンサーと一クルー5、6人という大所帯です。1)宿泊ロケは激減しました。しかし大所帯というところは変わりません。プロダクションに発注するとカメラ複数、APやADさんがついて取材クルーはまるで大名行列のような人数になります行った先で無理やりネタ探しというやり方はそれまでの取材スタイルを一変させました。

ブラタモリのヒット

タモリが古地図を片手に歩きながら、都会の地形や都市の秘密に迫る人気番組。番組は、街歩き番組として2008年にスタートしました。

この番組企画は、新番組発掘プロジェクトで採択され、2009年10月から半年間の定時番組になりました。

・支持層は「10代~70代」の「男女」と幅広い!
・終了と同時に「なぜ終わってしまうのか! 」の声が殺到
・終了1年経った今でも、再開をのぞむ声が届く

2015年タモリさんのスケジュール調整を受け第4シリーズがスタート。平均視聴率は10%台を維持しています。

当初、「マニアにしか受けない」と言われることもありましたが番組が人気を集めるにつれ波及効果が生まれました。地方自治体による番組の誘致、企画の持ち込みが増加しているのです。

「ブラタモリ」を生み出した先人の企画

旅モノと呼ばれる企画には、芸能人が観光地を歩いてお喋りする企画が数多くあります。その中で、「ブラタモリ」は不思議な印象を見るモノに与えます。

番組によく登場するのが「河岸段丘」とか「三角州」など地理で学ぶ言葉です。このことから「ブラタモリ」は地形図の番組ともいわれます。

旅行ものの企画に「古地図」という”縛り”を持ち込んだことで、「ブラタモリ」は個性をもつことができました。

しかし、この「古地図」は「ブラタモリ」が初めてではありません。NHKのアーカイブスを探るとこんな番組がありました。

ハイビジョンスペシャル「古地図で旅するヨーロッパ都市物語」
初回放送:2002年07月15日(月)
フランス革命50年前のパリ全域が正確に描かれた「チュルゴの地図」と現在もまったく変わらない一角は、パリ最古のマレ地区。だがオペラ通りやサン・ジェルマン通り、放射状に道が延びるロータリーは古地図には存在しない。実は19世紀半ばまで悪臭漂う中世都市だったパリの大改造に着手したのは、ナポレオン3世に信任されたオスマン男爵だった。
今日の町並みの6割は17年間に及ぶ大工事の末に造られた。外科手術にも例えられる大改造はいかに行われたのか。怪盗ルパンの案内でその全貌に迫る。
ハイビジョンスペシャル 大江戸繁盛記(1) 2003年 江戸古地図の旅~江戸東京 迷宮の道しるべ~
初回放送:2003年12月02日(火)
江戸の歴史と魅力を描くシリーズの第1回。現代の東京に生きる少女と、江戸時代からタイムスリップしてきた侍が、古地図を頼りに、江戸と東京を行き来する。

テーマが見つかっても、どうやったら新しい番組(フォーマット)に練り上げることができるのか、制作者なら誰もが抱える悩みです。テーマをどのような視点で見せていくか、制作者は「切り口」を競ったのです。

当初企画を立ち上げたプロデューサーの著書を読むと、日常をアイデアの宝庫に変える発想術を知ることができます。

写真のファイルに残された情報と漏洩を防ぐ方法

2019年3月9日

番組の企画提案には、番組ごとにつくる企画提案、たとえばNHKスペシャル「金メダルへの挑戦」といった一話完結の企画と、シリーズや定時番組の企画の2種類があります。

前者の企画は、取材をもとにテーマを掘り下げていくタイプ。後者は番組に共通したフォーマットを開発するものです。

ブラタモリは後者の企画です。

企画とはいっても、全てが新しいつくりある必要はありません。人の心に響く”ねらい”とか”テーマ”が限られているからです。そのため、シリーズや定時番組の持つ斬新さは、見せ方・視点の新しさを競うことになります。

*アイデアに奇抜さはいらない。「気づく」力を高めること。目線を変えれば見えてくる。

* マーケティングの数字=思い込みから自由になるためには、答えはすぐに出さない。知っていることを手放して「想定外」を生み出すスキマを作る。完成された世界にこそスキマがある。

*提案は「面白さ」のバトンタッチ。企画は「面白さ」「実現可能性」「予算」の三位一体。自分の武器だけで勝負する。

*「何も知らない」は武器になる。ものさしはひとつではない。

何気ない風景の中から些細なことの”違い”に気づくことを堀江貴文さんは思考実験と呼んでいました。情報を扱うものとして忘れてはならない姿勢です。

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References   [ + ]

1. 宿泊ロケは激減しました。しかし大所帯というところは変わりません。プロダクションに発注するとカメラ複数、APやADさんがついて取材クルーはまるで大名行列のような人数になります




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。