映像制作の教科書はなんといっても過去の名作映画を見ることです。
印象に残った編集を見たら、なぜ印象に残るのか想像します。
できれば自作の映像クリップでマネします。
頭の中でPDCAを繰り返すことで引き出しを増やすことができます。
映像関係の専門書を学んでも取材力や撮影技術の上達に役立つわけではありません。しかし自分の引き出しの中に入れておくと、ピンチの時自信をもって対応できることがあります。引き出しは暇なときに増やしましょう。
— フルタニケンジ@動画制作者 (@kenfru3) April 15, 2019
中でも映像制作に関わる文検などでシッカリ掲載されている作品は見ておいた方が得。
古い作品なので現代の感覚からするとテンポの違いなど違和感を感じる部分はあります。
しかし、人間の心を揺り動かす普遍的な原理を学ぶことができます。
技法や構造を理解することが目的なので要所だけでも十分です。
戦艦ポチョムキン は退屈だと思うけどチラ見しておきたい作品
やはりなんといっても映像の教科書的存在だからです。
聞いたことありますか「モンタージュ手法」
新人の制作者が最初に学ぶ手法の一つがモンタージュという理論です。
モンタージュとはカットを繋ぐことである特別な意味を生み出す方法です。
モンタージュを使った古典が「戦艦ポチョムキン」です。
群衆とクローズアップされた人物を交互に繋げることで意味を生み出す手法は、当時画期的な技術といわれ、映像関係の教科書にのる定番の理論になりました。
「戦艦ポチョムキン」は一度見たら十分。展開は起伏に乏しく、同じような映像がだらだら続くため、今なら30秒に編集したくなるような作品です。
それでも映画史上に残るということは、モンタージュという理論が映像制作の基礎となっているからです。
モンタージュとは組み立てること。
1枚1枚の映像を組み立てることで映像を見る人に意味を伝えます。
特に重要なのは、最初に見た映像が、その次に現れる映像に特別な意味を持たせることです。
この手法を頭の中に入れておくと、映像をどのように並べれば自分の言いたいことが伝えることができるのか自信を持って編集ができるようになります。
公開された当時は画期的な反響だったのだろうと想像しながら見る苦行の時間です。
しかし、この映画は多くの映画監督に影響を与えました。
代表的なのが、ブライアン・デ・パルマ監督「アンタッチャブル」です。パルマ監督の構成は、観客を引きつけるにはこうしたらいいのかというヒントが詰まっています。
オデッサの階段シーンも、観客の立ち位置を微妙に変え、”その場に偶然居合わせた観客自身”に設定することでオマージュを超えたシーンに作り上げました。
まとめ
映像制作者を目指すなら、数多くの引き出しを持つことです。
暇があれば新しい映像を見て、引き出しの数をさらに増やしましょう。
映像を数億見たからと言って、独創的な作品が生まれる確率はゼロに近いかも取れません。
理論を忠実に学ぶことでよい作品ができるとは限りません。
しかし自分の心に残った理論を忘れずにしておくと、いざという時に頭の中にひらめくことがあります。
引き出しを多くするということはひらめく回数を増やすことなのです。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 戦艦ポチョムキン を書きます。