放送が盛んに宣伝する8K技術。
狙いは放送番組というよりは映像産業に資する環境づくりのように感じます。
大画面の映像は屋外などのイベントで使われます。ニーズに応えるため高輝度・高速駆動で動きを再現する映像技術は進化します。
変化は制作者の仕事にも影響を与えます。例えば結婚式。
披露宴で上映される動画の制作はプロダクションの収入源だったりします。
その結婚式の動画に少なからず影響があるかもしれないと思ったのがこちら。
Panasonicが力を入れているのがプロジェクター方式で映像を上映するシステムです。
2月19日~21日東京ビッグサイトで開催された ProLight & Consoleで参考出品された「ムービングミラープロジェクション」で方向性が見えました。
新時代の動画上映とは
私たち世代が抱くプロジェクターのイメージは幻灯機です。幻灯機とは強い光でスライドなどの情報を離れた場所に拡大して上映する仕組み。しかし、強い光源を作るためには上映する幻灯機が高熱になるため取り扱いが難しいのが難点でした。
時代とともに技術が進歩。最近ではLEDなどを光源としたプロジェクターが登場し、屋外イベントなどでも利用されるようになりました。
今回の展示では、従来のプロジェクターとは少し異なる考え方が披露されました。 ポイントは三点あります。
- レーザー光線
- 外光をはねのける画面
- 鏡
高い映像表現の実現
プロジェクター「PTーRQ50KJ」はレーザー光源を持つプロジェクター。青と赤、複数のレーザー光源を使った広色域化技術により強い光を投射できます。
物流コスト削減や現場の省人化などが見込まれることから、東京2020オリパラや大型イベント、野外での大型プロジェクションマッピングなどでの活用を目指すのだそうです。
外光をはねのけるスクリーン
dnpsupernovaは外光を吸収するスクリーン。従来のプロジェクターは暗い室内で白色のスクリーンに投影するものでした。ところがスクリーンが白色だと屋外では外光を反射して画面が白っぽくなってしまいます。独自の構造を持つこのスクリーンは照明や外光を反射しないので明るい環境でも本来のプロジェクターの色が再現できるといいます。
#dnpSupernova Instagram posts (photos and videos) – Picuki.com
鏡を使った動きの工夫
クリエイター注目の技術がムービングミラープロジェクションです。プロジェクターからの映像を複数重ね合わせて演出を行う事例はプロジェクションマッピングなどで目にするようになりました。
しかし、パノラマの映像にするためにはシステムが大型化する上に高速で動かすこともままなりません。ここではプロジェクターを固定しプロジェクターから発射された映像を鏡で反射させることで動きを生み出す仕組みです。鏡の動きだけをコンピュータで制御することで小型化・コストダウンを見込みます。
まとめ
通信が高速になる5Gの時代。ともすればソフトの面にばかり光を当てがちですが、映像を上映するハードの面でも技術開発が続いています。
いままでのマッピングというイメージだけでなく 、結婚式などの小規模イベントでも新しい映像表現の場が拡大することが予想されます。クリエイターの活躍の場が増えることを期待したいものです。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 ムービングミラープロジェクション を書きます。