動画編集の募集記事を見ていると「ポートフォリオを添えて」という文言をよく見かけます。
仕事を依頼したいけど、あなたの腕前を見せて。ということでしょうか。
でも初心者は「どうやって作ったらいいかわからない」と悩みますよね。
ポートフォリオの作り方を考えます。
動画編集のスキルを売る ポートフォリオ の教科書
ポートフォリオの作り方については、デザイン系の参考書が多数出ています。
ためしに一冊読んでみるとわかるように、ポートフォリオはその人のスキルを判断する材料として期待されています。
ポートフォリオとは、書類入れ、書類カバン、および、そのような書類入れの意味。
ポートフォリオとは、“自分が過去に携わった作品集”を意味します。
しかし、これらのポートフォリオは写真やイラストなど画面で表示できるものばかり。
動画のポートフォリオ「ショーリール」
動画の場合、ポートフォリオの参考書はなかなか見つかりません。
動画の世界では「ショーリール動画」と呼ぶからです。
※上記の動画はポートフォリオと表記していますが、ショーリールです。
ショーリールという言葉は動画業界の中で通用する言葉なので、動画制作者は「自分広告」をショーリールにしてまとめておく意識を持つ必要がありそうです。
動画編集のスキルを売る ポートフォリオ の教科書
依頼者からの要求にこたえるように、動画編集者側もポート例とを積極的に公開し始めています。[1]だいち@動画編集者さんのポートフォリオ
ポートフォリオできた!
— だいち@動画編集者 (@daichi_edit1) August 20, 2021
今の自分にどれぐらいのスキルがあるのかを意識して
作ってみました😆
勉強を重ねてスキルが溜まったらまた作ってみよう👍https://t.co/FNXqGkkjkL#動画編集者#動画編集者と繋がりたい pic.twitter.com/z6gHN8Kx3O
ポートフォリオは今の時点の自分の力を正直に示すものです。
公開された情報を見れば、委託先の実力が前もってわかるので安心して発注できます。
自分を良く見せるために難易度の高いものを無理しても掲載したくなりますが、それはやめた方がいいです。
依頼者の期待に対して自分がどんな価値を提供できるかというプレゼン力を試すためのものにすぎません。
期待を裏切ってしまうようなリスクは避けましょう。
リスクを避けるために必要な知識がわかる動画があります。
初めての人はまず生ハム帝国【動画編集者】さんのチュートリアルをご覧ください。
ポートフォリオに含まれている要素
ポートフォリオで伝えるべきことは、才能や技術そして個性です。
さらに客観的な視点を持ちストーリーに沿って読み手を最終ページまでエスコートできる企画・構成力も欠かせない要素です。
したがって、ポートフォリオの設計は常に相手の立場に立って考える必要があります。
- 課題解決力
- 仕事の速さ
- 論理的説明力
- 積極性
以上です。
完璧なポーフォリオを見せたけど案件獲得できなかいこともあります。むしろ打率はかなり低く考えておいてもいいでしょう。
依頼者側は「即戦力として使えるか」という視点で見ています。平たく言うと「使えるか」という不安も抱えているのです。ここは注意すべきです。
ポートフォリオを提示したら断られるかもしれませんが、それは自分の能力を否定されたわけではありません。たまたま「能力的には申し分ないが自分の仕事には合わない」など相手の都合によることもあるのです。
課題解決力
課題解決力とは、依頼者側の持つ悩みをよく聞き、自分なりの解決策を用意できる力です。
例えば、動画を使わずタイトルや文字を中心にしたデザインで売りたい依頼者にはテキストアニメーションのスキルをまとめます。
ストーリー性を求める依頼者なら「起転結」が見えるような構成力を整理して見せる必要があります。
個別の収録作品と同時に、ポートフォリオ全体を作品と位置づけた「完成度」をみることで、依頼者は動画編集者の能力が判断しやすくなります。
仕事の速さ
依頼者が動画編集者求めること質問に対する答えの速さです。
動画編集者は完成度の高さを優先しがちですが、それは間違いです。
依頼者は制作のプロではありません。
求めているイメージを動画制作者に正確に伝えることがほぼムリです。
そのため質問の内容も制作者から見ると漠然としたものになるうえ、制作の難易度やそれに伴って発生するコストも法外なものになりがちです。
仕事の速さとは、素早いコミュニケーションです。
次に、動画とくにネット動画の世界は早さが勝負。
すぐに作ってすぐに流すのが時代のニーズです。
相手が見てすぐに理解できる明快なアイデアを秒速で打ち返し、だめな理由を聞きだして修正案を返していくことが遠回りのように見えて近道なのです。
フェイスブックの創始者であるマーク・ザッカーバーグはこんな言葉を発しました。「 Done is better than perfect.」
完璧を目指すよりまず終わらせろという意味です。完璧を追い求めれば追い求める程、いつまで経っても終わらないのがモノづくりの現場です。ひとまず終わらせてみて、その上でまた考えたり、新たな問題に向き合えばいいのです。
論理的説明力
ポートフォリオをもとに依頼者側からプレゼンを求められる場合があります。
その場合、ポートフォリオの中身が雑然としていたら説明に困るはずです。そうならないためにもポートフォリオは作品の中身を分類整理して、分類した理由を具体的に説明できるようにしておいた方がいいです。
①タイトル中心の動画、②実写を中心とした編集例、③CMを意識した作品例、④講演の収録、④高度な技などです。依頼者側がポートフォリオを見ることで編集者が持つ能力の余白が感じられるようなものができればベストです。
積極性
クリエイターのほとんどは内向的です。
完成度にはこだわりますが商売には淡泊です。それは薄商いの古書店のようなもの。
自分を積極的に売って行こうとしないのはプライドが邪魔をするのかもしれません。
しかし、動画編集は相手の依頼があってこそ成り立つもの。これができるということをアピールしないことには始まりません。
「お力になりたい」という積極性が商売の基本です。
困っている人に力を貸すという精神が、邪魔をしていたプライドを消してくれます。
ポートフォリオの具体例
動画編集者のみなさんはどのようなポートフォリオやショーリールを作っているのでしょうか。
別記事にまとめました。
動画編集を受注するための ポートフォリオ 作例13 | ぶいろぐ
ポーフォリオをつくる手順
ポートフォリオづくりはゴールから逆算してスケジュールを組むと安心です。
いつまでに何をやればいいか、自分に締め切りを作ることができるからです。
手順はだいたい次の通り。
カタログのように作った動画をweb上に一覧にするやり方と、一本の動画にまとめる方法とがあります。
- 必要な作品のリストアップ
- 章建て、テーマ建てなどの全体構成作り
- 章ごとの構成づくり
- webページの作成とサムネイルのレイアウト
- webページにリンクさせる動画の用意
(公開限定としたポートフォリオ専用のYouTubeチャンネルなど) - ショーリール動画の作成
- 追加修正
(ヌケ、モレ、オチや誤字の校正など) - 初号完成
期間はおおむね一か月。ポートフォリオづくりは、それなりに時間のかかる作業です。
なぜかというと、過去の作品の洗い出しがほとんどを占めるからです。
したがって、駆け出しの初心者はポートフォリオを作るためには、蓄積となる作品群を作る期間が上乗せされます。
初心者であってもできるところまで作って公開を目指した方が得です。
依頼者の中にはなるべく低単価で仕事が依頼できる人を探しているケースがかなりあります。
ポートフォリオがあれば、動画制作者の自分には負担が重い案件をあらかじめ避けることができ、交渉の手間を省くことができます。
まとめ
ポートフォリオにつかう動画(ショーリール動画)は実績の証明書に当たるものです。
相手側からすると、実務における成果を積み上げた社会的な能力を見るためのものです。
動画業界の階段を駆け上がるためにも使えるのでしっかり作りこんでおいた方があとあと得です。
したがってコンプライアンスや著作権には気を付ける必要があります。
法令に触るような内容とか、他人の著作物を使うことは自分の実力を毀損することになるので使わない方がましです。
ポートフォリオやショーリールは相手の判断材料として伝わるものとしてつくる必要があるのです。
独立して稼げる動画クリエイターを目指すなら映像制作と実務案件を通して学べるスクールがありますReferences
↑1 | だいち@動画編集者さんのポートフォリオ |
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