一眼カメラで動画を収録する時、わかりづらいのが音のレベルです。
前回紹介した「ゼンハイザーの超指向性マイクMKE600研究」を深堀しました。
一眼動画の弱点克服!TASCAMリニアPCMレコーダー DR-60DMKII
音のレベルを間違えると音が割れたりして使い物にならない映像になります。
また、複数のマイクを使った高度なセッティングにも対応できません。
音のレベルを確認しながら撮影したい人には、外部ミキサーが強い味方になります。
リニアPCMレコーダーとは
リニアPCMレコーダーとは、オーディオCDで用いられるPCM方式のうち非圧縮の音声データ形式で録音する録音機のこと。今回ご紹介するDR-60DMKIIは次のような使用感が魅力です。
- モニターで収録中の音の状態が目視できる
- ヘッドホンでモニタリングできる
- ノイズを拾いにくいXLR端子を使うことで音質が上がる
- ファンタム電源が必要な高機能マイクが使える
デメリットは①かさばる+重量が増える。②電池の減りが速い。③初心者には難しく感じる。くらいなもの。
コスパを考えるとメリットの方が大きく、弱点も工夫次第で克服は可能です。
とはいえ、使えるかどうか迷う人も多いのは事実。ミキサーの働きを知らない人や、ミキサーが必要ないジャンルもあるからです。
現場音が不要の映像重視の動画を作る場合などですね。
購入前の方は、事前に使い方をリサーチすることで導入の是非を判断することができます。
ポイントをまとめました。
マイクの装着
二つあるXLR端子を使えば1は左、2は右というようにステレオ収録ができます。
XLR端子とはキャノンケーブルとみ言われています。
ステレオ収録の場合、モノラルマイクを二本用意してXLR端子に繋ぎます。
どちらか一方だけにマイクを装着することもできます。その場合はモノラル収録になります。
モノラル録音された音源はどちらか片側のチャンネルにしか録音されないので、後程処理が必要になります。
XLR端子の横にある3-4はステレオミニジャックです。
DR-60DMKIIはモノラルマイク2本とステレオマイク1本を使ってステレオ2チャンネルの最大4チャンネルの同時収録ができます。
モノラルマイクにガンマイクを装着してインタビューに使い、ステレオマイクをミニジャックで繋いで環境音を録るなどの使い分けができます。
音声は別のファイルに保存されるので編集段階でレベルの調整が可能です。
DR-60DMKIIに接続できるマイク
そもそもマイクには電源の供給が必要な場合があります。
電力を消費するコンデンサーマイクは電源が必要です。バッテリー内蔵のものもありますが、ファンタム電源が必要なものもあります。
DR-60DMKII では両方のマイクを使うことができます。
ファンタム電源が必要な マイクを使用する場合はボリュームスイッチの下にあるMIC+PHANTOMをオンにして電源を供給します。
スイッチを入れるとモニター画面に確認の表示が出るのでOKをすれば電源が入ります。
マイクに電源が供給され、録音ができるようになります。
起動
左右のマイクをXLR端子に繋ぎ、本体右横にある電源を入れると起動します。
起動すると表示パネルに「1-2」と表示されます。これは二つあるXLR端子につながった二本のマイクが確認できます。
録音を始めるにはまず本体右下にある赤いボタンを押します。これでスタンバイ状態になります。
さらにもう一度赤いボタンを押すと録音がはじまります。
録音停止は赤いボタンを押します。すると一時停止モードになります。さらに停止ボタンを押すと終了します。
録音モード
ステレオのほかモ4チャンネル録音ができます。
4チャンネル設定の場合、1/2chと3/4chは別々のファイルで録音されます。
モノラルはチャンネルを左右どちらかに振り分けることができます。
録音時の注意点
録音時に注意すべき点は、音割れさせないこと。ピークを越えて録音した音は修復できません。
レベルメーターや[PEAK]ランプを見ながら適正なレベルを探ります。
小さい音の録音に対応するための“HI+PLUS”ゲイン設定が追加されているので収録レベルを無理に上げる必要はありません。
モニター
ヘッドホンを装着すると録音の状態を確認することができます。
ヘッドホンの音量は調整することができます。
初心者がよく間違えるのは録音レベルとヘッドホンレベルを混合してしまうこと。
収録音が大きく聞こえるからといってヘッドホンレベルを絞って調整する人がいますが、それはNG。音割れを防ぐにはレベルメーターで確認しながら録りましょう。
カメラへの収録
本体上部にあるねじ穴にカメラを固定することができます。
カメラにコードを差し込み、一方の端子をDR-60DMKIIのカメラアウトに繋げば完了です。
カメラとはミニジャックを繋いで接続します。
カメラとマイクの接続は、カメラ側の外部入力がマイク入力専用となっているため、これまでの器材ではアッテネーター挟む必要があり、インピーダンスマッチングに苦労することがあります。
DR-60DMKIIは出力レベルを調整できるので楽です。
音楽収録などで使えるのはストレートトーン機能です。波形をぴったり合わせれば、映像と音声をぴったりあわせることができる機能も備わっています。
電源
電源は単四電池4本。消費電力が大きいので充電池(エネループプロ)をフル充電させて使うと4時間持たせることができそう。
モバイル充電池が使える場合は本体横にあるUSBを使って給電するのをおススメします。
参考にしたレビュー動画
気になる方はレビュー動画を確認するといいです。
商品写真などではデカくてゴツく見える商品ですが、意外にコンパクトであることに驚きました。
初心者の手触り感 TASCAM DR-60DMKII じっちゃんのおもちゃ開封とテスト
動画制作系YouTuber、gyueenさんのチャンネル
TASCAMは圧倒的に外国のレビュー動画が多く、かなり克明に解説してくれる動画もあります。その中から役に立った動画をセレクトしました。
Creative Media Instituteによる英語のチュートリアル。解説は同社の技術担当オーランド・マルトスさん。概要がつかみやすい日本語の翻訳が付いています。
録音レベルの調整など
まとめ
収録系の機材がしっかりすると取材や構成に専念できます。
私は環境音を避けるため、独立したモノラルマイクでインタビューするのが目的です。4チャンネルなどは使いません。自分にとって必要なものとは何かが見えると導入の決断もしやすくなると思います。
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