「高性能カメラやスマホの機能が劇的に上がってうれしい」そう感じている人が増えています。
その恩恵の一つが手ブレの少ない映像が撮れるようになったことです。
しかし、カメラでもカバーしきれないブレが気になったら編集で補正するしかありません。
今日はAfter Effects の「ワープスタビライザー機能」を使った手ブレ補正方法をご紹介します。
ワープスタビライザー機能を使った手ブレ補正 のやり方
・動画編集を効率化できる
まずはAfter Effects を起動します。
補正したいクリップをタイムラインに置き、シークバーをクリップの冒頭に移動します。
After Effects にクリップのブレ具合を分析させ補正方法を考えさせるのです。
補正したいクリップを選択し、エフェクトメニューから[トラッカー]を表示します。
すると画面右に[3Dカメラ][ワープスタビライザー][トラック][スタビライズ]などと書かれたパネルが出てきます。
クリップのブレ具合を分析するため[スタビライズ]をクリックします。
スタビライスは特定のポイントの位置を画面内で固定(スタビライズ)する機能です。
画面に、四隅をドットで囲んだトラックポイントが出現します。
トラックポイントをマウスで選択して画面上の目印になりそうな場所に移動します。
このクリップでは選ぶのは目や鼻、口など一目見てわかる箇所です。
トラックポイントは、画面のブレ具合を座標として記録しその記録をもとに画面の動きを知る役割を果たします。
ただし、目印が一点だと、クリップが回転したり、ゆがんだりする動きまではとらえることができません。
そこで[回転]と[スケール]にチエックを入れます。
すると画面にトラックポイントがもう一つ出現します。
新しく生まれたトラックポイントを使ってもう一カ所の目印に適用します。
トラックポイントが見えにくいときは、目印の近くにドラッグしていくと拡大表示されます。
目印が見つかったらトラックポイントの外側の枠を拡大縮小して目標のサイズに合わせます。
トラックポイントの枠がふたつあるのは検索範囲のゆとりを持たせるためです。
ブレの不規則な動きを補正するため、二重線の範囲がクッションを果たします。[1]検索範囲を大きくするとズレの補正が精密になります。ただし処理に時間がかかります
適用が終わったら、ブレの記録を取るため画面右にある再生ボタンを押します。
すると計測が始まります。
計測に当たってはコマ送りや逆再生での分析もできます。特に理由がない限りは順再生を選びます。
計測は CPUのパワーをかなり使います。
さらにいったん始まったら止められません。
その間何もできなくなるので心してかかりましょう。
分析が完了するまでしばらく待ちます。
計測が終わるとナメクジの足跡のようなトラッカーの移動した様子が画面に表示されます。
画面右の[適用]を押して記録します。
再生してみましょう。
トラッカーで特定した二つの点を中心に画面が固定されたことがわかります。
スタビライザー
画面が揺れていると視聴者に不安定な気持ちを感じさせます。
さらに揺れるタイミングを避けるため編集でカットを繋ぎにくくなります。
撮影時には可能な限り三脚を使って安定した映像を撮りましょう。
手持ちで撮る場合は固定したものにカメラやスマホを押し当てて撮るという工夫も必要です。
予算に余裕があるならば、スタビライザーを使うのも画面のブレを防ぐため有効です。
まとめ
見ていただいてわかるように、ワープスタビライザーは完璧にブレをなくすことはできない上、画面の四隅が見切れてしまうなど不自然な動画になります。
画面の見切れは画角を拡大することでごまかすことはできますが、解像度がやや落ちます。
つまりこの機能はあくまでカメラの手ブレ補正を補完するためのもの。
気になる動きを抑えるものとしてとどめた方が賢明です。
References
↑1 | 検索範囲を大きくするとズレの補正が精密になります。ただし処理に時間がかかります |
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