iPhone12で撮影した HDR動画を補正 する方法 | DaVinci Resolve

HDR動画を補正
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 HDR動画を補正 を書きます。

iPhone 12以降のシリーズでHDR動画が撮影できるようになり、高画質な映像の制作がより手軽になりました。

特に、明暗のバランスが良く、目で見たような自然な色味を再現する「Dolby Vision形式」のHDRは、そのままでも美しい映像ですが、編集時に少し手間がかかります。

そこで本記事では、iPhone 12で撮影したHDR動画を、DaVinci Resolveを使って簡単に補正する手順を詳しく解説します。

iPhone12で撮影したHDR動画をDaVinci Resolveで補正する方法

HDRとは?

HDR(ハイダイナミックレンジ)は、明るい部分と暗い部分を詳細に表現する技術で、目で見た際の自然な色味やコントラストを再現することが可能です。

従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)映像は、明るすぎる部分が白飛びしやすく、暗すぎる部分が黒つぶれしがちです。

しかし、HDR技術では複数の輝度データを組み合わせることで、これらの問題を防ぎつつ、非常に鮮やかな映像を実現します。

iPhone 12では、HDR動画の記録方式として「Rec.2100」が採用されていますが、一般的な編集ソフトはSDR形式である「Rec.709」を使用します。そのため、カラースペースの違いによって、編集時に映像が薄く見えたり、色味が変わってしまうことがあります。

iPhone 12でHDRモードを設定する方法

iPhone 12でHDR動画を撮影するには、以下の設定が必要です。

1. [設定] アプリを開く

2. [カメラ][ビデオ撮影] の順に進む

3. 解像度を 1080p または 4K から選択

4. [HDRビデオ] をONにする

これでHDR撮影が可能になり、広いダイナミックレンジで美しい映像が記録されます。

スマホやデジカメで撮影した動画をあとで見ると、カメラによっては明るい部分が白っぽく写ってしまったり、暗い部分が見えづらかったりしてがっかりしたことありませんか。そうした悩みを解決してくれたのがiPhone12です。なぜかというと、iPhone 12シリーズから撮影機能が改良。Dolby Vision形式のHDR動画に対応するようになったからです。この映像はそのままでもずば抜けた映像ですが、動画を編集する際注意したいのがHDR動画の編集です。

DaVinci ResolveでのHDR補正手順

1. プロジェクト設定を確認

• DaVinci Resolveを開き、メニューの [ファイル][プロジェクト設定] を選択。

• カラースペースが [DaVinci YRGB] になっていることを確認します。この設定で、HDR映像の適切な補正が行えるようになります。

2. カラースペース変換を適用

• カラーページに移動し、左側のエフェクトパネルから [ResolveFX Color][Color Space Transform] を選択。

• 補正したいクリップにドラッグ&ドロップして適用します。

3. Color Space Transformの設定を確認

• インスペクタで [Color Space Transform] の値を以下のように設定します。

インプットカラースペース:Rec.2100

インプットガンマ:Rec.2100 HLG(Scene)

• これにより、HDRカラースペース(Rec.2100)がSDRのカラースペース(Rec.709)に変換され、DaVinci Resolveで通常のSDR映像として補正できるようになります。

4. カラーグレーディングの微調整

• HDR映像をSDR映像に変換した後、必要に応じてカラーグレーディングを行います。

• ノードを追加し、好みの色味や明るさに調整すると、さらに見栄えが良くなります。

DaVinci Resolveで補正する際のポイント

DaVinci Resolveで編集する際は

  • iPhone 12 でHDR撮影すると、Rec_2100 のカラースペースで記録される
  • DaVinci Resolveで補正するには「カラースペース変換」を使って、Rec_2100からDavinci YRGB へ変換

これで、明るすぎる部分と暗すぎる部分が程よく調整された深い色味にできます。

Rec.2100からRec.709への変換:Rec.2100で記録されたHDR映像を、そのままRec.709のSDR映像に変換することで、画面上でHDRの美しい色味や深みを表現できます。

メモリ容量に注意:HDR映像はデータ量が多いため、撮影しすぎるとiPhoneの容量を圧迫する可能性があります。編集後に不要なファイルは整理すると良いでしょう。

まとめ

iPhone 12で撮影したHDR動画をDaVinci Resolveで補正する方法について解説しました。

HDR映像の美しさを引き出すには、カラースペースの変換を正しく設定し、編集環境に適した補正を行うことが重要です。次回の動画編集に活用して、iPhoneのHDR機能を最大限に活かした映像制作を楽しんでください。