
放送局が作る番組=動画コンテンツは、おおぜいの人に対して同報するのが基本です。
若い人のテレビ離れが深刻な今日この頃は、さすがに危機意識を感じるのでしょう。「SNSとの連携強化」とか「オンエアされない話題を公開」などとアピールしはじめましたが、基本は平均点狙いと言ってもいいかもしれません。
平均点とは誰が見てもわかる内容を目指すことです。「あまねく」という言葉に縛られる限りターゲットを絞り込んで作り込む投稿動画には勝てないのです。
目次
達人は動画を作り込んでいる
投稿動画は制約がない反面、当たるも外れるも運しだい。夥しい数の動画が今も投稿されています。
圧倒的に見られているトップYouTuberの動画もありますが、よく聞くのが「作った動画が売れる保証はない」ということ。つまり「絶対バズる動画」はないのです。
ちなみに、思考停止して話すだけじゃダメですよ。
— マナブ@バンコク (@manabubannai) October 27, 2019
毎日のように台本を作り、そして練習。あとは日常的にYouTubeを見て、他の人のトークから学ぶ。これを1年ほど繰り返すと、驚くほどに成長するはず。参考までに、僕のYouTube台本を貼っておきますね。こんな感じです pic.twitter.com/22nryolvKW
トップブロガー&YouTuberのマナブさんのツイートを見てもパズル動画作りは簡単なものではないことがわかります。
マナブさんの作る動画は、本人出演による講座系の動画です。「ブログの書き方」「アフィリエイトのやり方」「フリーランスとしての生き方」などトークを中心に制作した動画は圧倒的に見られています。
YouTubeでは「ごちゃごちゃと話す人」がいますが、たぶん伸び悩みます。
その理由は下記です。・そもそも、分かりづらい
・視聴者の時間を奪っている
・効率的に改善していけない
テレビを長年作ってきた経験から見ても、マナブさんが実践していることは正解です。
テレビ番組はすべて台本(構成)で骨格が作られます。骨格というのは話の展開です。展開は論理的に形作られ、その構造を具体例が支えています。
映像制作をはじめて手がける人が陥るのが「カッコイイ映像」です。
若いクリエイター志向の強い人ほど、テロップの大きさや効果、数カットの細かい繋ぎ、音楽などにこだわったりします。
しかしカッコイイ映像は、たまに作り手の自己満足だったりします。視聴者が期待する内容に答えない映像はいずれ忘れ去られてしまいます。
伸び悩むなら、映像を改善するよりも、どちらかというと「トークの改善」の方が、効果ありかなと思います。
達人も語るように、事前の台本作りが勝敗を決めます。ラッキーパンチでは勝てません。トークを上達したい人はマナブさん流の台本イメージを参考にしてください。
YouTubeで「うまく話せない人向け」の対処方法【コミュ障の僕が語る】
バズ動画を作る6原則
「バズる可能性を秘めた動画をつくることならできる」と言う「バズ動画を作る6原則」ということばがあります。
- UNIVERSAL (普遍性)
- DISCUSSION(議論)
- WOW(驚き)
- INSIGHT(共感)
- 1stCATCH(冒頭の誘引)
- 1WORD(冒頭の誘引)
「絶対にバズらない動画」は世の中にたくさんあります。 「動画がバズるかどうかは運次第」なのかというと、そういうわけでもありません。 バズる可能性が0%か、0.1%でもあるのかというのは大きな差です。ほんの少しでも可能性をつくっておけば、量産することで、いつかバズるかもしれないからです。
センスなし才能なしでも大丈夫?6つの法則で誰でも作れるバズ動画 | プルークスの動画アカデミー
UNIVERSAL(普遍性)
ユニバーサルとは普遍的な特質のことです。国籍や性別や年齢に関係なく、誰が見ても理解できるというのがバズを狙う上で最も重要な要素です。
DISCUSSION(議論)
ディスカッションとは議論のことです。「これどう思う?」とよくも悪くも議論を巻き起こすような、ついつい意見したくなるような設定を盛り込みます。
WOW(驚き)
ワオ、は読んで字のごとく驚きここと。意外性です。「まさか!予想外!」というどんでん返しは映画制作においても必要不可欠ですが、短い動画であっても驚きがあるのとないのでは引き込まれ方が大きく違います。
INSIGHT(共感)
本来は「インサイト」という一語では洞察という意味ですが、「イン・サイト」という二語で視野に入るという意味になります。ここでいうインサイトとは後者の意味で、相手の視野(立場)に立って共感することが大切だという考えです。
1stCATCH(冒頭の誘引)
第一印象のことを「ファーストインプレッション」と言ったりしますが、つまり冒頭部分で心を掴む「つかみ」のことをファーストキャッチと言います。情報過多の現代では冒頭で「おもしろそう」と思わせなければすぐに視聴をストップされてしまいます。
1WORD(一言で伝えられる)
ワンワード、は一言で簡単に内容を説明できる、または伝えたいことが明確であることを指します。どんなに優れた内容の動画を作っても人から人へと次々に拡散されなければバズ動画とは呼べませんので、「〇〇な動画があるんだけど、おもしろいよ!」と言えることは重要なのです。
動画ネイティブの世代の関心は
流通大手のイオンの子会社であるイオンファンタジーが運営する、アミューズメント施設があります。
小学生以下の子供をターゲットにしたこの施設「モーリーファンタジー」は、動画を活用して売り上げを伸ばしています。
その動画の一つがももかチャンネル/MOMOKA CH – YouTube
YouTuBeのチャンネル登録数30万。小学生に人気のYouTuberの動画です。
アミューズメント施設の収益の柱となっているのがプライズゲーム[1]クレーンゲームなど景品を獲得することが目的のゲームです。
動画は実際にモーリーファンタジーに行ってクレーンゲームに挑戦した様子を撮影したもの。
「YouTuberの○○ちゃんがやっていておもしろそうだから、モーリーファンタジーに行って私もクレーンゲームをやってみたい」と小学生を中心に大人気で、中には100万回以上の再生数のものもあります。
ちなみに、小学生の85.6%がインターネットを使用し、うち66.1%が動画を見ているというデータもあり、閲覧時間は1日平均2時間、年々増加傾向にあるのだそうです(内閣府・平成30年度青少年のインターネット利用環境実態調査より)。
大人が知らないうちに子どもたちは新しい動画の楽しみ方を身につけ始めています。こうした状況を頭に入れながら、動画の可能性を探る努力が必要です。
「拡散する動画」コンテンツのつくり方
すでにバズっている動画に「乗っかる」というのは、まったく同じような動画をつくるという意味でありません。
バズる可能性を生む方法は、大きく2つあります。
- 他の人がやっていないことをやる
- すでにバズっている動画や知名度のあるものに「乗っかる」
ゲームの実況なら、バズっている動画の長さや編集形式、実況の声のトーンやスピード、ゲームのジャンルなどを、すでにバズっている動画を参考にしてみるという応用であり、リミックスのことをいいます。
動画がこれから伸びると言われています。これまで親しんできた映画やテレビ、広告などの動画でもなく、個人発の投稿動画でもないメディアがどんどん誕生してくるはずです。
・動画制作はプロに頼むべきか
・企画段階で再生回数やシェアをどう見込むか
・動画は流行を追いかけるべきか
・動画の長さはどのくらいがベストか
・本題に入る前にユーザーが離脱してしまう
・字幕は入れたほうがいいか
・タイトルには自社商品名は必要か
・大げさなタイトルは避けたほうがいい?
・クリックされやすいサムネイルのコツ
・再生回数が伸びないときは
・注目されたいときは炎上マーケティングもアリ?
動画に関心を持つ人はトライアンドエラーを繰り返しながら作り続けていくしかありません。
References
↑1 | クレーンゲームなど景品を獲得することが目的のゲーム |
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