初心者が悩むのは動画の仕様つまりフォーマットです。動画形式やコーデック、フレームレートに解像度、アスペクト比、ビットレートにインターレース・・・・。
映像の仕様が複雑なのは、その映像が使われる場面。放送や広告、ネットも含む伝送路、いわゆるプラットフォームにより異なるからです。例えば線路の幅に合わない電車が走れないようなものです。
映像のプロ。特に技術さんにとっては大切なことがらかも知れませんが、映像を作る番組作りをする立場から見ると意味不明です。番組制作の現場ですら仕様についてあれこれ頭を悩ませる制作者はいませんでした。決められた技術に合わせて作っていたからです。
技術に悩みながら制作を進めるのは本末転倒です。アマチュアはそこまでこだわる必要はほとんどないのです。
とはいえ、何らかの手本がないと実際に作る際不安です。
一番簡単な方法は、世の中の流行に合わせることだと思います。
ではその流行とは何でしょう。
私の動画フォーマット
動画を制作するに当たり、私はYouTubeの投稿基準を目安にフォーマットを決めています。
そのフォーマットとは
- 解像度は1920×1080つまりアスペクトは16:9
- コンテナはmp4
- 映像コーデックはH.264
- 音声コーデックはAAC-LC
- インターレースは無視
これを見て自分が作った動画はできるだけ高画質・高音質な状態で公開したいという人もいるかと思います。だからと言って、4Kや8Kで動画を作り投稿する気持ちはありません。
手持ちの機材で効率的に動画投稿ができれば満足だからです。手段と目的がすり替わってしまっては意味がありません。
つくる動画のフォーマットはこれに決め、動かさないことにしました。フォーマットを決めたことであれこれ悩まず済むようになりました。
それでも、なぜこの規格なんだと悩む人がいるもしれません。参考までにその理由をまとめてみました。
フレームレートの謎
フレームレートとは、パラパラマンガでいう紙の数です。一秒間に使われる枚数が多いほどなめらかな表現が可能になります。テレビなどでおなじみの映像は一秒間に30コマの静止画で構成されています。これを英語で30fpsと表記します。
YouTubeでは2Kから8Kの動画を除き 30fpsを標準にしています。[1]したがって私もフレームレートは30fpsに決めています。投稿動画を60fpsで作ったとしても強制的に30fpsに下げられてしまうのです。だから・・・
30fps以外の選択肢はない
のです。
悩ましいのはDaVinch Resolveなどの編集ソフトを使っているとわかるように、使えるフレームレートが多いことです。どれを選べばいいか迷いますよね。
DaVinch Resolveのユーザーには映画関係などのプロ級の編集者が多いのでしかたがないのですが、これではどの数値が適性なのか素人にはわかりません。
とくに謎なのが30fpsに近い数字 29.97fpsです。
この中途半端な数値は放送がカラー放送に切り替わったとき生まれたといいます。
アナログ方式のテレビ放送は、最初モノクロで始まりましたが、その後、カラー放送が始まります。色がつくことで情報量は増えることになりますが、モノクロ映像と同じ仕組みで再生すると、映像と音が1時間に3.6秒ズレてしまったそうです。この問題を解決するために、フレームを間引いていって、「29.97fps」にしたところ、ちょうどズレがなくなりました。「29.97fps」というナゾの数字はここで生まれたことになります。
なぜ29.97fpsなのか – 誰がためにキーを打つ
30にするのか29.97にするのか、デジタル時代にアナログ時代のグレーゾーンが残っているところに映像制作のややこしさを感じます。
映像がプロの手から離れ、一般に普及し始めた今、ややこしさは商売の敵です。民生用のビデオカメラを見ると 29.97という記載は見当たりません。
結論から言うと、表示されている数値に30fpsしかない場合は30fps。30fpsと並んで29.97fpsがある場合は29.97fpsを選ぶのが吉といえます。
YouTubeの仕様を学ぶ
Youtubeでは投稿された動画は必ず Youtube が再エンコードする仕様になっています。
Youtubeに高音質な動画をアップロード・ダウンロード=無理という話 | AviUtlの易しい使い方
高画質・高音質な動画をアップロードしても、Youtubeは強制的にその動画の品質を一定の水準に落とします。
動画のビットレートやコーデック、動画形式が異なっていても投稿を受け入れるのはそのためです。
動画形式については、MP4、AVI、MOV、WMV、MPEG-PS、FLV、3GPP、WebMをサポートしているといいますが、 マイナーな動画形式以外はほとんど対応しているといわれます。
コーデックについても多分ほとんどのものに対応しているといわれます。
しかしその都度、動画形式やコーデックを替えるのは生産的ではありません。推奨されるのは動画形式は MP4、コーデックはH.264に固定しておいた方が正解です。
H.264の後継といわれるH.265は、普及してから採用しても遅くはありません。
動画投稿を始める前に読む本
以前、動画編集を始めるにあたって読むべき本はありませんと断言しました。
放送局ではチュートリアルなどありません。編集の腕を磨く方法は実践しかなかったからです。
しかし、動画投稿を目指すのが目的なら話は別です。知っておくべき知識があるとないとでは大違いです。
#飯田祐基 #バズる動画・ライブ配信確実に拡散するしくみ 動画制作と配信をめざす人は読んで得するヒントが具体的に説明されている本です。最初に読むべき本というのはステマではありません。
— furutani (@kenfru3) September 28, 2019
この本は、ダイヤモンド社のサイトで公開されている特集連載「バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ」をまとめたものです。
動画・配信を拡散させるための考え方とやり方をインフルエンサーマーケティングの第一人者であり実践者でもある著者が伝授したもので、わかりやすくまとまっています。
バズる動画・ライブ配信 確実に拡散するしくみ | ダイヤモンド・オンライン
「動画をつくってみたものの、まったく見られていないんです……」「SNSやホームページで案内をしているのに、何の反応もありません」
という基本的な悩みから絵解きして、”拡散”という視点から動画投稿を効率的に進めたい人にわかりやすく解決策を提示してくれます。
目的を押さえた上で、個別の課題を解決していくのが正解への早道かもしれません。
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References
↑1 | したがって私もフレームレートは30fpsに決めています。 |
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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 動画のフォーマット を書きます。