地味な動画でも続けるうちに固定ファンがつきます

ノラ猫撫でて百万回再生!
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

主なジャンルは情報番組やドキュメンタリーなど取材系の番組です。

放送局の経験から思うのですが、これからの時代動画はさらに普及すると確信しています。なぜなら通信が高速になる将来。大容量の動画ファイルですら瞬間に視聴ができる上、費用も爆下がりすると思うからです。

撮影や編集、そして公開にまつわるサービスも進化が止まらないでしょう。

高性能のスタビライザー付きのカメラや無料の編集ソフトが登場。放送関係者の目から見てもこれは驚きの連続。驚異の進化です。

見たい動画が見つからない

でもたまにこんな質問を受けます。

「わずらわしいTVからやっと逃れられたと思ったらYouTubeもわずらわしい」「落ちついて楽しめる動画を見たい」「年配でも楽しめる企画はないの」と言う声。

スマホ利用者が若い世代に偏りすぎていることから起きた”大人な”視聴者の不満です。

広告収入で成り立つYouTubeはどうしても視聴回数が尺度になりがち。作る側も見てもらうためには手段を選ばずと言う競争が起きています。

その結果、チャンネル上位に並ぶのは、派手なテロップ。扇情的な内容。ジャンプカットで会話の間を詰めたハイテンポな編集。といったBuzzFeed路線1)BuzzFeedとはバズるの語源となった虫の羽音のような大ヒット中のことを指す意味です。のコンテンツばかり。似通ったものになりつつあります。

つまり、テレビのように深く取材したり、理詰めで編集しても話題にすら登らないのです。

こうなると苦労して動画を作る意味がありません。その結果「私たちが見たいものがない」と言う声が増えていくのです。

地味な動画でもヒットできる

しかし、こんな悩みが起きるのは日本だけだとも言われます。実は、YouTubeには30でも60代でも満足するコンテンツで溢れていることがわかってきました。例えばこんな動画をご存知でしょうか。

この動画、なんと視聴回数300万回、いいねの数4万2千回と言う驚くべき人気動画です。作ったのはGreat Big Story。 チャンネル登録者数 336万2,228人。ヒカキンの購読者数600万人と比較するとその凄さがわかると思います。

ではなぜこの動画がこれだけの回数を獲得できたかと言うと、ターゲットの土俵を変えたからです。チャンネルを見るとわかるように、この動画は英語で作られています。ターゲットは日本に興味を持つ外国人でしょう(たぶん)。しかし、撮影した素材は私たちがよく目にする紀行番組のそれです。

こちらは餅つきの達人の技をひたすら見せる作品。日本人の目から見るとどこかで見たような景色ですが、細かく挟み込むようなインタビューカットと、餅を頬張るお客さんの表情から、見ているだけで幸福感が伝わってきます。

醤油作り。暗い室内の撮影や順を追った工程の撮影などはアマチュアには手を出しにくい世界ですが、放送局では一年生が思いつくようなテーマです。

この動画を発信し続けているのはアメリカの振興動画メディア企業、グレート・ビッグ・ストーリー(Great Big Story:GBS)。親会社は大手ニュース専門局CNNです。コンセプトは「賢く好奇心の強い(しかも、ミレニアル世代の)オーディエンスへ向けて、現実的なストーリーを提供すること」だと言います。

編集は外国人が好むような細かいカット繋ぎ。

理屈で繋ぐ日本のテレビ番組とは大きく異なる編集法です。

いわば映画の予告編に近い感じがします。このようなチャンネルは、視聴回数上位ではなく数百番台に見られるところが日本の事情とは違うのだそうです。

英語圏もトップは有名人やネタ系が占めるものの、そのあたりは気にしなくていい。大事なのは、そこより1~2桁低いニッチな領域だ。順位にして数百番台にこそ、面白いチャネルが隠れている。例えば「狭小住宅」というニッチに、どれだけの日本人が興味を惹かれるだろうか? Living Big in A Tiny House (755K)はまさにそこだけがターゲットだが、世界でなら75万人の購読者がいる。日本語チャネルには、こういったニッチなコンテンツの多様性が、まだ少し足りない。

https://getpocket.com/a/read/2387442999

より良い動画作りをめざそう

ネット動画を牽引しているのはYouTuberなど、才能やエネルギーあふれる人たちです。私たちはどうしても動画作りと言うと彼らが繰り出す「ネタ動画」を連想しがちです。

「あんな動画は作れないよ」と動画づくりにチャレンジしないのは損だと思います。コアな視聴者層であるスマホ世代にとって「ネタ動画」は不動の人気を誇りますが、視聴者世代は今後シニア層にも拡大していくからです。

新たな視聴者層が生まれると言うことはそこに別の需要が必ず発生するはずです。その需要こそニッチな領域になりコンテンツとしての可能性が期待できるのです。

コンテンツの中身を見てわかるように、その動画は「ネタ的」な要素ではなく、知りたいという好奇心に答えることが軸になっています。

深く取材し、丁寧に撮影し、凝った編集で心を満たすと言う姿勢に貫かれています。制作する側にとって、動画作りは手間がかかるはずですが、作っていて楽しく心に残るものになるでしょう。

挑戦するなら今がチャンスなのです。

References   [ + ]

1. BuzzFeedとはバズるの語源となった虫の羽音のような大ヒット中のことを指す意味です。