【DaVinci Resolve】 映像の比率 を自由自在に!縦・横・正方形を一瞬で切り替える方法

DaVinch縦長動画
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 映像の比率 を書きます。

ある日の夜、編集デスクにて。
いつものようにDaVinci Resolveを開いて、「さあ、今日もYouTube用の動画をサクッと仕上げるぞ!」と意気込んでいたんですよ。
……ところが、ふとLINEで友達からメッセージが。

「この動画、縦型にしてショートにも出せない?」

出たよ。
出ましたよ、編集者泣かせの「縦型でも欲しい」案件。

一瞬で血の気が引きました。だって、横型で編集してたんですよ。
被写体は画面の端ギリギリ。これ、9:16にしたら確実に顔が切れるやつ。
でも、そのとき気づいたんです。

「あ、Resolveなら“比率の切り替え”が一瞬でできるじゃん!」

というわけで、今日は 「DaVinci Resolveで映像の比率を任意のサイズに切り替える方法」 を、初心者にもわかりやすく、リアルに紹介していきます。

■ そもそも「映像の比率」って何?

まず最初に、軽く整理しておきましょう。
テレビやYouTubeでよく見る横長の動画は「16:9」。
でも、スマホで見るInstagramリールやTikTok、YouTubeショートなんかは「9:16」。
さらに正方形で投稿したいときは「1:1」。

この“比率”が合っていないと、黒帯が出たり、被写体が切れたりして「なんか変…」って感じになるんですよ。
だから、編集する前にどんな媒体で出すか決めておくのが理想です。

でも現実は、あとから変更しなきゃいけないことが多いんですよね。
──そんなとき、DaVinci Resolveが強いんです。

最短で設定する方法

DaVinci Resolveは[エディット]、[フュージョン]、[カラー]、[フェアライト]という4つのページで構成されています。16から新たに[カット]という機能が加わりました。

方法①:カットページで瞬時に切り替える(最速!)

まず紹介したいのが、「カットページ」でのワンタッチ切り替え
これがめちゃくちゃ簡単。

  1. 画面上部のタブから「カット」を開きます。
  2. 右上にある“画角ボタン”(アイコンが四角い枠のやつ)をクリック。
  3. 出てきたプリセット一覧から「16:9」「1:1」「9:16」などを選択。

はい、終わり。
……え、もう?って感じで比率が切り替わります。

たとえば「ポートレート(1080×1920)」を選ぶと、動画が縦型に切り替わって、スマホ用サイズに即変換。
もちろん、素材が横長のままだと上下に黒帯ができるけど、ここは後で調整すればOK。

ポートレイト(1080x1920)を選んでみました。横長の素材はフレームにあわせて縮小され、当然ながら上下に黒みが生まれました。

黒みを生まないように素材のサイズを変更するには従来のエディットページでの作業になります。

境界線に8つの白い点がついた画面を使って映像を移動・拡大します。操作するには四隅に丸のついたアイコンをクリックします。

画面を移動するには映像の中心部にある緑の丸をクリックして行います。

🟢ポイント:この方法は「とにかく早く比率を変えたいとき」に最高。
ただし、解像度を細かく指定したい場合は次の方法のほうが便利です。

■ 方法②:プロジェクト設定から細かくカスタマイズ!

もっと細かく調整したい場合は、プロジェクト設定から調整します。

ちょっと慣れてる人向けですが、覚えておくと絶対に損しません。

  1. Resolveの右下にある“歯車アイコン”をクリック(プロジェクト設定)。
  2. 「Master Settings」を開く。
  3. 「Timeline Resolution」で解像度を設定します。

たとえば──

  • 横型(YouTube用):1920×1080
  • 縦型(ショート用):1080×1920
  • 正方形(インスタ用):1080×1080
  1. 「Image Scaling」タブを開いて、「Input Scaling」を設定。

ここが重要。
「最短辺をマッチ 他をクロップ(Scale full frame with crop)」を選べば、黒帯を出さずに比率を合わせてくれます。
つまり、余計な黒帯ナシで画面いっぱいに映像を切り替えられる!

💡この設定、覚えておくとマジで世界が変わります。

■ 方法③:タイムラインを複製して別比率を作る裏ワザ

もし、ひとつの動画から「横型版」「縦型版」「正方形版」を全部作りたいときは、タイムラインを複製しましょう。

  1. [メディアプール]で既存のタイムラインを右クリック。
  2. 「Duplicate Timeline(複製)」を選択。
  3. 複製したタイムラインの設定をそれぞれ変更(1080×1920、1080×1080など)。

これで、同じ素材を使い回しながら、複数比率の動画を同時に管理できます。
SNS運用してる人とか、クライアントワークしてる人には超おすすめ。

■ 実際にやってみたらこうなった!

僕が試したのは、YouTube用に作っていた16:9の映像を、TikTok用に9:16へ変換するパターン。

変換してみたら……
人物の頭がギリギリ切れてました。

いや、もう焦りましたよ。
そこから「Zoom」と「Position」を微調整して、被写体を中央に持ってくる作業。
ちょっと面倒なんですけど、Resolveのインスペクターパネルでサクッとできるのが救い。

ほんと、こういうときResolveのUIは頼りになりますね。

■ メリットとデメリットを正直に言う

メリットデメリット
✅ ワンタッチで比率を切り替え可能⚠️ 構図が崩れる可能性あり
✅ SNS用サイズをすぐ試せる⚠️ 黒帯や切れが発生する場合あり
✅ プリセットもカスタムも自由自在⚠️ Premiere Proみたいに自動リフレーミングはなし
✅ 画面いっぱいに映像を収められる⚠️ 解像度を変えるとレンダリング時間が伸びる
✅ プロジェクトを複製して別比率を並行編集できる⚠️ 編集途中で比率を変えると全カット調整が必要

「万能だけど、構図の確認だけは人間の目で!」
これがDaVinci Resolve流の比率調整です。

■ まとめ:比率を制する者が、映像を制す!

最後に、僕が編集してて本気で思ったこと。

映像の比率って、「完成形の設計図」みたいなもの。
撮影の段階で「どこで見せたいか」を意識しておくと、編集がほんとラクになる。
でも、もし途中で「やっぱ縦にしたい!」ってなっても、Resolveなら怖くない。

  • カットページ → 一瞬で切り替え
  • プロジェクト設定 → 細かくカスタム
  • タイムライン複製 → 複数比率を並行管理

この3つを覚えておけば、どんな媒体にも対応できます。

🧭 最後に小ネタ

Premiere Proには「自動リフレーミング」って機能があるけど、DaVinci Resolveはあえて“手動調整”なんですよ。
これが逆にいい。
被写体の位置を自分の感覚で決められるから、映像の意図を壊さない。
ちょっと面倒だけど、そこに“職人の編集魂”が光るっていうかね。

「どの比率で見る人にも、自分の映像を一番きれいに見せたい」
そんな人こそ、DaVinci Resolveを使う価値がある。

比率変更をマスターしたら、もう一歩先の編集の世界が見えてきますよ。
あなたの動画も、次はきっと“どんな画面でも映える”一本になるはずです。