動画用三脚選びで失敗しないコツ

動画用三脚選び
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

動画撮影の必需品が三脚です。いい動画を撮影しようとすると三脚なしでは考えられません。せっかくいい絵が撮れたと思っても映像が揺れていたら台無しです。

放送局のカメラマンが三脚にこだわるのは、安定した映像が撮れること。カメラ事態の重量が重いため重さを支える堅牢さも必要です。まずはプロの視点を参考にしながら基本を学びましょう。

プロの三脚は業務用であることから耐久性や信頼性が求められます。はじめて動画撮影をする人にとってはプロ用の三脚はオーバースペック過ぎます。

では実際にどんな三脚を選んだらいいのでしょうか。

カメラ店にはおびただしい種類の三脚が並んでいて、初心者はどれを選んだらいいか迷います。ネットを探すと三脚選びのガイドを見かけます。動画用三脚選びという視点で解説それているかというと疑問が残ります。

動画用三脚選びのコツを探りました。

“三脚”を選ぶ際の3つのポイント

写真関係のサイトによく書いてある「三脚選びのポイント」を見てみましょう。

  • カーボンとアルミ 価格と重量で選ぶ
  • 一般的な段数は3段、携帯機能を重視すれば4段以上
  • 着脱の利便性 レバー式orナット式

材質、段数、固定法。この三点で絞っていくといいのだそうです。

当然価格によって品質に違いが出るので、同一価格帯の中で比較するとわかりやすくなります。もう少し詳しく見ていきましょう。

①軽さのカーボン、価格のアルミ

同じシリーズの三脚を見比べると、カーボンとアルミの違いは一目瞭然です。高さも耐荷重もほとんど同じ商品でも、材質により重さは2割前後違います。

カーボン製は、持ち歩く撮影機材全体の重さがレンズ1本分軽くなり、価格は約2倍に跳ね上がります。

撮影時にかかる機材の総重量を優先するならカーボン製。コスト重視ならアルミ製が正解というわけです。

②携帯性を優先するかしないか

悩ましいのは、重さと価格。それと携帯性。この3つの兼ね合いです。

携帯性を考えると、かさばらない構造の三脚が欲しくなります。そのため段数を多くした商品を選ぶことになります。携帯性の良い三脚は4段もしくはそれ以上のものになります。しかしデメリットもあります。

段数が多くなると脚のロック・アンロック操作の回数が増えます。セッティングが遅くなるぶん、シャッターチャンスにも対応しにくくなるのです。

どちらを優先するかがもう一つの判断ポイントになるというわけです。

③使いやすいのはレバー式かナット式か

三脚は伸ばした足を止めるため特殊な構造をしています。それが脚のロック・アンロック装置です。

ロック・アンロックはレバー式とナット式という蓋との方法があります。

足を伸縮させる時、リング状の部品を回して締めるのがナット式。パチンパチンと留め金を操作するのがレバー式です。

ナット式は確実性が売り。レバー式は早い操作と強度を併せ持つ構造が見どころだといいます。

足の伸縮方法について、セッティングの手間と寿命との兼ね合いを考えるのもポイントです。

ズバリ!三脚は、3つのポイントで選ぶべし!ベストマッチを見つける方法 | CAPA CAMERA WEB

動画用三脚を選ぶ時のポイントとは

記事に書かれた三つのポイントだけで動画用三脚が選ベルかというと、そうでもありません。

動画には動画特有の課題があります。動画用の三脚はその課題を解決するように作られているので、そのポイントも見極めなくてはならないのです。

見極めるポイントは次の通りです。

  • 水平がとれている
  • なめらかに動く
  • がたつかない

①水平がとれている

写真撮影と動画撮影の大きな違いは撮影時間です。瞬間を切り取る静止画撮影と違って動画は時間をかけて撮影します。ズームとか、水平に画面を振るパン撮影等です。

三脚が傾いていると困るのがパン撮影です。カメラを横に振ると映像は斜めに傾いた映像になってしまいます。

一般の写真用三脚と違って、動画用三脚には雲台構造に工夫がされています。レベリングベースと呼ばれる雲台構造がそれです。関節のように半球のような構造で三脚と繋がっているため、傾いた三脚であっても雲台の下にあるレベリングベースで水平を出すことで正確な撮影ができるようになります。

レベリングベースにはハーフボール型、自由雲台型、オートレベル型という三つの種類があり用途1)簡単さとスピードを求めるなら自由雲台型、高さを抑え、強さを求めるならハーフボール型、正確さと軽さを求めるならオートレベル型に合わせて選ぶことができます。

レベリングベース選びのすすめ | カメラと三脚とアルカスイスと ときどきMac

②なめらかに動く

静止画用の三脚はカメラを固定することが目的です。反対に動画用雲台はカメラマンが快適にカメラを動かすために作られています。

同じ雲台でも用途は正反対です。

動画用の雲台には前後に長いビデオカメラのバランスを取るためカウンターバランスという調整機能がついています。カウンターバランスとはカメラを振って手をパンバーから離した際にカメラが斜めになっててもそこでピタッと止まってくれる機能のことです。

カウンターバランスが良くないと、カメラマンが目を離したすきにカメラの自重で雲台が傾き、三脚が倒れてしまうこともあります。

動画用雲台はバランスを取るため油圧式の構造になっています。

汎用品の三脚ではカメラマンが止めたつもりになっても、惰性でしばらく画角が動いてしまうことがあります。調整された雲台は、カメラマンの意図通りに画面が静止するのも特徴の一つです。

デメリットは、雲台の構造が複雑になっているためデカくて重いこと。価格も高額です。カメラ店でも陳列されている店はあまり見当たりません。

③ガタつかない

カメラがなめらかに動くには雲台がひと役買っていることが分かりました。ガタつかないというのは三脚自体が頑丈なことをいいます。

例えば三千円程度の低価格の三脚を使ってみるとわかりますが、少し触っただけで画面が揺れ動いてしまいます。撮影現場によっては屋外で風が吹いている中で撮影することもあります。

少し風が吹いただけで画面が揺れる三脚は使い物になりません。

静止画用の三脚でも動画撮影は可能ですが、長く使い続けようと思ったら写真用三脚選びという視点ではなく、動画用三脚の始点から選ぶべきだと思います。

動画用三脚選びの目安とは

三脚は用途と価格、メーカーにより星の数ほど選択肢があります。ベストチョイスは自分の目的によって選んでいった方がいいと思います。

以上の条件を踏まえ、放送局の経験から自分が基準とするメーカーと価格帯をご紹介します。まずは最高峰から。

Sachtler(ザハトラー)

個人で手が出せる上限にあたるのはSachtler(ザハトラー)というメーカーの三脚です。ザハトラーの三脚は映画撮影用などに使われるハイエンド三脚です。

Vinten(ビンテン)

Sachtler(ザハトラー)が映画なら、放送局で使われているのがVinten(ビンテン)の三脚です。NHKに納入されている実績から信頼性は抜群といえます。ニュース報道などよく見ます。舟と呼ばれるアタッチメントプレートをカメラに取り付けて使います。スライドさせてヘッドに入れ込んで固定するのが結構面倒という声も聴きます。

ザハトラーが次世代の三脚Flowtech 75を発表 | cinema5D

SachtlerとVintenが共同開発した三脚が「Flowtech 75」シリーズが人気です。

上記の三脚は20万円近い価格です。業務用で使用される三脚が高価なのは搭載するカメラや機材の重量が重いからという理由もあります。

機材が重いと重心が高くなり安定性が落ちるからです。

プロが使うビデオカメラは重量があります。例えば実売価格36万円のHXR-NX5Rは重量2100gあり支える三脚は大型化せざるを得ません。私が使っているビデオカメラcx680の重量は305gです。軽いカメラを載せるには業務用でなくても十分です。

新品・中古・撮影機材 Flowtech 75

Manfrotto(マンフロット)

放送局の業務用三脚に匹敵する技術力で汎用品の三脚を作っているメーカーもあります。

イタリアの三脚メーカーである。1960年代末にイタリア人のフォトリポーター、リノ・マンフロットによって創業されたメーカーです。マンフロット三脚のシェアはイタリア国内で約70%、欧州5か国で約50%を誇ります。

自動車の設計から着想されたというディスクブレーキ技術などが使われていて、「素早く動かす、じっくりと動かす」というコントロール機能には定評があります。

マンフロットについて | Manfrotto

Manfrotto 504HD 8~10万円の価格帯で購入できる動画用三脚です。

新品・中古・撮影機材 Manfrotto

Libec(リーベック)

Libec | TH-X

写真用の三脚からスタートして創業56年になる老舗メーカー平和精機工業が製造販売する動画撮影用三脚がLibecというブランドです。

1980年代半ばにビデオカメラ向け三脚の生産にシフト。1995年には写真用三脚から撤退し、ムービー用三脚専業メーカーになりました。

主力は実売価格9万円前後のRSシリーズ。ローエンドの価格帯として3~5万円のモデルTHシリーズなどがあります。

新品・中古・撮影機材 Libec TH-Z

まとめ

写真用三脚選びのポイントと動画用三脚選びのポイントの違いを見てきました。

説明の中でも触れましたが、搭載するカメラ重量により三脚選びも変わってきます。軽いカメラであれば重心も低くて済みます。撮影会場などで見栄を張るのが目的なら別ですが大型高性能だけど高価な三脚を選ぶとオーバースペックになります。

  1. 最後まで見てもらえるポイントは安定感です
  2. 安定した動画を撮るなら三脚は必須です
  3. 動画用とカメラ用三脚は設計思想が違う別物です
  4. 動画用三脚を購入時は「最大搭載重量」と「カウンターバランスレンジ」の2点を確認しましょう
  5. 搭載するカメラの重さや用途やシーンに合わせて選びます
  6. 動画用三脚の予算はプロユースが20万円、普及品で8万円、安いものでもおよそ2〜3万と幅があります
  7. 軽いカメラでプロユースの三脚を無理して買う必要はありません(マニアや撮影会などで見得を張りたい人は別)
  8. 初心者でも手が出せる高級品ならばManfrotto、国産品でアフターケアが充実しているLibecあたりが売れ筋です
  9. 技術を模倣した低価格の類似品が市場に出回っています。購入時にはメーカーを確認しましょう

撮影用のカメラは技術革新のサイクルが早いので買い換える機会はも多いですが、三脚は状態さえ良ければ長く使うことができます。ですから安い商品を何度も買い換えるよりも。いいものを長く使う方が安上がりです。

じっくり考え、長く使うための参考にしてください。

References   [ + ]

1. 簡単さとスピードを求めるなら自由雲台型、高さを抑え、強さを求めるならハーフボール型、正確さと軽さを求めるならオートレベル型




ABOUTこの記事をかいた人

元テレビ番組制作者。再就職→窓際→WEBコンテンツ制作で復活。64歳にして動画制作に自分の価値を見いだしました。目指すのは地域に根ざした"伝える系"の動画制作です。スキルアップと感謝の気持ちを持ちながら楽しく生きていきます。編集のお手伝いも始める予定です。