みなさん、こんな経験ありませんか?
映像にテロップを載せたら、なんか文字が背景に埋もれちゃって読みにくい…。
で、横からディレクターが一言。
「これ、ザブトンつけといて」
いや、ザブトンってなんだよ!?って最初は思いますよね。
でも業界ではけっこう普通に使う言葉で、「座布団=文字の下に敷くベース」のこと。海外だと「ローワーサード(Lower Third)」なんて呼ばれたりもします。
テレビ番組でもよくあるじゃないですか。テロップの下にカラフルな帯が敷かれてて、文字がくっきり見えるやつ。あれです。
今日はその 「テロップに座布団をつける方法」 を、Photoshopでの実際の操作を交えつつ紹介します。
そして最後に、作ったテロップを DaVinci Resolveでどう活用するか まで、初心者でも分かるように解説します。

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【 Photoshop × DaVinci Resolve】テロップに「座布団」を敷いて読みやすくする方法

確かに、DaVinci ResolveにもPremiere Proにも「テキストツール」があって、そこそこきれいなテロップは作れます。じゃあなんでわざわざPhotoshopを使うのか?メリットを整理するとこんな感じです。
① デザインの自由度が圧倒的に高い
編集ソフト内のテキスト機能は「簡単に字幕を入れる」くらいの用途には便利ですが、細かいデザインには限界があります。
- 複雑なグラデーション
- 多層のシャドウや縁取り
- パターンや質感(紙・金属・布っぽい質感など) こういうのはPhotoshopが圧倒的に強い。つまり 「番組っぽい」「サムネ映えする」テロップ が作れるわけです。
② 画像として透過保存できる
Photoshopなら背景を透明にしたPNGとして書き出せます。
これを編集ソフトに載せれば、どんな背景映像にもピッタリ馴染む。
DaVinci Resolveの標準テキストだと「ベタな塗り」や「単純な縁取り」に偏りがちですが、Photoshopなら一枚絵として細かく仕上げられるのが強みです。
③ 作り込みをテンプレート化できる
「座布団つきテロップのPhotoshopファイル」をひとつ作っておけば、あとは文字を打ち替えるだけでOK。
番組やYouTubeチャンネルで統一感を出すときに便利です。
特に複数人で編集する場合、「Photoshopでデザインしたテロップ素材を配布してResolveに載せる」というワークフローにすると仕上がりが揃いやすい。
④ 編集ソフトの負荷を軽くできる
ResolveやPremiereで凝ったテキストアニメーションをすると、意外とPCの負荷が高くなるんですよね。
一方、Photoshopで完成した静止画を持ち込めば「ただの画像」として扱えるので軽い。特に長尺のプロジェクトでは効きます。
⑤ 他デザインにも流用できる
Photoshopで作ったテロップは、サムネイルやポスター、SNS用画像にもそのまま流用可能。
「動画の世界だけじゃなく、チャンネル全体のデザインを統一したい」人にはむしろ必須。
まとめると…
- 凝ったデザインができる
- 背景透過で扱いやすい
- テンプレ化して効率化できる
- 編集ソフトが軽くなる
- 動画以外にも使い回せる
だから「Photoshopでわざわざテロップを作る」価値があるんです。

では実際に応用してみましょう。
「座布団」があるだけで全然違う!
まず強調しておきたいのが、座布団の効果。
映像にテロップを載せるとき、文字が背景に溶け込んでしまうのはよくあること。明るい背景に白文字、暗い背景に黒文字…うーん、どっちにしても見づらい。
そんなときに座布団を敷くと…
テロップが グッと画面から浮き上がる ようになるんです。
たとえば旅行Vlogを作っていて、カフェでコーヒーを飲んでるシーン。
店内の照明ってオシャレだけど暗かったり、後ろに人が映り込んでたりするから、文字がかなり見づらい。
ここで「おすすめのカフェラテ!」ってテロップを入れても埋もれてしまう。
そんなときに、テキストの後ろに半透明の黒い長方形を敷くとどうでしょう。
一瞬で文字が浮き出て、ちゃんと読めるようになります。
つまり座布団は、テロップを「視聴者にちゃんと届けるための保険」みたいな存在なんです。
Photoshopで座布団をつける手順
具体的なやり方です。
ここでは「一度アクションに記録しておけば次から一発で座布団が作れる」っていう方法を紹介します。
① まず文字を入力
普通にテキストツールで文字を打ちます。
例:「おすすめのカフェラテ!」
② レイヤーを複製(⌘+J)
テキストレイヤーを複製します。
③ スマートオブジェクトに変換
複製したレイヤーを右クリックして「スマートオブジェクトに変換」。
④ コンテンツを編集
スマートオブジェクトをダブルクリックで開きます。
⑤ 新規レイヤーを作って塗りつぶす
⌘+⌥+Nで新規レイヤーを作り、⌥+⌫で塗りつぶし。
色は何でもOK。
保存して閉じると、テキストにぴったり合った長方形が生成されます。
⑥ シェイプ化する
そのままだと後から修正しづらいので、
「選択範囲 → 選択範囲を読み込む」→「パスを作成」→「塗りつぶしレイヤーに変換」。
これで編集しやすいシェイプレイヤーになります。
⑦ サイズを調整
⌘+Tで自由変形。
例えば「横105%、縦110%」くらいに拡大して、文字とベースの余白を作ります。
⑧ テキストとシェイプをリンク
Shift+Option+] で両方選択 → リンク。
これでテキストを動かしても座布団が一緒に動きます。
完成!
DaVinci Resolveに持ち込む方法
せっかくPhotoshopで作ったテロップ、動画編集で使いたいですよね。
ここからは PhotoshopのテロップをDaVinci Resolveに取り込む方法 を解説します。
① 書き出し形式は「PNG」
座布団つきテロップを透明背景で保存したいので、Photoshopで
「ファイル → 書き出し → 書き出し形式 → PNG(透明背景ON)」
にして保存します。
② Resolveに読み込む
DaVinci Resolveを開いて、メディアプールにドラッグ&ドロップ。
タイムラインに乗せると、そのまま透過PNGとして重ねられます。
③ 動かしたりフェードさせたり
あとはResolveで自由に演出可能です。
・画面下に固定 → ニュース風のテロップ
・フェードイン/アウト → Vlogっぽく柔らかい演出
・位置キーフレーム → 左からスッと出てくる
こんな感じでPhotoshopの素材をそのまま活かせます。

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まとめ:座布団は「視聴者のためのやさしさ」
テロップに座布団を敷くって、一見すると地味な作業に思えるかもしれません。
でも実際は、動画を観る人の「読みやすさ」を支える超大事な工夫なんです。
僕も昔、テロップをただ置いただけで納品したら、クライアントから言われました。
「いや、これじゃ読めないでしょ。テレビで座布団つけてる意味わかる?」
…そのときは正直、ちょっと悔しかったです。
でも今は分かります。座布団は「映像のプロの気配り」なんだって。
ぜひみなさんも、Photoshopで座布団をサクッと作って、DaVinci Resolveで活用してみてください。
テロップが映像にしっかり馴染んで、仕上がりのクオリティが一気に上がりますよ。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 Photoshop でテロップに座布団をつける方法を書きます。