Premiere Proは多機能な編集ソフトなので、一部だけ切り抜いた映像を編集してつなぎこむことができます。
その方法をさぐりました。
キーカラーの スポイトで画像を切り抜く
Premiere Proは映像加工はあまり得意ではないため、背景が複雑なオブジェクトの切り抜きはほぼNGです。
しかし、背景がシンプルな映像であれば色を指定してオブジェクトを切り抜くことができます。
この動画の空だけ透明にして背景色を変えたいとします。
タイムラインに配置します。
エフェクトパネルからUltraキーを選択して、クリップにドラッグ&ドロップします。
エフェクトコントロールパネルに[Ultraキー]が追加されます。
キーカラーのスポイトマークを選択して、プログラムモニターパネルで切り抜きたい部分をクリックします。
すると空の色の部分だけ特定されました。
エフェクトコントロールの[Ultraキー][マットの生成]の[透明度]の値を100%にします。
するとスポイトで選択した部分以外の部分が透過されます。
下のレイヤーに[ファイル][新規][カラーマット]をクリックして着色した新規平面を生成・配置します。
透明度の値を変えると新規平面の色が透過されることで見えるようになります。
すると、スポイトで選択した空の色だけが透過しました。
特定の色を指定してその部分だけ切り抜くわけですから、実写の場合完全に切り取ることは難しく、かなり裏技に近い方法です。
しっかり切り抜くにはやはりグラフィックに強いAfter Effectsを使ったほうが正解です。
ロトブラシを使って切り抜く方法をご紹介します。
After Effectsのロトブラシで切り抜く
素材をいったん After Effects 上で加工してPremiere Proに戻して編集します。
加工に使うのはロトブラシです。
ロトブラシとは、動画の中の一部をマスクして背景から分離するロトスコープに使えるツールです。
手間はかかりますが、フレームずつ手作業でマスクをかけることを考えると画期的な速さで処理できます。
まずは切り抜く素材を準備します。
ロトブラシはレイヤーを直接処理します。そのため処理したいレイヤーパネルを開きます。
ツールバーのロトブラシツールを選択します。
レーヤーパネルで直接画面をドラッグします。
するとその周辺が選択されます。一回では村が残るので何度も選択範囲を追加していきます。
選択しすぎた場合はAlt/Optionを押すと選択解除モードになるので調整しましょう。
マスク抜きの自動化
選択範囲が決まればフレーム毎に処理をします。この場合は大きく分けて2つの選択肢があります。
- ストロークの描画はエッジではなく骨格に沿って描く
- 間違ったストロークは削除する
- 1フレーム毎に処理する
- スペースバーで再生して一気に処理させる
複雑な動きの場合はコマ送りしながら範囲追加、範囲解除
ロトスコープ処理を確定するためにレイヤーパネルにあるフリーズボタンを押します。
途中で止めた場合はキャンセルではなくそこまでが処理されてしまうので注意です。
解除したい時は青くなったフリーズボタンを押すとクリアになります。
処理が終わったら動画に書き出し、Premiere Proで編集します。
まとめ
このように実写した動画の切り抜きは大変手間がかかります。
合成シーンに使う素材を撮るため背景をグリーンの布で覆うのは切り抜きのクオリティを上げるのが目的だということがわかります。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 スポイトで画像を切り抜く を書きます。